「シュールな笑いが評判だったロードムービー『リトル・ミス・サンシャイ...」私の中のあなた yosさんの映画レビュー(感想・評価)
シュールな笑いが評判だったロードムービー『リトル・ミス・サンシャイ...
クリックして本文を読む
シュールな笑いが評判だったロードムービー『リトル・ミス・サンシャイン』('06)で最優秀助演女優賞ノミネートとなった彼女も、すっかりでっかくなっちゃってアメリカン女子らしくムチムチしてきたブレスリンちゃん。こっちは逆に「あぁ、いよいよ母親役とかするようになったんか」と思わせながらも、素敵な年増になって演技力も増してきたキャメロン・ディアスが共演の、ひじょうに評判高い感動作『私の中のあなた』。
白血病の姉に臓器提供するドナーとして生まれたブレちゃん演じる11才のアナが、敏腕弁護士を雇い両親を相手に起訴を起こすところから物語は始まる。
姉ケイトのドナーになるべく遺伝子操作で"創られ"、自分の身体の様々なものを提供し続けるためにこれまで何度も手術を受けてきたアナ。化学療法で髪が抜け落ちたケイトを励ますために、自分の髪も刈り落としてしまうほど情熱的にケイトを支え続ける母のサラ。病気と戦いながらも仲睦まじかった家族も、アナの起こした裁判によって亀裂が生まれ始める。。
ザラッと内容を説明するとひじょうに重くシュールな映画に思われますが、自身も心臓病を抱える娘を育て上げたニック・カサベテス監督が、センスの良い音楽と決して軽くなりすぎない明るさで、絶望的な状況を絶望的になりすぎないように築き上げておるのが素晴らしい。
同じ白血病関係でも最近人気を博した邦画『余命1ヶ月の花嫁』みたく美談になりすぎず、病魔に苦しむ姉を時に残酷な描写で見せ、浮わつきかけた時にしっかり引き締めてくれるのがリアリティにうるさいハリウッドらしい演出で良い。
見終わった後には爽やかな気分になれるという類い稀な良作。
コメントする