劇場公開日 2012年8月14日

  • 予告編を見る

「これが儲かる映画だ! ハリウッドが映画を駄目にする。」アベンジャーズ ブルースさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5これが儲かる映画だ! ハリウッドが映画を駄目にする。

2012年8月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

宣伝の告知等からも期待して観たが、感想は期待外れのがっかり。

どうしても、同じアメコミのダークナイトライジングと映画を比べてしまうのだが…(ちなみにライジング3回観ました)

映画が始まってからしばらダラダラが続づく、盛り上がりにかける話しばかり。 全く持って緊張感のかけらもない。 観ている客のため息ばかりが気になり、そのうち観ているのが苦痛となってくる…

後半になりやっと、期待のアクションシーンかと思いきや、トランスフォーマーや何処かの映画に似た、CGだらけの変わり映えのしない映像。 明らかに、爆破シーン一つとってもこの作品にはリアリティがない。

正直、誰が監督でも俳優でも関係なく、個性も重厚なストーリーもない、薄っぺらな映画にCGで肉付けしただけの作品。 感情移入など全く出来ない。 何も考えず、子供と一緒に観ていればそれなりに面白いのかも知れない。

映画を単なるエンターテイメントとすれば、この作品でも満足するのだろうが、本来映画は無声映画から始まり、観る人が映像から色々読み取り、考え楽しんで来た。

音声がある映画になり、監督が考える事を読み取り何を示したかったのか?監督や俳優の技量、その脚本から色々な事を考え推理し、映画の訴えかけたかった事はなんだったのかと、映画が終わっても色々楽しめた物だった。

近年、誰が監督でもある程度成功(儲かる)CG全盛の映画になり、考える力が要らない作品ばかり。 それが、普通となり逆にリアルティにこだわる映画がある意味、難しく嫌われる様になって来た。

今作の様に何でもありのCGであれば、多少ストーリーに突っ込み所があっても、あえてそこは突っ込まないが、リアルティにこだわる作品えあれば、そこを鬼の首を取ったかの様に突っ込む。

その様に、同じ映画の中の架空の物語であっても、CG映像を多用した作品の方が万人向けであり、評価が高くなる傾向がある。

多分、ダークナイトライジングが好きな方はこの映画はつまらないと思うし、逆にアベンジャーズの様な映画が好きな方は、ライジングが面白くないと思うだろう。 両極端な2つの作品。

自分的には、アナログ的なバットマンの方が、映画のコンセプトや強い意志。 伝えたい物等が明確に伝わり、常に緊張感を持って楽しめ、怒り悲しみ等の感情が湧き上がる。 好き嫌いあるかもしれないが、監督の意思や技量がビシビシ伝わる。

決して、アベンジャーズがつまらない映画と言っているのではない。
儲かる事しか考えない作り方をする、最近のハリウッド映画が今後、つまらない映画ばかりにし、映画の本当の楽しみ方を無くしてしまうのでないかと、心配なのである。

近年、小説を読んだり考える事をしない者達が、増えている。 相手の感情を読み取る事も出来ない、強い意志もない。
もっと信念や勇気、夢や考える力、感情移入出来る様な作品を作って頂きたいと思い、厳しい評価とさせてもらった。

印象的だったのは、観ていた人がこの映画を『何も考えず観てるだけだったね…』
と言い、その後自分と同じくダークナイトライジングを観て、ラストに泣いていたのが印象的だった…

ブルース