サイドウェイズのレビュー・感想・評価
全3件を表示
アメリカで留学して残ったもの、日本へ帰ったもの、それぞれが何年も経...
アメリカで留学して残ったもの、日本へ帰ったもの、それぞれが何年も経って再会し、一週間結婚前の自由な旅へと出かける。
予告だとロードムービー系かなーと思ってたけど、違ったんやね。
特に上がるシーンも下がるシーンもないけど、ワイン好きなら面白く見れる映画だろうなーと思った。
でも、生真面目なおっさんと中途半端にアメリカナイズされた遊び人のおっさんの対比が面白い。
大人の恋愛ドラマのよう。
小日向文世がかつらをつけているのも注目ポイント。
やっぱりワインは分かち合う飲み物だよ
映画「サイドウェイズ」(チェリン・グラック監督)から。
作品中、ワインの話題が飛び交い、面白かった。
カリフォルニアのナパヴァレーが舞台となり、
「ワインは飲むんじゃない、口に含む」とか
「『ナパ』とは、先住民の言葉で『豊かな場所』を意味します」など
一般常識的な知識もあったが、
「ワインにも人生にも、正解はないよ。
それぞれの選択にそれぞれの味わいがある」
「やっぱりワインは分かち合う飲み物だよ」
「何を飲むかなんて重要じゃない。誰と飲むかが大切なんだ」など、
私のアンテナに引っ掛かったフレーズも多かった気がする。
食べ物、飲み物は、いろいろなウンチクがあるけれど、
やはり、一番大切な人と時間をかけて、分かち合うことが、
基本中の基本だって、最近、多くの映画や書籍から学んでいる。
「花がきれいなのは、自分を騙せないから、おばあちゃんが言ってた」
「最短距離がベストな道のりとは限らない」なんて言葉もいいけど、
ワザとらしく日本語を間違える台詞のメモが増えた。
「開けなきゃよかった、ゴンドラの箱ってやつだ」
「ベストカッブル・・割れ鍋に綴じ蓋」
「ひねもす(終日)、ぐったりだよ。(のったりだよ)」
「チャラチャラおかしいよ」「チャンチャラおかしいじゃないの?」・・
鑑賞後、ワインを誰かと分かち合いたくなる映画だった。
P.S.(おまけ・・記録に残しておきたい台詞)
ロミオがジュリエットを失ったのは、大事な手紙を自分で届けなかったからよ
なぜ日本人なのか。
オリジナルがアカデミー賞をとったのも不思議だが
(しみじみとした大人の味わいだが、賞をとるほどか?)
それに輪をかけて違和感アリアリだったのが、本作。
スタッフも舞台設定もまったく現地のまま、キャストだけ
日本人を起用しているのだが、なんかまるで合ってない^^;
まぁ的外れな旅をする二人の行動はどちらもそうだけど、
オリジナルでは、なにしろ現地に皆が馴染めているのだ。
まずはその空気感がぜんぜん違う。
なぜカリフォルニア?なぜナパ・バレー?
新潟本醸造酒めぐりや、甲州ワイナリーだっていいのに。
(そのくらい設定を変えてもいいだろう)
べつに小日向、生瀬、鈴木の演技が悪いわけじゃないが、
場違いな演技をさせられなんだか気の毒になってしまった。
あの雰囲気に溶け込めていたのは、菊地凛子くらいで、
現地仕事の空気感というか、上手く掴めているなと思った。
日本人に似合わないもの総てを、スクリーンでデカデカと
観せられてしまった喪失感に哀しいワインの味わいが残る。
ほぼ同じ内容で、深みがまるで違うオリジナルがお薦め。
マヤ(ヴァージニア・マドセン)がささやく台詞も深い。
(寄り道をするのはいいけど、本道をしっかりしませんとね)
全3件を表示