スラムドッグ$ミリオネアのレビュー・感想・評価
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内容良し!リズム良し!
アカデミー賞作品を楽しみに見てきました。 かなり、よかったです。 クイズの中にインドの社会性と3人のドラマを映し出す。 少々、見るのが厳しいシーンもあるのですが、全体としてはリズミカルでシンプルにストーリーが進んでいきます。 強烈に感動がこみ上げてくるわけではないのですが、見終わったあとすがすがしい気持ちになれました。 意外に音楽が軽快で映像とマッチしていてとってもよかったです。
貧しさの中の豊かさと逞しさ。
多くを持ち過ぎると大切なものが判らなくなる。 豊か過ぎると何がほしいのか判らなくなる。 自分の手に持てるだけのもので満足できたら 自分の求めるものを見失わないんじゃないだろうか。 手にあるものを大切に出来るんじゃないだろうか。 それはある意味で豊かなことなんじゃないだろうか。 知識も人も求めるものも少なければ 見失わず大切に出来る。 この映画は物凄いハッピーエンドである。 人事ながら私の方が「幸せすぎて信じられないぃー!」と 思ってしまったほど(苦笑 でもそれが嫌味にならないのは、 彼がひとつのものだけを求め見失わなかったから。 一兎を追ったら二兎手に入っちゃった状態である。 欲しいものが大切なものが判っているだけでも羨ましいのに、 それを見失わず真っ直ぐに求め続ける持久力がまたすごい。 たしかにスラムの貧しいさは悲惨さもあるけれど そこを生き抜く人々は逞しさも強さもありしなやかである。 とにかく私には無いものだらけである。 今日着て行きたい服が(多すぎて)見つからず、 今足りないものがわからずに同じようなものをまた買ってきてしまう私は きっと三兎を追って一兎も得られない人間だ。 だからこの映画に惹かれたような気がする。 エンドロール時の踊りは「お約束」って感じでウケた(笑 本場のインド映画も見てみようかなぁ~と思ったくらい。 インド・・・これからも目が離せない気がする。
パワフルムービーですよ!
第81回アカデミー作品賞受賞作。作品賞だけでなく、最多の8部門で受賞しちゃったんですよね。何がそんなに凄かったのでしょうか? 『何故、今インドなのか?』この映画を観る前に、吾輩が抱いた大きくて素朴な疑問です。映画を観終わってもこの疑問は、全面的に解消するには到りませんでした。ただ、インドのいわゆる“貧民層”と呼ばれる人たちの、貧しくても逞しく生きている“リアルなパワフルさ”が、スクリーンを通してびんびんと伝わってきました。世界的な大不況で、先の見えないこの時代に、ダニー・ボイル監督は“人間の底力”をこの映画を通して、世界の人たちに見せ付けたかったんじゃないかなあ…と思います。1本の映画として見た場合『んな話、うますぎるがな!』と、ツッコミどころは満載でして、決して完成度の高い作品だったとは言い難いと思います。恐らくダニー・ボイルもそこら辺は承知で、敢えて荒削りなままの映画に仕上げたんじゃないでしょうか。『とにかく、行ってまえ!』てな感じで…。そこらあたりが、アカデミー賞でも評価されたのかなあ?とにかく見ていて、得体の知れない凄まじいパワーを感じたのは確かです。 観ていて素直に『インドって、凄い!』と感じました。アレだけの人口とパワーがあれば、いずれ日本など飲み込まれてしまうんじゃないかとも。ただ、あまりにも混沌としていて国を挙げてまとまれないのが、難点ですね(身分制度なんかも存在しますから)。でもその気になったら、或る意味“恐ろしい国”だと思います。 この映画は、インド資本のいわゆる“ボリウッド映画”ではございません。あくまでも、インドを舞台にした“イギリス人監督とアメリカ資本”による映画です。この映画の成功(興行的にも、賞レース的にも)により、今後この手の映画が増えていくことが予想されます。そう、ハリウッドとボリウッドの融合。この映画は、そのパイオニア的存在として、後世に語り継がれていくと思われます。 話を映画のストーリーに戻して、少しツッこませていただきますと、作中の「クイズ$ミリオネア」で出題される問題の中で、一番最後の問題が一番簡単だったと吾輩は思うのですが…。何ぼスラム出身の無学な青年とはいえ、あの出題の仕方はどうよ?と思いましたね。『運命だった』って言われても…(^^;。だってその問題で、最高賞金ってね~(でも、現実として知らなかったんですが…爆)。 ~追記~ 『インドの映画なのに、踊らへんな~』と思ってたら、チャンとありましたよ!エンディングで!!映画本筋とは、ホント何の関係もなく踊っちゃってます(^^;。
是非、皆さん観て下さい
幼い頃のインドでのシーンは、まるで実際のシーン。ドキュメンタリーを見ているかのようだ。あれが演技とは。すごく自然に動いている感じ? 幼い頃の友達の少女を探す手段としてクイズに参加。出題されるものは幼い頃、偶然にも知ってしまった事柄。やはり、運命だった。 エンドロールでのダンスは私には、ちょっとがっかりかも。お話の余韻にひたれない。あれはあれで。と、切り離して考えれば ま、OK?
