劇場公開日 2009年8月8日

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「パジャマでおじゃま、パジャマじゃま。」縞模様のパジャマの少年 ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5パジャマでおじゃま、パジャマじゃま。

2025年3月11日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

子供目線から見て、大人がどう見えているのか。
それを一人一人、自分なりの考察を加えて見ていくのが面白かった。

ママはダメダメばかり言うけど、なんでダメなのか、肝心な事はいつもダンマリで教えてくれない。ママって意外と物知らずで、頭が悪いのかも。大好きだけどね。

お姉ちゃんは、いっつも誰かの受け売りしか言わない。最近は、ユダヤ人は悪人って決めつけてる、やっぱり受け売りで。でも、誰も教えてくれなかった、強制収容所ってワードを最初に教えてくれたんだ。ママよりは正直者だね。

パパは、立派な軍人らしいんだけど、部下も沢山いるんだけど、悪人を集めた所長らしいし、尊敬していいのかどうか、わかんないね。ああ見えて頑固だから、めんどくさいよ。

お手伝いさんは、基本はボクの味方、だけど微妙なラインの話はボカして、肝心なことはあまり教えてくれないね。

パヴェルは、汚いパジャマ着て、家を出入りする自称医者らしいんだけど、芋の皮むきばっかしてて、嘘くさいんだよね、でも優しい爺さんだよ。

リスト先生は、つまんない歴史の話ばかりしてて、ほんとクソつまんない。最悪だよあいつ。

おじいちゃんは、会うたびにパパを褒めたたえるけど、あんまし中身のある事、言わないかな。好きだけど、パパよりは威厳がないかな。あんま大したことない。

コトラー中尉の兄ちゃんは、突然凄んできたり、ユダヤ人を恫喝したり、こえーよ。あいつ、ヤベーよ。でもなんか、パパに怒られて、前線行かされてもう生きてないみたい。ざまあみろだよね。

シュムールは、ボクの新しい友達。毎日パジャマしか着てない。収容所にはカフェもあるはずなのに、いつも腹ペコで、しょうがないから会うときは食べ物差し入れしてるよ。
でも、コトラー兄ちゃんに恫喝された時、怖くて友達じゃないって嘘ついちゃったんだ。マジごめんね。罪滅ぼしのために今度、行方不明中の彼のパパを、彼のパジャマ着て一緒に探すんだ。この前の嘘のリベンジ、しないとね。よーし明日は頑張るぞー。

いやぁ、衝撃のラスト20分だった。
子供の友情を深めつつ、最後は少し悲しく終わる話かな、と軽くみていたら、
冬の海に突き落とされるかのような、どんでん返し系の話だった。体調悪い時に観たら、確実に悪化する。あの展開、全く読めなかった。

ソビエト蓮舫