「Black Madonna Honey」リリィ、はちみつ色の秘密 everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
Black Madonna Honey
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ミツバチが引き寄せたとしか思えない偶然。
Boatwright三姉妹は、Lilyにとって正に(黒人の)聖母達です。
人種差別により迫害される黒人。
法律を無視して差別を続ける白人。
そんな白人の子供を育てて生計を立てる黒人の乳母。
母親への罪悪感と同時にその愛情への疑念を拭えない娘。
娘を素直に愛せず、時に残酷なやさぐれた父親。
純粋過ぎて悲しみを堪えられない女性。
結婚するかしないかで揉める男女。
人種を超えた友情や恋愛。
色々な「愛」の形を描いています。どれも完璧でないけれど、それで良いのだと…。
空っぽの穴はミツバチが蜂蜜で満たしてくれるのと同じように、マリア様も空いた心を愛で埋めてくれるのよと。くじけそうになったら、私の心に触れなさいと…。"It's alright. I'm here. I'll be taking care of you now."
"Mary is always there. I feel her in unexpected moments. She will suddenly rise, and when she does, she does not go up in the sky... but further inside of me."
Rosaleenが小屋を出た後は、屋敷に黒人が暮らし、白人が蜂蜜小屋に住むという構図に。南部の農園としては若干皮肉的です。
Mayが自分に石を乗せて水死する姿。
抱えきれない不幸や悲しみの重みが、石そのもののようでした。
劇中でLilyが養蜂を学び携わる時期が、姉妹の名前のようにちょうど春から夏にかけての作業みたいですね。
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