劇場公開日 2025年2月14日

イレイザーヘッドのレビュー・感想・評価

全39件中、1~20件目を表示

5.0とても面白かった

2025年2月22日
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鑑賞方法:映画館

30年振り位の再見だが、当時はびっくりしただけで、あまり腑に落ちていなかった。今回は主人公にずっとリアリティを感じられて、面白さの中身がようやく分かってきたようだ。
独特だが独りよがりではなく、キャリア初期にも関わらず未熟な感じが全くなく、後年の諸作品と同じ様に、丁寧な仕事が成された上でぶっ飛んでいる、そんな映画だということも改めて分かった。

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どんぐり

3.0考えるな、感じろ。ただ見てろ

2025年2月20日
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鑑賞方法:映画館

難しい

理解しようとしたら負ける、の出発点。
眠くならなかった。このくらいの時間がちょうど良いのかもしれない。

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印刷局員

3.0自分は起きていたのか….?

2025年2月19日
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鑑賞方法:映画館

平日真ん中水曜日の21:00過ぎての上映回だったからなのか、確かに映画館へ行ったのだが気づいたら自分の部屋のベッドにいた。
「不思議なものをみた」という感覚だけが残っている。
だが詳細は思い出せない。
だが確かにみた。
これから観る方は夜寝る前に観ることをおすすめする。
きっと夢と混ざり合う不思議な感覚が味わえるはずです。

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Kei6

4.0とてもよかった

2025年2月18日
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鑑賞方法:DVD/BD
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吉泉知彦

2.5これぞカルト映画!鬼才デヴィッド・リンチ長編デビュー作! 男性の育児に対する考えを映像化するとこうなった?

2025年2月17日
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鑑賞方法:映画館

怖い

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ITOYA

4.0歯ぎしり映画

2025年2月15日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

興奮

この映画で一番新鮮だったのは、主人公と同じベッドで寝る彼女が歯ぎしりする箇所だった。歯ぎしり!人間は多かれ少なかれすべからく歯ぎしりをするもの(と、行きつけの歯科医は言う)らしいが、歯ぎしりをする女優が映る映画を私は初めて見た。彼女は寝ながら主人公の方にどんどん寄って行くので主人公は迷惑顔で彼女を押し戻す。リアルで笑えた。

途中で小さなステージ、床はチェス盤みたいで後ろはビロードのような生地の緞帳(白黒だから色はわからない)のシーンが入り、ほっぺたが異様に膨れた、でも目が可愛らしい女性が歌う。ツインピークスの小さな男がダンスをしたりFBIクーパーがよく入り込む空間のようなステージだ。

端正で実用的で乾燥している文房具=鉛筆と消しゴムの世界と、エイリアンのようにヌラヌラして魚みたいな存在や人間の身体の一部が共存していて気持ち悪くもジーッと見ていたくなるモノが沢山出てくる。悪夢のような世界。悪夢をよく見て夢も覚えていることが多い私にとっては親近感が持てる世界だった。ドイツの表現主義みたいな映画、ザ・白黒映画!

そしてイレイザーヘッド、髪が立って盛り上がっているのが私はとても気に入った。そういう髪型が好きだからだ。リンチ監督もイレイザーヘッド!

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talisman

3.0◇カルトムービーの恍惚

2025年2月9日
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 カルト(cult)は、ラテン語のcolo(動詞:耕す)から派生した cultus (名詞:耕作、世話、崇拝など)を語源とする言葉です。1970年代後半よりカリスマ的指導者を中心とする小規模で熱狂的な宗教団体を示す言葉として使用され始めます。狂信、盲信、故の反社会的諸事件に端を発しているようです。

 カルト映画は、一般的な評価・嗜好基準からは外れているとみなされるような作品を、熱狂的に受け入れるファンの姿に対して上記のカルト宗教集団になぞらえて使われる用語になりました。wiki

 "カルトの帝王"と呼ばれたデイヴィッド・リンチ監督の長篇映画デビュー作。12月に鑑賞していながら、そのあまりにも奇抜な世界観故に、まとめきれずにいた矢先、リンチ監督が、2025年1月16日(現地時間)に死去しました。78歳。

 モノクロフィルムで描かれる「不穏」な世界。場面は終始薄暗くて、工場騒音のようなノイズが流れ続けています。一人の男を中心に進行しますが、詳しくは語られません。恋人→子供→異形 ひたすらシュール(超現実)な展開です。

 私たちが暮らす日常の現実は、繰り返される習慣の上に、当たり前のように固定されています。幾多の物語も固定された生活習慣のルールに基づいて展開されます。一方で、リンチ監督の世界では、その当たり前が破綻しています。

