シェルブールの雨傘のレビュー・感想・評価
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自分の娘を産んだ恋人に従軍中裏切られて大人になった
カトリーヌ・ドヌーブの出世作ということ。確かに、最初今一なのが、時の経過と共に、どんどんと綺麗に、そしてファッショナブルになっていくのを見せるのが凄技。
イメージしていたものと異なり、骨太のドラマでもあった。背景にアルジェリア戦争がしっかりとあり、招集により従軍していた数年の間に、自分の娘を産んだ恋人は金持ち男と結婚してしまう。フランス男の言わば苦難と若き夢破損の象徴の様に。貧乏な、娘の父を見捨て
他人の娘ごと受け入れる大きな愛あるとは言え、金持ち男に走る女とその母の姿も、なかなかのリアル。除隊後、悲しい現実を知り打ちのめされて自暴自棄になっていた男が、みじかにいた伴侶と共に新たに家庭と仕事を築く姿に、人間の成長と、さらに戦後フランスへの作者の希望を見た。
音楽がミシュルルグランで、確かに主題歌は泣けるが、繰り返しがくどすぎて、音楽全体的には、あまりできが良いとは思えなかった。一方、店の内装のカラフルな様や、俳優たちの着ている衣類の色彩コーディネートが抜群に素晴らしく思え感動。流石、フランスの映画。
疑問
なぜ2年待てなかったのか?
経済的な事が要因だとして、渡に船で彼氏への想いを断ち切れるのか?
その程度のつきあいだったのか?
ドヌーブ扮する彼女が、若いからとはいえ、とても場面で生きているようにしかみえませんでした。
それに比べロシュフォールの恋人の方が深い愛や絆を思わせるものだと思います。
お母さんがプロポーズされるのだと思ってた!
全部、歌の映画だと聞いて、すぐさま見た。ホントだ!違和感をあまり感じなかったのが不思議だった。
お母さんと娘(ドヌーヴ)のなんと美しいこと!服も店も壁紙も全て。映画はカラフルで明るいのに、内容は明るくなくて、雨と雪の世界。生活が苦しい、恋人は戦争に行く、子どもできた、妊娠ものみこんで年上の、忙しそうな裕福な男性が結婚してくれる。彼女は多分、孤独。
でも、結婚は女にとって経済問題。割り切り方がすごい。甘っちょろくなくて、清々しい。現実的で大人だ。
愛は永遠か
「貴方なしでは死んでしまう」といってたカトリーヌ・ドヌーブ(ジュヌビエーブ)が、兵役に赴くニーノ・カステルヌオーヴォ(ギイ)の乗った列車がまだそこを動いている途中で、くるりと踵を返してホームの向こうにスタスタと立ち去る姿に、あれ、これはいったい何なのだろうと思う印象的なシーンがある。ロッサノ・ブラッツイさえキャサリン・ヘップバーンが見えなくなるまで見送ったではないか。
愛は永遠なのか、「ラ・ラ・ランド」と共に「んー、あるある」なんて、恋を考えて欲しいシリアスな作品である。この時カトリーヌ・ドヌーブは20歳位。大人びた顔をしていた。
こういう運命だったんだよ、、君とは、、
コロナ禍によりまだまだ昔の名作がリバイバル上映中でしたのでチョイス。
フランスの港町シェルプールにて工場で働く青年ギイと傘屋の娘ジュリビエーブの恋の物語。
全編ミュージカル(歌の様に台詞が進行)と甘ったるいフランス語で気を緩めると眠気が襲う為、ミュージカル慣れしていない人には根気と持久力が必要です。
傘屋の娘役のカトリーヌ・ドヌーブ、大変美人でいらっしゃる。晩年の姿の面影はあります。(特に横顔)
1957年の16歳から1963年の22歳までのジュリビエーブを演じているのだが、上手く変貌していると思う。
子供の件が上手いアクセントに。
ギイとの甘い恋、徴兵による切ない別れ、変貌する生活状況での決断、再会そしてこみ上げてくる想い。
バックで流れる曲に聞き覚えが、、かなり他で流れてますかね?
