ココ・アヴァン・シャネルのレビュー・感想・評価
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君には輝かしい未来がある
ココ・シャネル( 本名:ガブリエル・ボヌール・シャネル )をオドレイ・トトゥが演じる。
母親が亡くなり、幼少期より修道院で育ったガブリエルと姉アドリエンヌ( マリー・ジラン )は、後に昼間はお針子、夜はクラブ歌手として生計を立てるように。
ガブリエルは、ナイトクラブで知り合った裕福な将校エティエンヌ・バルサン( ブノワ・ポールヴールド )の愛人として、彼の屋敷で暮らし始めるが、ある日『 最愛の恋人 』となる英国実業家アーサー( 通称 ボーイ )・カペル( アレッサンドロ・ニヴォラ )と出逢う。
近いタイミングで放送された映画『 エディット・ピアフ 愛の讃歌 』のピアフと生き様が似ていると感じ調べてみたところ、ココ・シャネル( 1883 ~1971 )とエディット・ピアフ( 1915 ~1963 )は、ほぼ同じ時代を生きていたようでした。
女性が生き辛い時代に、才能を開花させ情熱的に生きたココ・シャネル。強い意志と逞しさ、胸に秘めた悲しみ。新しい時代を切り拓いたココ・シャネルの半生を描いた作品。
ーリトル・ブラック・ドレス
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕)
ヒロインが着る数々の衣装が素晴らしく、衣装デザイナーに拍手
アンヌ・フォンテーヌ女流監督(ボヴァリー夫人とパン屋等)による2009年製作のフランス映画。
ココ・シャネルの成功するまでを、ほぼ事実に基づき、描いている様。シャネル前のフランス女性の着る高級衣装の苦しさ・実用性の無さが強調され、シャネルによる衣装の革新性が示され、成る程と勉強になる。
彼女の着る数々の衣装も、印象に残った。特に、黒い眼を生かすという舞踏会用のドレスは凄く美しかった。また、ポスターにも掲載の黒と白基調のスーツも流石に素敵で、この映画の衣装デザイナーのカトリーヌ・レテリエ氏に大いなる拍手。
成功願望が強いココ・シャネルが女の武器を平然と使うのは抵抗があったが、事実そのものだから致し方なしか。森英恵だって、実家が繊維会社の元陸軍少佐と結婚したのが活躍の発端。お相手のブノワ・ポールブールド演ずる仏貴族が寛大で良いヒトすぎて、同情までしてしまう。その彼に許可得てから、シャネルを外に連れ出す英貴族アレッサンドロ・ニボラ。富豪娘と婚約が決まっていて、ピアノを弾く姿が貴族らしいが、彼は言わばシャネルの同類ということか。彼が最初にシャネルの才能を認めて出金したスポンサーでもあった。
主演のオドレイ・トトゥは、ココ・シャネルと似た風貌である。また、喫煙しながらのデザインを始め、一生懸命にスタイル等を似せてもいる。ただ、この時代のシャネルを演じるには、若さ・しなやかさ・瑞々しい魅力が自分的には乏しいと思ってしまった。残念ながらその点で、十分にこの映画に魅入られなかった。ダ・ヴィンチ・コードのヒロイン役の彼女は、ピッタリはまり魅力的であっただけに残念であった。
製作はカロリーヌ・ベンジョー、キャロル・スコッタ、フィリップ・カルカソンヌ、 シモン・アルナル。原作はエドモンド・シャルル・ルーの同名小説、脚本はアンヌ・フォンテーヌ、カミーユ・フォンテーヌ。衣装デザイナーはカトリーヌ・レテリエ。撮影はクリストフ・ボーカルヌ、美術はオリビエ・ラド、編集はリュック・バルニエ、音楽はアレクサンドル・デスプラ。
出演はオドレイ・トトゥ(エタニティ永遠の花たちへ等)、ブノワ・ポールブールド(仏貴族、チャップリンからの贈りもの等)、エマニュエル・ドゥボス(劇女優)、マリー・ジラン(姉)、アレッサンドロ・ニボラ(英国貴族、アイズ等)。
シャネルになる前の、プライベートのシャネル
ファッションに反映される事になる、生い立ち重視の作品。お裁縫シーンは少なくて残念。
孤児院に入れられた過去ゆえに、どこか寂しく暗く人間不信で自分の足で生きたいシャネルでも、もしボーイが独身であれば結婚していただろうし、結婚できなかったことがキャリアと女性の自立により身を入れさせたんだと知った。
媚びや心は売らないまでも、自立に至るまでには、伯爵とボーイの多大な資金援助があった割に、感謝の気持ちが足りていない気がした。割り切って利用する感じが、苦手。
見る前の想像と異なる作品
映画館で予告編や冊子を見て興味をもちました💡
それらを見てるとココがどのようにしてファッションの頂点に立ったのか!?
