「難解さを超える面白さ」イレイザーヘッド 荒川ラリーさんの映画レビュー(感想・評価)
難解さを超える面白さ
リンチ監督追悼ということで、この度初鑑賞いたしました。
ブルーベルベットの変態世界に爆笑し、マルホランド・ドライブの摩訶不思議な幻想奇譚に陶酔してしまった身としては、今作品も大いに楽しめました。
リンチ作品は、アートフィルムの原点にして頂点というイメージが強くありますが、よくよく見ると、作品そのものは非常にエンターテイメントに富んでおります。難解ではありますが、それ以上に、楽しく愉快なイメージに溢れています。なにせ、イレイザーヘッドの頭が本当に消しゴムに生まれ変わるのですから、そのバカバカしさたるや他の追随を許しません。ご自身はフェリーニ監督をとても尊敬されていたそうですが、そういった点からしても、リンチ監督は、フィルムメーカーというよりも第一級のエンターテイナーであり続けた人だと思います。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
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