「傘のみで生計なりたつんかい⁉️」「叔母の遺産で楽にGS作れるんかい💦」とツッコミ所はありますが、1964年フランス製としては名作だと思いますよ😅
完璧な融合
フランス音楽界の巨星ミシェル・ルグランの没後1年/生誕88年特別企画にてデジタルリマスター版を劇場鑑賞。
言わずと知れた不朽の名作であれこれ語るまでもない。テレビでは何度か見ていましたが劇場の大スクリーンでは感動の度合いが全く違いました。名作ほど劇場で観るべきであると改めて実感。特にラストの名シーンは心が激しく揺さぶられて動揺し放心状態に陥りました。
カトリーヌ・ドヌーヴの冠をかぶる姿はまさに聖母マリアを彷彿させる女神のような美しさです。
ジャック・ドゥミ監督の演出、ミシェル・ルグランの音楽、カトリーヌ・ドヌーヴの美しさ、全てが完璧に融合した文句なしの最高傑作ミュージカル。
2020-87
フランスミュージカル映画の金字塔
台詞をすべて曲に乗せて纏め上げたフランスミュージカル映画の傑作。シャンソンの囁くような柔らかいメロディーと色鮮やかな舞台背景が溶け込み、主演二人の飾り気のない瑞々しい演技で、この上なく上品に描かれたメロドラマ。92分の3部構成に纏めた簡潔さ。イタリアオペラでもない、米英ミュージカルでもない、ドイツオペレッタでもない、フランス音楽のエスプリを最大限に生かした映画作り。それでいて、男の兵役で引き裂かれた若い恋人たちの悲恋が、説得力をもって描き切れている脚本と演出の巧みさ。素晴らしい。
本物の名作
名作と呼ばれる有名な映画はテーマ曲も有名だ。「太陽がいっぱい」「ドクトル・ジバゴ」「ブーベの恋人」などのテーマ曲はそれぞれの映画の代表的なシーンとセットになって心の奥に刻まれている。本作品のテーマ曲もまた、非常に有名である。主役ふたりの場面で何度も繰り返し歌われる。特に本作はすべての台詞が歌という徹底したミュージカルであり、鼻母音の多いフランス語の歌詞は、イタリア語のカンツォーネと違って声を張り上げることが出来ないから、互いに語りかけるような歌になる。そこがこの映画の魅力にもなっている。音楽を担当したミシェル・ルグランは天才だ。
歌唱を担当したダニエル・リカーリやジョゼ・バルテルなどの歌手の歌声も素晴らしく、演者の口の動きに完璧に合っている。デジタルではない時代の映画としてこれほどのクオリティを達成できたのは、ジャック・ドゥミ監督の類まれな才能というほかはない。
90分の短い映画だが、恋と戦争、お金と生活、信頼と裏切り、赦しと幸福など、人生の岐路で悩むテーマのすべてが盛り込まれている。半世紀以上を経た現在でも新しい感動がある。本物の名作はいつまでも名作である。
全てのセリフが歌っていうのはどうしても違和感が。だけどこれは個人的...
全てのセリフが歌っていうのはどうしても違和感が。だけどこれは個人的な好みだと思うので、作品の良し悪しではない。
演出はまるで動くマティスを見てるよう。色彩感覚や細部まで計算された構図にため息が出た。
また戦争によって運命を翻弄され、たどり着いた結末を受け入れて生きていくこの時代の人たちの人生哲学を感じた。
地上波放送を有名作だからと録画して見てみた。冒頭からセンスがおしゃ...
地上波放送を有名作だからと録画して見てみた。冒頭からセンスがおしゃれで目を見張る。会話が始まるとみんな歌いながらでびびる。話の先が読めるので停止しようかと思ってる内に登場人物の演技や感情に引き込まれ、最後はマジ泣き。
フランス映画は色彩が美しく絵になる ミュージカル?とはまた違う最初...
フランス映画は色彩が美しく絵になる
ミュージカル?とはまた違う最初から最後まで
歌に合わせてセリフが読まれる不思議な構成
ミュージカル映画嫌いなので出だしで
これ違和感で辛くならんかな?って思ったけど
そんなことなくスッと受け入れられる
多分セリフがロマンティックでトキメクのと映像美のお陰
全てが上手く合わさって絶妙
観賞後 皆さんのレビュー考察を読み、
なるほど〜!!っと二度楽しめた
愛も恋もお金や距離、曖昧な不安の前には意外とちっぽけだよなー
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