 「なんやそれー」って、ツッコミを入れたくなる非現実的展開の中に、映像や音楽への細かいこだわりがあって、その緻密な繊細さに引き込まれて行ってしまうのです。知らぬ間にリンチ教信者となって、教典である映像の細部を聖書神学者のようにのめり込んで、舐めるように鑑賞するのです。

 そんなリンチ教憑依状態の鑑賞から日常に戻ると、世界が異なる色彩に見えて感じるのです。太陽の眩しさに、心から感謝の気持ちが沸き立つ感覚になります。

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私の右手は左利き

4.5この感じ

2025年2月8日
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ある意味天才よね
白黒なのが良い方向にいってるし
当時はホラー映画館だと思って見たら全く違う超絶カルト映画で逆にビックリでしたが不気味な雰囲気と演出で面白いって思ったし🤤あのポスター満点でしょ💯

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お主ナトゥはご存じか2.1ver.

5.0難解さを超える面白さ

2025年2月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

興奮

 リンチ監督追悼ということで、この度初鑑賞いたしました。ブルーベルベットの変態世界に爆笑し、マルホランド・ドライブの摩訶不思議な幻想奇譚に陶酔してしまった身としては、今作品も大いに楽しめました。
 リンチ作品は、アートフィルムの原点にして頂点というイメージが強くありますが、よくよく見ると、作品そのものは非常にエンターテイメントに富んでおります。難解ではありますが、それ以上に、楽しく愉快なイメージに溢れています。なにせ、イレイザーヘッドの頭が本当に消しゴムに生まれ変わるのですから、そのバカバカしさたるや他の追随を許しません。ご自身はフェリーニ監督をとても尊敬されていたそうですが、そういった点からしても、リンチ監督は、フィルムメーカーというよりも第一級のエンターテイナーであり続けた人だと思います。
 謹んでご冥福をお祈りいたします。

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荒川ラリー

3.0くらい

2025年1月17日
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それに気持ち悪すぎる
これを最後まで見ていられた人全員を私は尊敬する

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タンバラライ

4.0令和6年9月28日 新文芸坐「倒錯するカルト映画の世界」にて鑑賞①

2024年10月16日
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鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

難しい

ある時こちらのとあるレビュアーさんのレビューを読んで、自分が憧れはあるものの未だに名画座というものに行ったことが無い事を思い出したのです。
そして何の気なしにその旨をコメントしたら、なんと!そのレビュアーさんが私の居住区から行きやすい名画座を教えてくださったのです!
おほーこれはありがたい!という事でさっそく教えてくださった名画座を調べてみると、池袋の新文芸坐にてオールナイト上映であるこの企画がある事を知りました。

この企画の上映作品は4作品。
「イレイザーヘッド」(77年)
「マルチプル・マニアックス」(70年)
「リキッド・スカイ」(82年)
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(68年)

という文句なしの布陣です!……正直「マルチプル~」は監督の名前しか知りませんし、「リキッド・スカイ」も初めて名前を聞く映画なのですが、私のお目当ては何と言ってもオープニングを務める「イレイザーヘッド」です!

最初にこの映画を見たのは配信でであり、その時から作品の意味は分からないけど映画館映えしそうな作品だと思っていたのです。なのでその作品を劇場で観られる喜びと、その貴重な機会を得る切欠をくださったレビュアーさんへの感謝と共に今回は書いていきたいと思います。

そもそも私にとって名画座とは、ボロボロの座席、黄ばんだスクリーン、タバコの臭いが染みついた場内で古いモノクロ映画を流している場所であり、まばらの客のほとんどは上映中の映画をただ虚ろな目で眺めているだけで、中にはイビキをかいて寝ている者もあります。みんな始発電車までの時間をつぶすためだけにここに居るのです。という様などこで抱いたかは知りませんが、そんな危険で退廃的な大人の臭い漂う空間のイメージでした。

ところが今回訪れた池袋の新文芸坐の綺麗な事といったらまぁ!そこには危険で退廃的な臭いなど微塵もありません!確かに映画館自体がパチンコ屋と同じビルに入っているため、劇場に入る際に景品交換所に並ぶ人の列が交差点の真ん中あたりまで伸びている場面に出くわした時は変な緊張感が走りましたが、劇場に入ってしまえばそんな退廃的な空気は消え去ります。座席だって下手なシネコンより綺麗で、なにより前列との間隔が広い!
私は今夏から以前に比べてだいぶ映画館へ行くようになりましたが、劇場の座席ってこんなに座り心地悪かったっけ?と思っていたため、こんなにゆったりと座れる座席は子供の頃ぶりでした。そして何より人が多い!しかも大学生くらいの若い人もかなりの数おり、小さなロビーは人で溢れて活気に満ちているのです。
この意外な熱気に煽られながらこれから朝まで映画を観るのかと思うと少し気後れする思いだったのですが、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のパンフレットに目を落としている同じ列の一つ席を空けた隣に座る白髪の背広姿の男性。彼が場内が暗転するその瞬間「あの野郎、ふざけやがって…」と声に出して呟いた時、あぁ名画座で映画を観るのだなぁという実感が湧いてきたのです―。

