BANDAGE バンデイジのレビュー・感想・評価
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小林監督の音楽への思いを感じる
この映画から感じられるのは、
音楽へのせつない思いだ。
それぞれの表現の仕方は違うけれど、
皆音楽へのせつないまでの気持ちが軸になって、
ストーリーが動いている。
何かを作るときに、それを動かすのは、
出会いだったりする。
その出会いの積み重ねで、
産まれてくる音楽もある。
そして、この映画のもう一つ言いたかったのではないかと思う事。
それは、
どんなに時代が変わっても良いものは良い。
ということだ。
次々に新しい音楽が消費されているが、良いものは残るのだと思う。
苦く痛い青春
この映画は1から10まですべてを説明してくれない。
感情の移り変わりやその過程、大切なディティールをすべてすっ飛ばし
あったことを断片的に拾っている感すらある。
人物が一人で葛藤するようなシーンも非常に少なく感情移入という面でみると非常にしにくいところがあるのかもしれない。
しかし、人の裏側や心の動きを考えながら作品をみるのが好きという方にはかなりお勧めしたい。
私はこの世界観にどっぷりはまり込み
泣かそうとしていない、痛みや苦味に胸を締め付けられる思いで鑑賞することができた。
映画を見終わった後の余韻はかなりのもの。
映画館を出ても、あのときのこの台詞はこういうことを表しているのではないか、などさまざまな思いが駆け巡る。
キャストもとてもはまり役だった。
北乃の純粋でまっすぐなイメージをうまく利用し、グレーに近づけ
赤西の不透明なイメージを、切なげではかなくもろいものとした。
そのほかのLANDSメンバーもすべてが印象に強い。
音楽は90年代を意識しており
単体で聞けば本当にダサいと言えるようなものなのに
映画に乗せると、それはそれであり、むしろ心地よいのが、さすが小林武史。
すべてパーフェクトと言うわけでもなく
間延びしてしまったシーンやもう少し描いたらよりよかった背景があっただろうが
初監督作品(小林)、初主演初出演作品(赤西)としてはなかなかではないだろうか。
赤西仁、彼は素質はとても良いと思うが
今回の映画で、経験値の少なさが浮き彫りになったように思う。
役に入り込むのが、とても遅かった。
しかし、入り込んだ後の彼の演技は惹かれるものがある。
経験値の少なさと共に、大きな可能性も懐かせた。
ドラマにしろ映画にしろ
経験をつんでいけば(ジャニーズありきのものでなく、きちんと経験のつめる物語で)光る役者なのでは?と思う。
また見たいと思える作品、そして何度見ても色を変える、
そんな作品であると思う。
LANDSのファンになりそう.....。
単なるアイドル映画にあらず
拙ブログより抜粋で。
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岩井俊二のカラーが滲み出た淡い映像美はそれだけでも観る者を心地いい世界に浸らせるが、初監督の小林武史の演出もなかなか侮れない。
冒頭から手持ち撮影の長回しが多用され、ちょっとやり過ぎかなという気がしないでもなかったが、これが結果的に作品全体にほどよい緊張感をもたらした。
ことクライマックスのKAT-TUN・赤西仁、北乃きいの掛け合いはちょっと唸らされた。
(中略)
音楽モノとしても、初監督ながら音楽のプロである小林武史監督のこだわりが至るところで感じられる。
単なる音楽絡みの恋愛モノという企画なら、舞台は現代でも通用したんじゃないかという気がする内容だが、これはやっぱりバンドブームの90年代という背景があってこその映画になっている。
それゆえか映画としてのテイストもドキュメンタリータッチに振られていて、そこにも監督の的確な意図が見える。
熱いだけの青春映画ではなく、湿っぽいだけの恋愛映画でもない。
王道のサクセスストーリーの中に軽妙なユーモアを交えながら、若さゆえの衝突や葛藤を露わにする。
クライマックス以降少々くどい印象があるものの、音楽青春映画としてきっちりと締めた幕切れの後味はすこぶるよい。
青春の一時代と、バンドブームの一時代、それぞれのAGEに懐かしさを感じた爽やかな感動作でした。
劇中歌のための映画
音楽プロデューサーが監督した音楽映画というだけあって
音の演出がより濃くなってる作品。
スワロウテイルから始まり、今までにもいくつか小林武史さんが
音楽を担当する映画を見てきたけど今作もハズレなく
赤西仁と杏の歌声も含めて、抜群に音楽がいい。
すでに劇中歌のアルバムが公開前に出ているけどもし先に聞いてて
気に入ったなら是非一度見てもらいたいと思う。
物語は全体的に実際の日常を切り取ったような描写でどちらかというと
淡々と進行していくんだけど、そのぶん劇中で使われる楽曲が
効果的に引立っているように感じる。
むしろ楽曲が主役といっても過言ではないかもしれない。
逆に言えば使われてる曲が好みに合わないと
物語がつまらなく感じてしまうかもしれないけれど・・・
それでもLANDSは実在しているんじゃないかと思うくらい
キャストがそれぞれ役にハマっていて…
アサコ演じる北乃きいは感情表現豊かで文句なしにうまいし
音楽を純粋に愛しているまっすぐで男前なアルミ。
寡黙ながらも圧倒的な存在感のユキヤ、とくに薄暗い部屋で
楽曲アレンジする姿にはゾクっとする。
そして主役のナツは軽薄で何事にも中途半端とどちらかというと
際立った所がない普通の男なんだけど、だからこそ自分の才能の限界を
感じて苦悩する姿はきっと多くの人が経験したことのある
人生のつまづきと共感できて切なくなる。
脚本的に多少アレ?と思うところがないとは言わないけど
見終わったあとのなんともいえない余韻はクセになりそうな不思議な感覚。
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