「心地好い名文と心地好い音楽が胸に響いて。」パンドラの匣 TOKUSHIさんの映画レビュー(感想・評価)
心地好い名文と心地好い音楽が胸に響いて。
これは素晴らしい、秀作です。
太宰治の原作のフレーズをアフレコしながら、物語は展開し、
心地好い名文と心地好い音楽が響きます。
そもそもこの小説は、主人公ひばりが友人つくしに書いた手紙という形式で話は展開していきます。
それを見事に映像化しています。
映画が小説に寄り添い、とても良い効果を発揮した作品だと思います。
そして、キャスティングが素晴らしい味を出しています。
どの役もハマっていて、作品の世界へ引き込まれて行きます。
芥川賞作家・川上未映子さんも(あまり台詞はないから成り立った今回の役柄かもしれないけれど)スクリーン負けしない女優っぷりでした。
凛とした佇まいは強く、儚く、美しく。
良い作品でした。
秋のひと時に是非この映画、オススメします。
2009年の今、映像化しても全く色褪ることの無い、太宰治の原作の素晴らしさに改めて感動致しました。
P.S:もしかしたら太宰治の熱烈なファンは映像化は厭なのかもしれない。
僕は映画と小説は別物と捉えているので違和感無く観れました。
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