真っ暗な場内で光り輝くのは目の前の巨大なスクリーンだけ。
そこに映しだされる「ERASERHEAD」のタイトルと巨大な泥団子(というよりフンコロガシが丸めた糞)のような物体。そしてヌッと顔の半分を覗かせる主人公のヘンリー。しかし正面向きの顔は何故か観客に対して90度の角度です。
もう既に意味が分からないのですが、そこからデヴィッド・リンチのグロテスクなセンスとユーモアにより描かれる悪夢のような90分。

この映画は男が自身の性へ抱いている本音を赤裸々につづった作品です。(たぶん……)
「愛」というものが良く分からない曖昧なものである事に比べ、「性欲」というものが余りに分かりやすく確かであるがゆえに発生する愛なき性交渉。
しかしその一時の衝動を満たした先に生じるのは、恋人の実家でその家族と共にする居心地の悪い夕食であり、排泄と似たような行為により命が生まれるという事の神秘と嫌悪感であり、そうしてできた家族という他人との生活の鬱陶しさなのです。

少々古い感覚のなのでしょうが色恋の果てに「責任をとる」という言葉が使われる事があります。何故「責任」などという重く義務的な言葉が使われるのでしょうか?そんな言葉が使われるのは、あながち「愛」に対しての照れや謙遜だけではないのでしょう。
そしてそんな「責任」が果たせなかった主人公:ヘンリーは、自分の性欲の結果に出来上がった家庭を自らの手で壊し、“おたふく顔”のマリリン・モンローと抱き合いながらまばゆい閃光の中に消えていきます。
降り注ぐオタマジャクシを笑顔で避けながら踏みつぶしていく“おたふく顔”のマリリン・モンローは男の性的欲求を無責任にぶつけても、まったくリスクのない理想的な相手であるかのようです。

と、ここまで書いたものの、これはあくまでも私個人がこの作品について漠然と感じた事ですので全くの見当違いかもしれません。ただ仮にこの解釈で作品を観た時に、この作品に共感したり楽しんだりする事が正しい事なのかと言うと、それはまた別の話だと思うのです。もし本当にこの様な「男は下半身に支配された生き物なのである!」という事を描いた映画であるならば世の多くの方が理解や共感をする必要は全くない作品だと思うのです。倫理的に。
しかしこの社会を保つのに必要な倫理観にホンのちょっと挑むようなフィクション。あくまでもフィクションと割り切って息抜き程度の気持ちで鑑賞する分には何とも言えない後ろめたさと共にある種の快感を与えてくれる作品なのです。
そもそも「カルト映画」というものの正しい定義を私は知りませんが、こういった後ろめたさと背中合わせの楽しさというものを提供してみせるのが「カルト映画」なのではと思わせる、そんな映画なのです。

繰り返しになりますがこれは私個人の漠然とした解釈の上での話です。なので作品の正しい意味は正直分かっていません。ただそれでも今回この映画を劇場で鑑賞した事で作品世界を十二分に体感できたという実感があります。
ラストの閃光は劇場のスクリーンで観ると本当に目がくらむほどの眩しさですし、この映画は全編を通して“ゴー”“ガー”“キー”と観る者の神経を圧迫する様な何らかの音が常に鳴っています。こうした演出の一つ一つを全身で体感するというのは劇場での鑑賞ならではの体験でしたし、なによりモノクロの映画とはこれほど劇場で映えるものなのかという驚きがありました。スクリーンの事を「銀幕」と呼ぶ理由がよく分かった気がするのです。

面白い作品なら家で観ても面白いだろうとずっと思っていたのですが、映画館で観るからこそ感じる面白さがあるという事を実感させられた、そんな今回の体験だったのです。

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モアイ

1.5仙台東映パラスで鑑賞

2024年6月9日
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鑑賞方法:映画館

何が何だか分かりません

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ムーラン

3.0キモい。リンチって感じ。 これでデビュー作なのは、作家性できすぎて...

