劇場公開日 2009年10月10日

「繊細さは無いが、ゲームシーンの盛り上げ方は巧い。」カイジ 人生逆転ゲーム 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5繊細さは無いが、ゲームシーンの盛り上げ方は巧い。

2009年10月17日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

原作について知ってる事と言えば、そのとんがった絵柄と“ざわざわ”という効果音くらい。
原作ファンの方々の受けはイマイチのようだが、原作未読の僕はなかなかどうして楽しめた。

大都市に秘密の地下坑道があったり金持ちの道楽として殺人ゲームが行われてたり、かなり荒唐無稽な世界観。
キャスト全員がオーバーアクトで、繊細な演技にゃ全くお目にかかれないが、現実を誇張したこの世界観の中では演技もこれぐらい誇張した方がいいのかも
(特に香川照之のヌメヌメした悪役ぶりは大好き)。

けどそれを考慮しても、藤原竜也の演技は大袈裟だなあ。序盤のせわしなさも手伝い、人生を変えてやる!という切迫感や金への執着が伝わらない。お陰で、物語を通しての主人公の成長すら見え辛くなってしまった。これはかなり痛い。

だが劇中に登場するゲームはどれもひとヒネリあって面白い。
特にクライマックスを飾る『Eカード』の盛り上げ方は巧い。多彩なカット割りと映像に寄り添った音楽が緊張感を煽り、結末は分かっているのに手に汗握ってしまう。
カードゲームのシーンをこれだけ盛り上げることの出来た映画ってあんまり無いんじゃないかしら。自分が知らないだけかもしらないが。

浮遊きびなご