風が強く吹いているのレビュー・感想・評価
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林遣都のランニングフォームが素晴らしい
この作品は、それに尽きる。
原作既読。原作ではチーム内で仲の良いペアが決まっていて、内心もモノローグで済まされる。その為、人間関係がバラバラに見えた。それを、ハイジとカケル中心にシンプルに再構築し、よくまとまっている。万人向けのエンターテイメント。
不満点もある。
林遣都のフォームが明らかに綺麗な為、ヒロインが走る姿を「綺麗」と言うセリフは、棒読みもあいまい余計な説明ゼリフになってしまっていた。
10区の演出はまずかった。それまでテンポよく爽やかに進んでいたのに、突然、演出がこってりして、大ブレーキ。
ラストの実況アナの実況も悪目立ち。本来、タイトルの「風が強く吹いている」の「風」は、カケルが走る時に、肉体が風を切る音。しかし、ラストの実況がインパクト強過ぎて、まるで、ビル風の風に...。
でも、そういった欠点はどうでもいい。
林遣都のランニングフォームは素晴らしく、カモシカのように美しく軽やかだ。これだけで星5つ!
この作品時の林遣都は、演技は難があるが、瑣末な事だ。彼が走る姿は青春そのもの。どんなセリフより、どんな演出より、肉体の持つ説得力は大きいと感じさせられた。
なんとも爽やか!
爽やかな友情と青春ってやっぱ素晴らしい!強く進む生き方が気持良い
三浦しをんさんの原作を読んでいないのですが、とても観終わった後の爽やかさが嬉しい映画でした。
私は出身も、そして今も神奈川在住なので、丁度今の11月のこの時期は、箱根駅伝の応援に行きませんか?と言う広告がポストに配られる。
しかしスポーツ音痴の自分は、「わざわざ、正月の寒い中をどうして、あんなに過酷なスポーツに挑むのだろう?」と沿道の応援はおろか、TV中継すら、初めから最後まで、全部を観た試しが無かった。そして学生時代も、運動部にいた事が無いので、この手のスポコン映画は楽しめるのかな?といつも敬遠する傾向にあった。しかしそんな考えは改めるべきだとこの映画が教えてくれたのだ!
日の出のランニングから始まるファーストシーン、そして何やら一癖二癖も有りそうなメンバーが次々と紹介されていく、その人物設定も実に不自然を感じさせ無いのだ。
若い頃は結構みんなハジケテ、個性的なものだもの、そんなみんなをまとめてランナーへと育て上げて行く元エースランナーのハイジ役の小出恵介が素晴らしく光を放っていた。一方天才ランナーでありながらふとしたトラブルから監督を殴ってしまい期待のランナーから外れてしまうなどトラブルメーカーのカケルを演じる林鞬遣都のとんがりキャラを体当たりで熱演してくれていたのがとっても印象的だ!
この映画がどうして、こんなに気持ちが良いのか考えて見ると、誰一人としてランナーを諦めてしまう人がいない事だ。ぎりぎり10人で、駅伝には補欠選手が誰一人存在しない事で、チームみんながそれぞれに自分の責任を果たしていくからだ。自分は他のみんなの為に存在し、仲間のみんなも自分の為に存在していてくれる事を知っている。その想いを深く胸に刻み込んでいるが故に、日夜過酷なトレーニングに耐えていくその姿が、清々しく
映画でありながらも、私はまるでこの寛政大学の陸部の応援団になった様な錯覚を覚えたのだった!
多くのスポコン映画に限らず、サクセスストーリーものは劇中必ず途中下車して、夢を諦めて去って行くキャラクターを登場させるのが普通のパターンで、そしてそんな困難を乗り越え続けていったものだけが、勝利すると言うものが殆んどだ。しかしこの作品は陸部長兼監督、そして寮母でもありリーダーのハイジがみんなをまとめ育て、一つの強い絆をチームの中に創り上げていく。
全員が協力する事で、強力な今日力を産んで行く。それぞれみんなが自分自分の力を伸ばしているのだが、お互いを信じて同じ目標に共に向かう事でみんなで勝利すると言う人間本来の繋がりの大切さを自然と押しつけがましさ無く、爽やかに描いてくれたのが嬉しいのだ!