これはドキュメントをパクッた「おとぎ話」なんです!
よく聞く台詞、それは・・・こうして巡り合えたことを運命と思うか?偶然と思うか? まったくもってこの二つは表裏一体だ。 自分の都合次第で、それを運命と取るか、偶然と取るかで分別しながら日々は成り立っているのだと思う。 「スラムドッグ$ミリオネア」という映画は、そんな運命とも偶然とも思える事柄をテーマにした作品だ。 舞台はインドの商業都市のひとつムンバイ;Mumbai、そこでたくましく生き抜く兄弟と、彼らに関わった一人の女性が巡る半生を描いている。 この映画の為に、先ず予備知識としてムンバイという都市の背景を知っておくほうが良いだろう(実は何も分からなくてもこの映画がある程度知らしめてくれる、なので観終わってからでもおさらいを兼ねて調べるのも良い) 人口1900万に及び、世界でも5番目の規模を誇る。 天然の良港に恵まれ、インド全体の海上貨物の半数以上の量を担う港湾都市である。 世界有数な金融機関や大企業が拠点を置き、近年目覚ましい発達を遂げている。 その反面、人口増加に伴って需給のバランス比率が著しく悪い。 貧困、失業、医療、生活水準、教育水準などの広範囲に及ぶ問題も抱えている。 故に一つの結果が、スラム街の出現であろう。 この映画で常に描写している。 多くの低所得者が、焼けるようなトタン屋根を連ねた軒下で固まり、ゴッタ煮になって暮らしている印象・・・その現実的曝し方が鮮明なデジタルカメラのすばしっこいカット割りで映し出される。 貧しく汚らしい少年期、主人公の兄弟達はスラムの中で色々な災難に遭う。 イスラム教徒とヒンドゥー教徒(おそらくそういった設定だろうと思うが・・・)との暴動シーンも若干関わっていく中で、ある少女と偶然出会う。 児童就労の問題点をも網羅し、闇社会の断片も描く。 だが不思議だった。 諸々の出来事が流れていくシーンは、実に愉快で滑稽だ。 過酷さをスタイリッシュな感覚で見せるのだ。 蝿やウジが顔中這っていそうな雑魚寝姿、川で沐浴する大勢の人、下水道の色、簡易トイレの奥に溜まったおぞましい物体達・・・それらがまるで、主人公ジャマール少年の成長に不可欠な材料として紹介されていく。 一つ一つがエネルギーに満ちて、しかもしなやかだ。 そんな生い立ちの断片から、偶然にも(あるいは運命的にも)助長を受けることになる。 とあるキッカケで、英国で誕生し日本でもお馴染みな人気クイズ番組に出演し、全国民の圧倒的支持を受けるのだ。 前人未到な全問正解へと登りつめようという勢い、その結果は?その真意は?観ていただくしかないだろう。 彼が解答者として導く答えは、すべて彼が過去に体験したものというあり得ない設定。 その一つ一つの導き方は、まるで人生そのものの歩みとして輝きを放っている。 ロールプレイングゲームで、強力なアイテムを徐々に蓄えていくようなイメージだった。 あまりにも実直で汚れなき想いを貫くジャマール、その兄サリームはスラム育ちのなれの果てでリアルな男(最もこう云った境遇に見合う典型だ)、彼らと関わる少女ラティカの純粋さ・・・この3人の秘めたる思いと、成長と、クイズ解答を導く行程とが、面白いほどにリンクしまくっている。 そのしまくり方は、あまりにもエンターテイメントだ。 インド社会を舞台にした英国製映画だが、実質ここにはアメリカン・ドリーム的な要素が多く含まれている。 ネタが尽きてしまったとも言われる映画界は、もう一度循環し始めているのだろう・・・ボリウッド;Bollywoodという比較的新しいフィルターを通じて、あまりにも出来すぎた大人のおとぎ話として惹き立っていた。 もし、偶然と運命が表裏一体だとしたら、人生はきっとエンターテイメントとも表裏一体なのだろうか? 人生の決断や受け入れは、クイズのように面白いものなのか? かつて自分の裏側でうごめいた、多くの人々の通過点を垣間見れた気がする。
