劇場公開日 2009年3月7日

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ジェネラル・ルージュの凱旋 : インタビュー

2009年3月6日更新

竹内結子 インタビュー

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救命救急センター長・速水の疑惑を調査することになった田口だが…
救命救急センター長・速水の疑惑を調査することになった田口だが…

――「取材のヘリは飛ぶのにドクターヘリはどうして飛ばないの?」という本作のテーマを象徴するようなセリフがありましたが、医療問題に対して成長していく田口を演じていて実感することはありましたか?

速水の疑惑の真相は?
速水の疑惑の真相は?

「撮影の最初の頃に、監督から『どんどん速水に肩入れしていってください』と言われたんです。なぜだろうと思いながら田口と目線を重ねて撮影を進めていくうちに、速水は何か違うって感じたんです。病院内に敵が多い理由を考えてみても、ただ単に悪い人だということではない何かを持っているなと。

そして実際に患者を助けたい一心で、その志の強さや日頃のあり方ゆえに経営面から疎まれ、失脚を企む敵も多い。このままでは危ないと感じたし、今までは流されてばかりだったけど、ジェネラルを守りたい、この人は間違ってないという主張が田口にあったと思います。そこは田口が強くなった部分ですよね」

――先日のプレミアイベントで、速水の疑惑について「彼がシロもしくはクロであるとして、それがどういうことなのかを考えてほしい」とコメントしていましたが、それについてご自身ではどう結論付けましたか?

医療問題についても 真摯に語ってくれた竹内
医療問題についても 真摯に語ってくれた竹内

「私はシロですね。もし彼がクロになるのであれば、それは速水ではなくその周りのことですよね。私は速水の行動や考え方は正しいと思います。そうせざるを得なかった事情があるわけで、そこを表面化するまでのグレーな部分が問題なんです。でも病院自体がクロという訳でもないんですよね。医療制度や病院経営に対して、とにかく命を助けたいという速水の思いがあって、それがバランスよくいかないからシロかクロかという話になってしまう。経営側からする速水の行動はいけないことですが、私はシロだと思います」

――トリアージタグを付けるシーンは、演技だと分かっていても胸が詰まるようでした。あのシーンを演じてみて何か感じたことはありましたか?

「言葉にすると本当に残酷ですが、黒はその状況下での救命の限界を宣言されたようにも見え、自分の家族が患者側にあったら『何で助けてくれないの?』と抗議すると思いますし、助けたいのに助けられない状況というのは救命医にとってこれ以上の苦しみはないようにも感じました。(患者の家族や付き添いの人に)かける言葉が見つからないし、抱きしめる事しか出来ないと思います。

田口としては『ごめんなさい』としか言えない。それは側にいることしか出来ない自分の力のなさを『ごめんなさい』でもあるし、かといって黒という判断を否定することも出来ないという『ごめんなさい』も含まれています。なんて説明すればいいのか分からないのですが、命に順番がついてしまうというのは本当に複雑な思いでした」

――速水は救命救急の天才だが敵が多いという役でしたが、演じた堺さんの素顔はどんな方でしたか?

「敵のいない人だと思いますよ。現場でみんなから『好々爺みたい』って言われてる人は初めて見ましたからね(笑)。本当にのほほんとお茶を飲んでいるような方で、ひとりで喫茶店めぐりをするのが好きなんだそうです。岐阜で撮影していたときに、大抵撮影が終わるとみんなでご飯を食べに行ってたんですが、救命救急チームの中林(大樹)君が堺さんを誘おうと電話したら、『今、駅ビルの喫茶店でお茶飲んでる』とか言うんです(笑)。なんでしょうね、つかみどころのないちょっと不思議な人でした」

カメラの外では仲が良かったキャストの面々
カメラの外では仲が良かったキャストの面々

――キャスト同士の仲がとても良かったそうですが、なにか印象に残っていることはありますか?

「私、阿部さん、救命救急チーム全員、尾美さん、平泉さんに國村さん、監督という岐阜ロケに参加したほとんどのメンバーでご飯を食べに行ったときに、みんなで平泉さんのモノマネをしたんです(笑)。それで平泉さんご自身は『平泉成で“やずや”のCMをやったら』をやっていたという(笑)。それを見ていたみんなが『本物の平泉成はそんなじゃない』とご本人に対して突っ込んでいたのが本当に面白かったですね。あれだけ緊張感のある現場だったのに、カメラが回っていないときの和み具合はすごかったですよ。私にとってあんなに楽しい現場は初めてでした」

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