今、私達は結構廻りの人々への感謝の気持ちを表現する事の大切さを忘れ、自分の栄光のみを願う傾向が私も含め強いものだ。ラストもみんなの為にハイジは決して走る事を放棄しないし、みんなもハイジの気持ちを察してゴールの最後まで走らせる。走る事は孤独な個人競技で自分との戦いで、個の世界であるが、しかし個の繋がりこそが人間の生きる姿である事を教えてくれた、この映画にエールを送りたい。そして箱根駅伝もこれからは楽しく応援してみたい!
地味そうな作品。。。って印象だったのですが、、、
現実感がどれだけ出せたか
スポ根話でないのに感動作、というのがいい
正月の箱根駅伝は、1位はどの大学、よりも、次の年の駅伝のシード権争いや各中継所でタスキがつながるかどうか、というほうがドラマチックで面白い。また、個人的にはシード校以外が箱根駅伝出場をかけて争う予選会は、本選よりも見どころが多く、毎年の楽しみだ。この作品は、その予選会から本選へと挑戦する大学陸上部の成長を描いている。
この作品のなによりのいいところは、スポ根話になどせず、走ることとはどういうことか、走ることから何が見えてくるのか、というスポーツ選手にしかわからない観念的な部分に焦点を当てていることだ。しかも、それを陸上などに知識のない観客にある程度の回答への方向を見せて、しかも感動的であるところが、とても面白い。
そういう内容に出来上がったのは、ランナーたちだけにフレームを絞ったことにある。普通なら、恋愛話や大学内の権力争いなども盛り込まれてもいいのだが(その部分は少しはあってもよかったかもしれないけど)、ほとんどカットされているので、シンプルに走るという行為の尊さが観客にも感じられた。だからこそ、登場するランナーたちのひとりひとりの個性がたち、それぞれが駅伝に挑戦する意味というのが、より浮き彫りにされたので感動も倍化したように思う。その意味では、余分なものをそぎ落とすことができた演出と脚本のうまさが光る好作だ。
そして、役者たちがランナーに成りきった努力もこの作品のクオリティーを高くしている。誰一人、陸上ランナーとして違和感を感じた役者がいなかったことは、昨今の日本映画でも特筆すべき点だろう。できれば、何らかの賞がこの作品の役者たちの手に届いてほしいと思う。
それにしても、「自分がゴールしただけでは終わらない」というセリフには感銘を受けた。正月、ほろ酔い気分でテレビ観戦する箱根駅伝には、人と人とを繋ぐ努力がタスキ以外にもさまざにある。来年は、少し姿勢を正して、正月の箱根路への道を見つめ直したい。
清々しい
寛政大学の雄姿を、しかと見届けよ!!
箱根駅伝のゴールを見るだけのために、
箱根に旅行してしまうほど大の駅伝好き。
お客様は6名しかいませんでしたが、
ドキドキと心臓を昂らせながら上映を待ちました。
★彡 ★彡
いやぁ、いいレースを見せてもらいました
ラスト、エンドロール中、泣いちゃいました
〈 速いでなく強い 〉
〈 本当の力を引き出す情熱 〉
さすが、順撮り!
さすが、本物の大学駅伝チームと一緒に練習をした!!
それだけの熱いパワーと気合を感じました。
それにしても、駅伝シーンの撮影。
大変だったのではないでしょうか。
まず、ロケ地。
公道を貸してくれる場所、日付、限られていますよね。
そして、エキストラ。
沿道の観客、そしてランナー。
それにも関らず、天気もつながっていましたし、
一箇所だけ「これ箱根駅伝沿道じゃないよね」と
丸判りのシーンがありましたが、それ以外、なんの違和感もおぼえませんでした。
序盤は、正直心配だったんです。
このメンバーで箱根を目指すなんて、
初期設定そのものに無理がないかって。
でも、ハイジの人柄に惹かれたわけではないでしょうが、
途中から、そんなことどうでもよくなってしまったんです。
ストーリー、先は読めるんです。
でもでも、なにが起こるのか、
観たくてしょうがなくなる。
それだけ、観衆を引き込む力を
この映画は、しっかりと内包をしてくれていました。
◇ ◇
箱根駅伝を舞台にするにあたり、
気にしていたことがひとつありました。
実況を入れるのか、どうか。
入れるとするのなら、アナウンサーは誰がやるのか。
実況が入る!