彼らの人生と愛がミリオネア!
はい。今日、見て来ました。劇場では満席に近かったです。 内容ですが、素直に「良かった」と思える映画です。 最近はいろいろ、ひねる映画が多くて脳みそを使いますが、 この映画は素直に見れるし、純粋なストーリーに惹かれます。 主人公のジャマールが思い続けるラティカへの愛。 純粋で一途な気持ちが良く現れている。 彼らが少年だった頃のシーンでは、 子供たちの純粋な目がすばらしく美しい。 スラムと言う環境に置かれながらも、 希望を捨ていない。 常に、未来思考。前向きな生き方。 親を殺されても一生懸命に生きていく。 卑屈になることも無く、毎日を楽しく自力で打開していく。 そんなたくましさに敬服します。 今の日本人は彼らのハングリーを見習うべきですね。 もちろん、私も! この映画からパワーをもらいました。 ぜひ、素直な気持ちで見ていただければ、 この映画の良さは伝わると思います。 観て、損はありません。 さて、明日は「グラン・トリノ」でも 観てこようかな。
過酷な人生の向こう側に愛と希望が透けて見えた・・・
まだ、18年しか生きていなくても、幼少からシビアな年月だったと思う。いいだけの人なんて、一人も出てこない。ただ生きてゆくために、生き抜くために毎日毎日を積み重ねていく。流されて生きる余裕なんてない。平和ボケした日本に暮らす私の頭をガツンと殴られた感じだ。そんな中で、お兄ちゃんのサリームに比べて甘ちゃんな部分もなくはないが、芯の強さを感じさせるジャマールの生き方がすてきだった。心から応援できた。どんな運命でも一生懸命に駆け抜けてきた。だから、よかったんだよね、ジャマール!
音響の良い映画館で見るべし。
(名前を忘れた)主人公の少年の育ってきた背景とミリオネアがうまくつながって、終わるまで目を離せなかった。 インドと言えば、「踊るマハラジャ」の印象があって意味がわからない場面もあるのかなと思ってみたけど、最後まで楽しかったです。 オリエンタル?な音楽と動きのあるシーンが迫力でした。 エンドロールも気が抜けてよかったです。
プロフェッショナルの仕事をみられた
うまいです。「インド」の文化や背景のイメージを上手に生かして映画がつくられています。だけれども、描かれているインドのイメージがインド出身の監督によるものならいいのですが、そうでないので、どうも違和感を覚える。 インド旅行をしていた人のブログを同時進行で読んでいたけれど、現実はここに描かれているようなもんと違うだろうと思う。確かにインドの貧困問題は深刻だろうが、みんなそれぞれしたたかに生きている印象だった。それに、この映画はインド人には評判がよくないらしい。疑いもなくそうだろう。 映画はエンターティメントだからいいじゃないか、という人もあるだろう。それなら、監督よ自国を題材にしろ、と思っちゃう。それに救いがないじゃないか、このストーリーでは。
音楽と情景が残ります。
音楽が独特な雰囲気を映画全体に与えていて、さらに疾走感あふれる感じ。 映画と言うのを忘れるほど、入り込んでしまった。途中、目を背けるシーンが何度かあり、スラムの子供達の過酷な人生を知り、現実なのか映画なのかわからなくなってしまった。子供達の演技と目が印象的でした。列車のシーンが印象に残っています。ジャマールが、クイズ$ミリオネアで次々と答えるシーンは爽快でした。人生が勉強なんだなと思わせてくれる作品でした。
何事も経験が一番!?
