トワイライト 初恋 : 映画評論・批評
2009年3月31日更新
2009年4月4日より新宿ピカデリーほかにてロードショー
全編女心を刺激するツボだらけ
これは、おそらく今年最大の“女のコ”の大好物。人間の少女ベラと美形バンパイアのエドワードの禁断の恋を通して、愛する者のために自分の命を投げ出せるかが描かれるわけですが、そんなテーマなど忘れるほど、全編女心を刺激するツボだらけ。バンパイアは本来恐るべき存在なのに、彼は特別な一族。この都合よく危険な感じ! エドワードの言葉も行動も韓流ドラマ顔負けの恥ずかしさ。でも、これにも心のなかでは大喜び! そう、主婦が書いたティーン向け小説の世界には、ちょっと悲劇のヒロイン気分に酔いつつヒーローに守られていたいという、世代を越える女のコの理想が詰まっていたのだ。
おかげで、バンパイア一族の濃すぎる白塗りが気になっても、エドワード役のロバート・パティンソンの濃い肉食顔は、かえってプラス。わざとらしいほどにいい男オーラを放つエドワードに「私が彼を好きなはずがない!」と抵抗しながらも、彼に惹かれていくのを感じるのが次第に快感になってくるのは、製作サイドの狙いかと思ってしまうほど。“永遠の女の子”には、ベラさながらに禁断の恋の気分を味わわせてくれるのは保証付き。パティンソンが草食系男子好きの日本でもブレイクするかは、ビミョーですが。
(杉谷伸子)