劇場公開日 2010年8月7日

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「ドリームワークス製作のCGアニメーション最高傑作」ヒックとドラゴン セッションさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ドリームワークス製作のCGアニメーション最高傑作

2020年6月9日
iPhoneアプリから投稿

ただの子供向けアニメと侮ることなかれ!大人も楽しめるCGアニメーション最高傑作の一つと言っていい珠玉の作品です。

物語の主人公は、村を襲撃するドラゴンと長きに渡って闘い続けてきたバイキング一族の少年ヒック。腕っぷしが弱く、村人から邪魔者扱いされている彼と、負傷して飛べなくなったドラゴンのトゥースの交流を描きます。

初めは敵対し合っていた両者が飛行の訓練を通じて心を通わせ、遂に互いの力を合わせて海上を飛翔するシーンは、非常にリアルな「水」のCG表現も相まって、ストレートな感動を与えてくれます。

他の村人にはなく、ヒックだけが持っている「理解できない他者を思いやる気持ち」や「慣習に囚われない素直な心」が次第に周囲を変えていき、村を救うことに繋がる展開にはお見事!という唸るしかありません。

終盤には、あるショッキングな出来事が待ち受けており、綺麗事だけで終わらせない、如何にもドリームワークスらしい苦味を作品に与えているのですが、これによってヒックとトゥースが「等価な存在として、支え合いながら歩き出す」エンディングをより一層美しいものにしています。

鑑賞中は、村人の声を当てるジョナ・ヒルやT・J・ミラー、クリステン・ウィグ他の即興ギャグに笑わされ、見終わった後は、ヒックや彼らのその後の人生に思いを馳せたくなること間違い無し。

あまりにもバイキングらしくないヒックと、彼を認めてあげられない父親の和解の物語としても一級品です。
自宅でご覧になる際は、是非ご家族と一緒に鑑賞してみてください!

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