湖のほとりでのレビュー・感想・評価
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静かな哀しみと癒し。
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名画座にて。
なにやらイタリアではアカデミー賞に匹敵する賞を
独占した話題作だったんだそうだ。期待が高まる…^^;
おおよそこの穏やかなタイトルからは想像できない?
殺人事件で幕を開ける本作。初めは行方不明になった
少女の安否が気になるところだったが、
その後判明する被害者は、村に住む別の女性だった。
赴任してきたばかりの刑事サンツィオが真犯人を追う。
そもそもが複雑に入り組んだ、村の各家族の話。
他人の耳になど入れたくない、秘密にしておきたい、
そっとしておいてほしい、といった複雑な感情事情は、
どこの家庭にあっても不思議ではない。
そして刑事自身も妻が若年性認知症に冒されている。
湖のほとりの小さな村での事件、ということで
これは顔見知りの犯行との線が有力となり、捜査は
各家庭の中へとズンズンと推し進んでいく。
サスペンスであり、人間ドラマであり、ちょっと
刑事コロンボを彷彿とさせる面白い語り口でもある。
だが肝心の犯人は最後の最後まで分からない。
二転三転する推理の面白さと複雑な人間同士が持つ
哀しみとが入り混じり、真相は何ともいえない結末に。
静かな巧さと安定感。そして何より湖の美しさが残る。
こんな作品が賞を独占することもあるんだな。。と
少し前に日本人が「おくりびと」に沸いたことを思い出す。
特別ではないのに、琴線に触れる映画。
まさにタイトルにピッタリのささやかな秀作かもしれない。
(浮き彫りになる人物像から真実を見抜く力。私も欲しい^^;)
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