日本でも有名なクイズ「ミリオネア」。 この映画の予告編では さんざんみのさんがドアップで登場し、 (もう!いいってば!!!・・・ってなくらい(笑)) 音楽は耳に残るし、観る前からかなり印象深い映画でした^^; でも、日本のクイズ番組とは裏腹に いきなりの冒頭シーンでは、 顔面パンチを喰らったよ~な強い衝撃を受けました(>_<) かなりショックでしたね(涙) スラム街に住む無教養の青年ジャマール。 彼が子供の頃に知り合った少女ラティカへの一途な想いから 「ミリオネア」に出場する彼の純真な心は よどんだスラム街を希望に導いてくれた気がします^^ 私は、スラム育ちのジャマールが なぜクイズの答えを知ってるのか? ・・・ってことよりも インドがあまりにも治安が悪いのと 保護されない不幸な子供達の方が 気になって仕方なかったです(>_<) 4月21日109シネマズ高崎にて観賞
感動の涙!!
「力」に向かう兄サリーム, 機転が利く知恵者の弟ジャマール, 背景を描かずとも環境から伝わる小女ラティカ。 彼ら三人,三銃士を軸としたドラマが, 起伏にあふれ,感情豊かであるから, 物語を素直に応援でき, ラティカとのラブストーリーに素直に感動。 喜びを爆発させるダンスが素晴らしかった!! 兄弟の成長とともに, インドの町並み変化を映し, 貧困,宗教対立などのインドの実状をさらりと描き, 社会派の側面を際立たせながら, エネルギーに溢れた前向きなサクセスストーリーとして, 嫌味なく突っ走った構成が巧い!! 人生をクイズに例える設定も面白い。 観賞後,自然と元気が出る秀作。
スラムドッグ$ミリオネア
今日は第81回アカデミー賞作品賞に選ばれた、『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』。私の事務所によくくるおばさんが、これを見なさい、と薦めてくれたので、見てみました。 テレビのクイズ番組に出演し、賞金を獲得したジマール、インドのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていくというストーリー(Yahoo映画)。 で、感想を書こうと思いましたが、あまりひどいこと書くと、ロードショーは4月18日からと書いてあるので、書きません。インドを主題とした、インドに行った白人さんがインドをどう思ったか、という映画シナリオではなく、インド人がメインとなり、スラムという貧困層ライフに焦点を当てたストーリーは面白かったです。
純愛を描いた作品。好きこそものの上手なれ。
2009年第81回アカデミー賞最多8部門(作品賞、監督賞(ダニー・ボイル)、脚色賞、撮影賞、編集賞、作曲賞、主題歌賞)受賞。 そのタイトルから判るように、イギリス発祥の『Who Wants to Be a Millionaire?』(日本でのタイトル「クイズ$ミリオネア」)と言うクイズ番組がモチーフの映画です。下となっている『Who Wants to Be a Millionaire?』は、世界中で同じフォーマットで製作されていて、BGMとかも世界で同じですし、CM明けに「Who Wants to Be a Millionaire?」と言っているのも世界で同じです。フォーマットが同じと言うより、コピーと言うべきかもね。この作品は、ミリオネアでの不正をモチーフにしていますが、2001年にイギリスにおいて全問正解者が不正を行い逮捕されたという事件が実際にあったと言うのにはビックリです。 アカデミー賞作品賞受賞と言うことで見に行ったんですが、正解でした。正直、余り期待していなかったんですが、期待に反して非常に深い作品でした。アカデミー作品賞も納得です。スラムに住む若者がどんな半生を過ごしてきたのか、スラムに暮らすということがどういう事なのか、と言うものを描いています。私は、インドに行ったことはありませんが、あの混沌とした雰囲気は、インドに行ったある人の言葉によれば「まさにインド」だそうです。 あ、そして、純愛ですね、一番大切なモノは。混沌とした中で一生懸命生きて、純愛を貫いている若者の半生、って言うか、それまでの人生そのものを描いています。まぁ、そう言うベースが無いと、この映画のストーリーは、結構、やり切れない話かも知れません。 一応、イギリス人監督の作品ですが、エンディングはやっぱりインド。出演者が音楽に合わせて踊りまくっていました。それと、エンドロールに、少年の頃から描かれているジャマールやサリーム、ラティカなどが、それぞれの年代の少年少女の顔も出ていたのは、いいアイディアだと思いました。 繰り返しになりますが、傑作です。インドの混沌を描いていると共に、純愛とは何か?と言う事も描いています。
徹底的にエンターテインメント!
