劇場公開日 2009年10月31日

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「フジはリメイクがお好き。」サイドウェイズ いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5フジはリメイクがお好き。

2009年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える



 どんな経緯でそうなったのか、
 アカデミー賞にも絡んだハリウッド作“サイドウェイ”をリメイク。
 そのウリ文句が実写邦画歴代NO.1の“踊る”を手がけたフジと、
 洋画歴代NO.1の“タイタニック”を手がけた20世紀フォックスが製作!
 というのがフジテレビらしい。

 同じ様にリメイクされた“ヘブンズ・ドア”を試写会で観た時は、
 それなりに笑えて楽しめたんだけど、
 その後に“ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア”を観て、
 元ネタの良さを殺していたんだなと思ったが、
 今回は先に“サイドウェイ”を予習してからの鑑賞。

 何故に英語の字幕が残っているのかとか、
 何故に亀山千広は声の出演をするのかとか思ってしまうが、
 それでも、海外ロケで海外スタッフということがよかったのか、
 元ネタとは違って少しコメディ色を強めた、
 傑作とは思わないが、ほどほどに笑えて、楽しめる作品にはなっていた。
 また元ネタのテイストを変えてしまってるとも言えますが・・・。

 4人の基本設定は小説が脚本になってたり、売れない役者が、
 子供から大人まで気が付くような
 人気のあったキャラを演じていた事になっていて、
 その“キャプテン・ニンジャ”ネタで何度も笑いをとったり、
 イケイケだったのがキュートな女性像になってたり、当然微妙に違うし、
 何よりも鈴木京香が小日向文世の留学生時代の
 教え子だということが大きな違い。

 過去の女性をウジウジと引きずっていた男が、旅で素敵な女性と知り合い、
 自身の人生を見つめ直し、
 ちょっと勇気を出して1歩、いや半歩踏み出すみたいな元ネタが、
 設定が変わることで、ちょっと違う踏み出し方になっているのは、
 何か違う気がしないでもない。
 自身のことを題材にしていたことは変わらないが、
 父親のことを書いていた小説が、
 自身の恋愛を題材に脚本を書いていることも、
 変える必要はなかったんじゃないだろうか。
 変わっていることもあるが、
 要所では元ネタと同じ様なシーンが出てくるのは、
 強引さを感じたりもする。

 でも、生瀬勝久の“ガッテンダ”キャラに、
 菊地凛子の天然なボケをかますキュートさに、笑わされちゃったんで、
 哀愁たっぷりの大人の映画というよりも、
 そこそこ笑えるコメディとしてはいいんじゃないでしょうか。
 リメイクした意味とか、元ネタの良さを活かせてるかとかを考えなければ。

いきいき