2023年11月22日
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キモい。リンチって感じ。
これでデビュー作なのは、作家性できすぎててすごい。

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madu

2.5赤ん坊こわっ

2023年4月5日
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あの赤ん坊はどーやって作っているのか?生々しさというか本当に生まれてきたんじゃないかと錯覚させるクオリティ。映画全体も意味不明で終始暗く暗澹とした空気が満ち満ちている。だがどこか嫌いにはなれない…。

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aaaaaaaa

5.0天国では、すべてがうまくいっているのです。

2022年11月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

難しい

私たちは、映画は「人を幸せにする」(ユーフォリア)ものであるべきだと考えています。いや、そうあるべきだと考えています。もちろん、そこに至るまでには茨の道があった。
私は、少しでも性的描写があれば「映画は芸術版ポルノだ」と言い、中高生の頃は主に「エロティック」な映画(『時計じかけのオレンジ』がその筆頭)を見ていました。
今思えば、"愚かな観客 "であった。しかし、ある日、私に変化が訪れました。私は、映画との出会いが人生を変えると思っているのですが、その出会った映画が『マルホランド・ドライブ』で、「こんな映画は見たことがない」と、私の映画観をひっくり返されました。
それまでは、なんとデヴィッド・リンチという名前すら知らなかったのです(恥ずかしながら‼︎)。
記憶では、12歳から13歳の間に、このシュールでショービズ狂いのエンターテイメントを少なくとも10回は見て、飽きないどころか、引き込まれたのです。それって、すごいことだと思いませんか?
つまり、「私の人生の中で『記念碑的』な映画だった」(映画館での最強体験は『王の帰還』を見たとき)......。
だから、偉大な映画作家のこの作品を見なければならなかった。それに比べれば、『ロスト・ハイウェイ』なんて取るに足らない映画だった。
正直なところ、よくわからないが、世間では評判が良かったようだ。しかし、これはよくある現象である。
友人が「この映画、面白いよ」と言うので、その意見に乗っかって観てみたら、実はそれほど面白くなかったということです。
今では、"映画は自分で選ぶ "というのが、私の「ルール」であり「モットー」になっています。
リンチの最高傑作と言われる『ブルー・ベルベット』でさえ、本当にひどかった。"デヴィッド・リンチの何がそんなに面白いんですか?" とよく聞かれる。この問いに答えるのは難しい。
実際、『マルホランド・ドライブ』1本で映画界を引退していたとしても、デヴィッド・リンチはシュールレアリスム映画の帝王として崇められていただろうが、私の「リンチ体験」はそこで終わっている。しかし、私の「リンチ体験」を古典に戻すきっかけとなったのは『イレイザーヘッド』であり、そこで終わるべきものだったのです。
精神病患者でも持て余す(リンチが精神病を描くとしたら、確かに下手くそだ)この不気味で悪夢のような映画は1978年に公開され、すぐに人気を得ることはなかったが、ドライブインシアターなどで上映され、カルト的な人気を博した。
"何だ、この不気味な映画は?"
この映画が1977年に作られたことを知り、愕然とした。ストーリーに起伏はほとんどなく、映像美もない。
ただ埃っぽい砂だらけの工場地帯が広がっているだけだった。ジャック・ナンス演じる主人公の「特異な髪型」に取り憑かれたエイリアンが、奇形児を産み、継母から性的虐待を受ける。
奇形児を産んで捨てた「狂った婚約者」メアリーと、その性的隣人、そしてメス犬からぽっちゃりおっぱいを吸う子犬たちの物語である。食卓のチキンは時計仕掛けのように動いている。
「奇形」の赤ん坊が泣き、私たちはそれを解剖する。「ゲロ」が喉元まで来て、見ていて痛々しい。正直、気分が悪くなった。私のせいなのか、映画のせいなのか。ジャック・ナンスのせいなのか?
ちなみに、『イレイザーヘッド』が超難解だと決めつけないでください。私にとって、クリストファー・ノーランの映画は難解ですが、デヴィッド・リンチの映画は「観る」立場であれば、それほど難解ではありません。映像は、誰にでも起こりうる世界(例えば、狂気や精神病)を体現しているので、退屈かもしれないが、リンチはそれを "難解" にしようとは思わないだろう。
『イレイザーヘッド』は、要するに、"シュールレアリスム "を装っただけの実験的SF(息の長い "エンターテインメント "ではない)である。
"宇宙空間 "を漂う「ヘンリー」と「奇形児」のツーショットから始まり、やがて "高所 "と "深海 "に不気味な女が現れる。
不気味な女が "In Heaven" を歌うまで、"工場地帯" と "宇宙空間" は繋がっている。「エイリアン・チャイルド」は、「遠い星」の男とヘンリー・スペンサーと「銀河間結合」をしているのである。

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茂輝

4.0タイトルは有名だが初鑑賞

2022年4月13日
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鑑賞方法:映画館

たまたま都内ミニ系で公開し初鑑賞 この作品はキューブリックや国内なら大林監督の様に作品の趣向を承知の上での観る作品かと そんなに大昔の作品じゃないのに意図的に古臭く作り不可解感はよく描けてる今ならR指定で地上波は不可かな!?