「今晩、どんな予定があっても中止して、この映画を観に行くべきだ!」ボストン・グローブ紙のコメント。うん、これがいい。いまのこの気持ちをサイコーに上手く表現してくれてる。熱狂のあまりインド人と一緒に踊り出しそうになった。拍手だけじゃ足りない。実際、この映画は踊れると思う。だって音楽が素晴らしいの。第二の主役は音楽だ! アメブロ「マイ・ブルームービー・ナイツ」より
クイズの正解の謎とジャマールの一生。ストーリー構成の巧みさにラブストーリーと社会背景まで描いて画面に引き込まれました。
オープニングに示される『スラムドッグ$ミリオネア』のファイナルアンサー。 それは、ジャマールが正答したのはA.インチキ、B、偶然、C、実力、D、運命のどれかというクイズで始まります。 やはりアカデミー賞8部門獲得は伊達ではありませんでした。 あと一問のところで番組の司会者にインチキだと告発されて、警察に連行され拷問を受けるジャマールが尋問で答えていく全問正当の訳とは? 録画された出演シーンに答えていくジャマール。クイズの1問1問に、彼のこれまで歩んできた人生そのものが関わっていたのです。彼がファイナルアンサーの正解を記憶に焼き付けざるを得なかった、その時々の事情とは、取調官も同情を寄せるくらいの辛酸を舐めるものでした。 クイズの進行とジャマールの人生。そして、彼に辛酸を味わいさせたインド社会の差別社会や宗教対立の悲惨さなどの社会的メッセージも巧みに織り込んで、ラストシーンにまで画面に釘付けとなりました。 ホント最後のファイナルアンサーなんて、警察に拘留されていたわけですから、どうなるものかとドキドキ。本当に素晴らしいラストシーンでした。 この番組の司会者が食わせ者。ジャマールと同じく、下層階級から成り上がってきたことから、ジャマールを盛んに励まして、休憩時間にトイレで、君ももうすぐ私と同じミリオネアだねと言い寄ってきます。 このときジャマールは、次のクイズの正解を思い起こせず迷っていました。 ふと見ると、司会者は鏡に、正解と思われるアルファベットが手書きされているではありませんか。果たしてこれは天の恵みか、悪魔のささやきか、はたまた司会者の意地悪か! そして皆さんも素朴に思うスラム出身のジャマールがなぜテレビのクイズ番組に応募しようとしたのか。それはどう見てもお金のためには見えません。 そこにはスラムで互いに孤児となったジャマールのラティカとの運命的な出会いが描かれます。1度目は孤児達を食い物にしている物乞いグループのボスによって、二度目は兄のサリームの横暴によって、生き別れになります。しかしどんなときもジャマールは、ラティカのことを忘れることはありませんでした。あらゆるツテを使ってラティカの居所を突き止めます。 ラティカがサリームが手下として使われているマフィアのボスに囲われていることを知っても、命がけで会いに行くのです。ジャマールにとってラティカはまさに運命の人であったのでした。 ボスの家で、二人は再会します。その時ジャマールは、ラティカの唯一の楽しみが『クイズ・ミリオネア』というテレビ番組を見ることだったことを知るのです。 ふたりはボスの家から脱出を試みますが、結局駅にいたところをボスの命令で捕まえにきたサリームに見つかってしまいます。刃物で脅されたラティカは、仕方なくサリームに拉致されます。このとき頬に刃物傷をサリームは負わしてしまうのでした。 ラティカを失ったジャマールは諦めませんでした。ひょんなきっかけから番組出演権を得たジャマールは、どこかできっと彼女が番組を見ていることを信じて、クイズに挑戦していたのです。