「親としてこれでいいのですか」私の中のあなた kaz104さんの映画レビュー(感想・評価)
親としてこれでいいのですか
白血病の長女を救う手段として、ドナーとなるよう遺伝子を操作した妹を作ることを勧める医師の存在に恐ろしさを感じました。アメリカらしいとも言えます。
また、その勧めに乗り、どんな手段を使っても長女を死なせないという母親の固い信念にも驚かされます。
妹は当然姉のために体をはって協力すべきだという一方的な考え方です。
そこに妹の命(身体的精神的犠牲)は、重く捕らえられていないように感じられます。
親としてどうなのか疑問が残ります。
しかし、この映画は僕が気にするそんな前提を覆すほどのすばらしさを持っています。
予告編では、妹が親を訴えるということをセンセーショナルにアピールしていますが、この訴訟のやさしさがこの映画包んでいます。
ただ、訴訟社会のアメリカをこんなところにも垣間見るのかという別の驚きがあります。
姉(ケイト)、妹(アナ)、弟(ジェシー)の三人きょうだいは本当に仲がいい。お互いのことを労わりあうことを知っています。
訴訟は妹が姉への腎臓提供を拒否し、有名弁護士に依頼して両親を訴えるというものです。
仲のいいきょうだいなのに何故、腎臓提供を拒否するのか。拒否は姉を死に追いやることなのに。自分の体を傷つけたくないだけなのか。そうではありません。
命、愛情、絆、幸福、医療、家族、そして死、いろいろなものが交錯し、感動が沸きあがります。
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