日本テレビ河村アナウンサーだと声でわかった瞬間、
私の中では「この作品はよほど下手を打たないかぎり成功だ」と確信しました。
だから、次の疑問。
アナウンスは台本だったのか、アドリブだったのか。
ラストは、絶対台本でしょう。
ただ、それ以外のシーン。例えば、
オープニングはアドリブだったのではないかと。
ラストのクライマックス。
大森監督、安易な感動でなく、
あくまで主役はランナーを貫いていました。
詳しく書くとネタバレになるので伏せますが、
オトでなく、河村さんの実況をあてたほうが、
絶対に、観衆(視聴者)の涙を誘えるはずなんです。
それを、あえて避け、
ランナーにスポットをあてた。
その心意気に余計に泣けちゃいました(苦笑)
この劇中どおりのレース展開なら、
5区か10区。どちらかで瞬間最高視聴率を叩きだすでしょう。
2010年の箱根駅伝でも似たようなレース展開にならないかなぁ、と
思っている日本テレビ関係者は絶対にいるはずです。だって、今年の場合
日並びの関係で、年間平均視聴率の集計が2010年1月3日までになります。
打倒フジテレビ!!のために、視聴率20%に少しでも上積みが欲しい筈ですから。
あと、今作の実況に
NHK総合ラジオのアナウンサーにも出演してもらい、
翌年のシード争いばかりを撮影し日本テレビが実況漏れを
してしまう場面を入れれば、スポーツ中継にまで、より突っ込んで、
警鐘を鳴らせたのに、と思ってしまったわたしは、駅伝マニア過ぎでしょうか(苦笑)
★彡 ★彡
大感動をさせてもらっただけに、
気になったことを、あとひとつだけ。
どうせなら対戦相手のランナーにも
気を配ってもらいたかったです。抜かれるとき、
普通あそこまでリアクションは、大きくないです。
レース中に恋愛話を持ち込むなど、
遊び心を発揮するのは、主役の寛政大学だけで十分。
ダンテ・カーヴァーさん(ソフトバンクCMのお兄ちゃん)には
大笑いをしちゃいました。あのレース中のナレーション、最高です(笑顔)
体を張った演技を魅せてくれたランナーたち。
特に、林遣都くん、小出恵介くんには圧倒されました。
10名のランナーの雄姿を、是非その眼に焼きつけてください!!
速くより強く
箱根駅伝って、もうそれだけでドラマ以上の群像劇。
なので、
それを俳優たちが「演じる」ことにちょっと心配もあったのですが、
それは、カケル(林遣都)の最初のシーン、
見事な軽快なランニングフォームで杞憂に終わりました。
ストーリーもものすごく面白い。
細かい笑いもたくさんあります。
ちょっとありえない展開も嘘っぽくないのは
しっかりした走りにあり、なんでしょうね!
駅伝がマラソンやほかの長距離走、短距離リレーと違うのは、
まさに仲間と心を寄せ合ってゴールまでたすきをつなぐ、
真のチーム戦だということ。
自分が走り終わっても「自分のレース」はまだ終わっていない。
ゴールするまで、まる2日間、心をひとつにする競技なんて、
「箱根駅伝」くらいですよね。
長距離選手への一番のほめことばは、「速い」ではなく、
「強い」だ・・・
それはメンタルの強さ、仲間との絆との強さも
すべて含んでいるんでしょうね。
24時間テレビとかで「絆(きずな)」なんていわれても
とっても胡散臭かったのですが、
この10人の連帯感、信頼感をみていると、
仲間との結びつきがこんなに人間を高揚させてくれるのかと
感動してしまいます。
「走るってどういうこと?」
答えがでないまま、それを考えながら
走り続ける・・・・
青春でそういうこと。
ちょっぴりアナクロな「青春映画」ともいえますが、
熱くなりながらも爽やかな風がふきぬけるような、
そんな作品です。
来年の箱根駅伝が楽しみ
スポーツ観戦にまったく興味がないのですが、なぜか毎年見ては感動してしまうスポーツがこの箱根駅伝です。ただひたすら走って襷をつないでいくというシンプルな設定と仲間のために走るという精神がここまで人を引き付けるのだと思います。「風が強く吹いている」は弱小陸上部がたったの10人で、それぞれに仲間のことを思ってあきらめずに襷をつないでいく様子がじっくり描かれています。それぞれの人生で抱えてきたものが走っていく中で浄化されていくようで、走る姿から目を離すことができませんでした。
とくに、小出恵介さん演じるリーダーのハイジの仲間を信じる想いの強さは熱く心に訴えてきます。
芯の強い役をやらせたらピカイチの素敵な役者さんだと改めてファンになりました。
デキすぎだが、説得力ある走り
久しぶりにスポコンものを見た。スポコンものが嫌いなわけではないが、アイドル系が多いし、ストーリーもわざとらしいので、つい敬遠してしまう。今回は相方が観たがったのと、もともと陸上長距離が好きなスポーツだったので観ることになった。
話はやっぱりデキすぎだが、箱根駅伝の臨場感がよくでている。実際のレースの模様と、役者やエキストラたちの再現フィルムが、何の違和感もなく融合していた。カメラのセッティング、そしてVFXと編集の賜物だろう。
そして、数々の突っ込みどころをものともせず、この作品を落ち着きあるものにしたのは、林遣都の躍動感ある走りと、小出恵介の少しトーンを落とした語り口だ。津川雅彦演じる野放図な監督や、クセのある部員たちに対して、このふたりのひたむきさが強調され、妙な説得力を生む。双子の慶太、祥太をおどけ役にしたメリハリも効いている。
爽やかな気分になれました!