そして一問でも多く正解して、長く画面に映っていたいと願いながら。 ジャマールのラティカに対する強い思いが、この作品の感動を強める重要な伏線となっていました。素敵なラブストーリーだったのです。 それとどこまでも純粋なジャマールと強欲で悪の道にどっぷり染まっていく兄サリームとの対照的な関係。でもそこは兄弟。思いやる心は忘れていませんでした。ラティカを拉致したばかりでなく、刃物傷を負わせしまったことをサリームは心から後悔していたのでした。その悔悟の気持ちからラティカに見せるサリームの優しさ、自己犠牲に涙されることでしょう。 さて感動的なストーリーだけでなく、カメラワークも見応えあります。冒頭のスラムの子供たちが悪戯により警官に負われるシーンでも、手持ち撮影やコマ落としなど希望で、子供たちの生き生きとした表情、スピード感を余すところなく描いていました。 それにしても、スターのサインをねだるためには、少年時代のジャマールに糞ダメへ飛び込まさせてしまう監督の発想力には驚きました。そこまでやらせるのか! そしてファイナルアンサー。 ジャマールの一生がすべて明らかにされるとき、『スラムドッグ$ミリオネア』に彼が出演し、正解を重ねていくのは、もはや運命としか思えませんでした。 エンディングのラストメッセージ。 オープニングのクイズの正解がテロップで示されたとき、深いため息と感動が余韻となって心にこだましたのでした。
さすがアカデミー賞!
運命、愛、そして感動。 インドの貧しさとジャマール兄弟の過酷な運命に驚き、ジャマールのがんばりとラティカを思う心に感動しました。あの「クイズミリオネア」がこんなにすばらしい映画になるなんて・・・。インドでも放送しているというのが驚きでもありますが。 映画の中の視聴者と一緒にジャマールを応援し、ハラハラドキドキ。さすがアカデミー賞8部門受賞作。2時間たっぷり楽しみ、堪能しました。エンドロールのダンスシーンは、インド映画そのもの。見ないと、損をするかも!
最後はやっぱり、インド映画
ご存知、今年のアカデミー作品賞、監督賞等8部門に輝いた映画です。 「クイズ$ミリオネラ」で物語の主人公、 ジャマールが答えると 彼の人生が同時に浮かびあがってきます。 何故彼は教育を受けていないというのに 問題の正解を答える事が出来るのか? ジャマールには、兄、サリームがいます。 彼等はある迫害事件で、母をも失い、 幼いうちから二人っきりになってしまいました。 彼の最愛の人となるラディカもその事件でみなしごになり、 彼等と一緒にすごすようになるのです。 ジャマールとラディカはお互いがお互いを 求め合っていたというのに、 一緒になれるまでに 幾多の困難を乗り越えなければいけなかった定めなのです。 彼らが乗り越えた困難とは。。。 ジャマールが正解を一つ、そしてまた一つ積み重ねる度に、 それが明らかになっていくのです。 スラムでしか生きる事が出来ない身の上だけに、 それなりの壮絶なシーンが出てくるのですが、 ジャマールは希望を捨てません。 こころねが真っ直ぐです。 だから彼の人生を後押ししたくなる人達が現れるのでしょう。 それと、普通ならクールダウンのためのエンドロールだというのに ジャマールとラディカが踊り狂っています。取っても楽しそうに。 インド人って、こんなにほんとに踊り好きなんでしょうか?
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