劇場公開日 2009年7月18日

「ぼんやり意味不明。アマルフィの特番でよかったんでは」アマルフィ 女神の報酬 894mtoさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 ぼんやり意味不明。アマルフィの特番でよかったんでは

2025年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

癒される

脚本クレジットを真保裕一も監督の西谷弘も拒否したというのが実情をよく物語っているのでは。
当時絶好調だったフジテレビが、織田裕二の「踊る」の次を探るべく、何かの観光予算も絡めて作ったプロジェクトなんでしょう。海外ロケ大変なのによくこれだけ大規模にやったなというのはありますが。

結構いい線まで作り込まれているのだけれど、3割くらいで良さがストップ。
あとはぼんやり意味不明です。
それでもそれなりに見れるのはスタッフや俳優の力量で、映像的には綺麗なのでなんとなく見ている分には悪くないです。

何これ?と考えると。
織田裕二をどう売るかの迷い(踊るの青島と差別化しすぎ)
アマルフィの美しさで勝負する観光映画だから内容を薄くした
続編に向けてのネタ隠し
意外と撮影時間がなかった
観光映画として売る上でいくつか撮影したいカットが決まっていて内容を無理やり合わせた
中身のあることをやると客が離れると思っている
あたりでしょうか。

結論としては。
テレビじゃないんだから、内容がある方が良い。
観光的な絵は絵として使いながら、もっと真面目にやればその後もヒットしたのに。
という所です。

黒田の掘り下げ、煮詰めが全く足りません。設定もそうですしキャラもです。
始終かっこつけすぎで抑揚がないのであれじゃ愛されるキャラになりません。
せめて格闘や銃撃に自信がある裏付けくらいしないとアクションにも迫力と共感が出ません。

天海祐希演じる矢上もキャラ設定が崩壊していて一貫性がありません。こういうシーンを撮りたいのパッチワークにしたためです。
全く共感できませんし、立場上最初に織田裕二が付いていた理由もありません。
なんでGPSついてたんですか?マリアナ海溝より深く意味不明です。

この時点で、最後まで見てくれる人、減っちゃうんじゃないかなぁ。

佐藤浩市演じる藤井と矢上の関係性も、やはり裏付けが弱くて全然説得力がありません。
なので、藤井と矢上のシーンにも、そこに黒田が絡むシーンにもオーディエンスは感情移入できず、迫力も意味も生まれないのです。

こうしてメインキャストの設定で滑ると、脇役も全然入ってきません。輝いてきません。
ので、滑り倒しています。

さらに決定的なのは。
タイトルの女神の報酬。
なんだったの????
回収されてませんよ....

結論の結論。
この映画の出来に関しては(推測)亀山千広が悪いというか亀山千広の失敗。
この時の失敗は、織田裕二本人の意向もあったんだろうけど、織田裕二という俳優のその後を決めてしまった気がします。青島と違う路線を作ろうとして、逆に青島に縛られてしまったように思います。

894mto
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