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ゆたぼー

3.5イカれてる♪

2021年12月2日
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鑑賞方法:VOD

怖い

寝られる

な、なんじゃ、こりゃ!この先に何が待ち受けているんだと期待感満載のぶっ飛んだオープニング。モノクロ映像のイカれたカルトの世界へようこそ。観る人を選ぶ作品だけど、嫌いじゃないぞ、この映画。賞賛を込めて最高にイカれてるで賞を贈りたい!モジャモジャ頭君の運命やいかに

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movie freaks

3.0【不穏すぎる、異形ムービー。不穏で、グロテスクで、その後のデヴィッド・リンチ監督ワールドの萌芽を感じさせる作品。】

2021年11月10日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

ー デヴィッド・リンチ監督の、本作の製作意図をキチンと語れる人は、いるのだろうか・・。ー

・変な頭髪の男、ヘンリーはふらふらと廃墟を歩いている。

・アパートに戻ると、向かいの部屋の女性から”メアリー・X”の家族が夕食に招待したいと言っていたと告げられる。

・”メアリー・X”の家族との夕食
 ー ローストチキンみたいな料理の、手羽が動いている・・。
 そして、ヘンリーと、”メアリーX”の間に子供が生まれたと言われる。

□その子供???の容姿がグロテスク極まりない。
 胎児のような、頭。身体は包帯に包まれている。
 ヌメヌメした肌。

・メアリーは、その子供の出す声に堪えられず、出ていく。

・イキナリ、頬が膨れた女が、明るい歌を歌い出す・・。
 ー 何を観ているんだろう・・、私は。ー

・ヘンリーは、子供???の包帯を鋏で切り、身体を刺す。ドロドロとした液体が、子供???の口から吐き出される。

<全編、風の様なノイズを背景に、異形物語は続く。
 製作期間は4年もかかり、奥さんは愛想を尽かして去り・・。
 けれども、ナント、この作品は徐々に口コミで広がり、3年のロングランを記録。
 で、デヴィッド・リンチ監督は、コレマタ異形映画「エレファントマン」を制作し、大ヒットし、スター監督になるのである・・。
 只、その次の「砂の惑星」は大失敗作となった・・。
 不穏で、グロテスクで、その後のデヴィッド・リンチ監督ワールドの萌芽を感じさせる作品。>

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NOBU

3.5最後まで画面に引き付ける不思議な力を持った作品

2021年8月21日
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鑑賞方法:VOD

映画
『イレイザーヘッド』
の感想をブログに上げました。

『巨匠を観る』企画、10作目(全27作)の映画です。

監督:デヴィッド・リンチ
制作年:1977年
制作国:アメリカ

【あらすじ】
印刷工として働くヘンリー。
恋人から自宅に呼ばれ、家族と一緒に食事をしますが、動き出す肉、恋人の突然の発作、母親の奇行等、異常な食事会。
母親からは恋人に未熟児が生まれた事を告げられ、肉体関係があるのであれば結婚して子供を育てるように言われるが。。。

【感想】
現実感のない世界で、ひたすら気持ち悪さ、不気味さ、怖さ、そして異常な笑いを感じるカルト映画です。
ストーリー的に引き込まれる映画ではないですが、最後まで画面に引き付ける不思議な力を持った作品です。

子育てをする父親には響く映画かも知れません。。。

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ブログの方では、ネタバレありで個人感想の詳細とネット上での評判等を纏めています。
興味を持って頂けたら、プロフィールから見て頂けると嬉しいです。
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trico

3.0終始気味が悪い

2021年5月10日
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初めから終わりまで一貫して気味が悪い作品。
ストーリーもよくわからず、作品を通じての一貫性は「気味が悪い」だけ。だがそれがピンピンに尖っている。

作者の意図や時代背景などのコンテクストを知ると見え方が変わる気もするが、それらが無くても一定楽しめる。

何より、現実がいかに美しいか、秩序だっているか、が感じられる。何が起きてもこの世界観よりはマシだと思えるので、世の不条理に悩んでいる人にオススメしたい作品。

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SF好き