っていう作品だと思ってましたが
ココがいかにその時代で自分らしく生きてきたかというココの内面的なものやマイノリティについて描かれた作品でした
自分はてっきりココのサクセスストーリーだと思っていたので正直ちょっとガッカリもしましたがあれもあれでよかったです💑
ただやはりフランス映画✨ストーリーが淡々としていてちょっと眠たくもなりましたw😨
自分らしくかつ強い女性に憧れる人オススメです
期待が強かった分、肩すかし
もっともっとシャネルがデザイナーとして脚光を浴びるまでのデザイナー初期の時代を描いてくれるものと思って観に行ったら、それどころかデザイナーとして脚光を浴びるシーンなんてラストの数分。
デザイナーとして脚光を浴びるまで、ファッション業界に登場するまでのシャネルを描いたといった方がいい作品なので、ファッション映画として観に行くと失敗するかもしれない。
デザイナーとして歩みだすまでの女性の半生を描いた伝記映画、そんな感じの作品です。
フランス映画らしい淡々とした展開。きっとこういう作品が苦手な人は拒否反応を示すかもってくらい典型的な作品っていう感じもするかも。
なんとなく映画の中で描かれるエピソードがぶつぶつ切れるような印象もちょっとあったかなー。流れるように描かれていかないなという印象が。。。
ただ、それまでのファッションのスタイルに疑問を感じ、異端児としてセンスを発揮していくシャネルという人を描いていく部分については、人物への興味が強くなったので成功かなと。
ヒラヒラよりシンプルを選ぶ理由。
今作を観て思ったのは、
シャネルの原点がいかに創造されたか、よりも、
子供時代の痛烈な体験が後々まで影響することだった。
原題・シャネルになる前のココ。
ココというのは彼女の愛称で、本名はガブリエル。
母親の死後、父親に見捨てられ、姉と共に孤児院で
育つ。お針子をしながらキャバレーで歌手を夢見る日々。
当時、女性が自立して仕事を持つことなど考えられず、
貧乏女性が財を築くには、富裕な男の玉の輿にのるか、
一生下働きでコツコツと貯めるか(これは難しいもんね)
…というわけで、ココはアッサリと将校の愛人になる^^;
姉に比べると負けん気が強く、口も悪いわ気も荒いわ、
そして当時のフリフリ♪ファッションを毛嫌いするあたり、
私には母を裏切った父への恨みがかなりなのだと感じた。
男(愛)を信じてバカな夢を見るよりも、もっと現実を見て、
自立しなければならないと、意気込みだけは相当なもの。
ただ^^;理想だけでは夢は成り立たず、アッサリと自ら
愛人になる道を選ぶ…このあたりは時代ゆえに仕方ない
のもあるだろうが、実は愛を探し求めてたのではないか。
自分の存在価値を認めてほしい。
子供時代に叶わなかった夢はそこに起因する気がする。
わざと場違いなファッションを好むのも、
(才能とは別次元で)自意識から生まれるように見える。
女らしさを否定することで、自分は他の女とは違うのだ
と懸命に訴えているのだ。華々しいファッション界からは
想像のつかない地味さである。
だがしかし…。それが思わぬ旋風を起こすのが面白い。
鳥のような羽帽子から麦わら帽子へ。
機能性とシンプルを兼ね備えたデザインが、のちに
どんどん女性たちの間で広まり、好評を博していく。
何が起こるか分からないのが人生、ココ本人も自分の
個性がこれだけ評価されるとは思わなかっただろう。
思惑とは別のところで成功をおさめ始める彼女だが、
自分を認め、愛してくれる男性に巡り逢えた経験こそが
本当は最も手に入れたかった財産だっただろうと思う。
ついに日向の存在を手に入れられなかった彼女だが、
決して不幸ではないと思う。あんな人生、欲しくても
貰えるものではない。しかも自身で選びとったのだから。
(野心に満ちた女性は、白馬には自分が乗るんですねぇ)
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