久しぶりに見終わった後に爽快感をもらえる映画に出会えました。
私はこの原作を読んだわけではなく駅伝に興味があるということもなかったので、見る前は内容についていけるかな?とも思ったのですが、全くの杞憂で見始めるとその自然な感じのテンポの良さにすっかり引き込まれていました。
音楽や劇的な演出にあおられて気持ちを引きずりだされるような感じではなく、ほんわりと気づけば心が温かくなっているような映画でした。登場人物も皆個性的で面白く。一人ひとりがそれぞれの想いを抱えながら一つのものに打ち込む。打ち込むものから自分のあるべき姿を見出す姿は好ましかったです。
ちょっとワクワクしたい方やほんわか楽しいひと時をすごしたい方にオススメです。
この風は暖かい
楽しく次の箱根駅伝が見れそうです。
2006年の三浦しをんの小説「風が強く吹いている」の映画化。素人集団が、箱根駅伝に出場する物語を描いている。2007年には漫画化・ラジオドラマ化され、2009年1月には舞台化されており、満を持しての映画化です。
カケルがハイジからアオタケのメンバーに紹介されるところなど、セリフまで殆ど原作どおりのシーンもありますが、自覚の程度の議論はありますが、アオタケへの入居条件として毎日5kmのランニングが義務付けられているなど、映画化に際してストーリー簡略化のためか少しずつ話が原作と異なっている部分があります。私的には、原作の描き方の方が好きですね。完全素人の方が、話的には面白いです。映画の描き方だと、話に深みが少し欠けます。
さて、箱根出場の仕掛け人ハイジは、小出恵介が演じています。原作のイメージでは、玉木宏と言う感じでしたが、映像で見てみると小出恵介のハイジも有かもしれませんね。優しく、時に厳しくカケル達を箱根に導いていくハイジを上手く演じています。
そしてこの物語のカケルを演じるのが林遣都。彼は、カケルの持つ刃物のような雰囲気を上手く演じています。走る姿も一流走者の姿です。実際彼は、この映画に際して駅伝指導をしてくれた大学から、スカウトされたとか。それほど美しい走りです。
そしてこの映画を物語るためには、沿道の映像は避けられません。本当の駅伝の映像を使っているのでは?と思われるところも多々ありましたが、中継所のシーンや一部沿道のシーンなどは、総勢3万人にも及ぶエキストラを使っているそうです。また、関東学連ほか読売新聞や日本テレビも製作に協力しているので、小旗や垂幕、ゴールテープなどの小物もホンモノと同じ(に見えます)。正月の高視聴率番組として全国的に見られているものなので、流石に手を抜くわけには行かなかったと言うことでしょうね。ところで、冒頭のタイトルバックの桜ですが、あれはCGですよね?
原作を知ってから見ると、所々不満の無い訳ではありませんが、全般的には良い映画だと思います。日本人は、こう言うみんなでがんばろう的な話は好きですしね。あ、5区を走り終わった後、神童が母親と話しをするシーンには泣かされそうになってしまいました。劇場中“シーン”としていたので、みんな同じだったかな? 来年の箱根も、楽しく見れそうです。
私も走りたくなったっ!!!
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