劇場公開日 2009年9月18日

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「【孤児院育ちの余りパッとしない少女が、ナイトクラブの歌い手として愛人と出会い、更に別の男と恋をし、世界的デザイナーになるも生涯独身を貫いた理由が垣間見える若き日のシャネルを描いた作品。】」ココ・アヴァン・シャネル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【孤児院育ちの余りパッとしない少女が、ナイトクラブの歌い手として愛人と出会い、更に別の男と恋をし、世界的デザイナーになるも生涯独身を貫いた理由が垣間見える若き日のシャネルを描いた作品。】

2025年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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◇鑑賞理由
 1.監督のアンネ・フォンテーヌが、個人的傑作「夜明けの祈り」の人である事。
 2.ココ・シャネルのドキュメンタリー映画を観ていた事。
 3.ココ・シャネルを演じたのが、オドレイ・トトゥである事。

■孤児院で姉エイドリアン・シャネル(マリー・ジラン)と共に育った“ココ”(オドレイ・トトゥ)は、ナイトクラブで余り上手ではない歌を”ココの歌”などを歌い、仕立屋でお針子仕事をして生計を立てていた。
 やがて彼女の事が気に入り愛人となった年の離れた将校エティエンヌ・バルサン(ブノワ・ポールヴールド)に裕福な暮らしを与えられるも、扱いはあくまでも愛人である。
 そんな中、実業家ボーイ・カペル(アレッサンドロ・ニヴォラ)出会い、彼女の事を”あなたはエレガントだ”と言われた事や、彼女の彼の時代では異色なボーイッシュな服装を厭わない彼と恋に落ちるのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・シャネルと言えば、短髪で右斜め後ろをキリッとした目で見返す”フランス版見返り美人”の写真が有名であるが、今作では若き日の彼女は眼が大きいが、余り冴えない感じの少女として描かれる。

・だが、将校エティエンヌ・バルサンの愛人・・というか愛玩物の様な扱いである、になり、その後実業家ボーイ・カペルと恋に落ちる事で、ドンドン美しくなっていくのである。それにしても、1900年代初頭のフランスでは、身分の低い女性の扱いというか、男性でも階級差というモノが厳然としてあったことが分かるのである。

・当時としては当然なのかもしれないが、ココは自分の愛人としての境遇を受け入れつつ、けれども、自分独自の生き方―それは、男装であり、短髪であり、馬に乗る時も横乗りではなく男性と同じく両足を広げて馬の鞍に跨る姿である。-を貫く姿勢と、勝気な性格が、徐々に垣間見える所が、後年の彼女の生き方が既に現れている点が、興味深いのである。

・だが、彼女が愛したボーイ・カペルが自動車事故で亡くなった報が入り、その現場に行き彼女は”一生、結婚しない。”と呟くのである。

<今作は、孤児院育ちの余りパッとしない少女が、ナイトクラブの歌い手として愛人と出会い、更に別の男と恋をし、世界的デザイナーになるも生涯独身を貫いた理由が垣間見える若き日のシャネルを描いた作品である。>

NOBU
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