大阪ハムレットのレビュー・感想・評価
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しんどい思いしたことある?
自分のやりたい事を貫くのは
覚悟が必要や。
ヒロ君も心を決めたらきっと強くなれる
はず。
アキが病室で落ち込むヒロに贈った
言葉は、彼の人生の礎になると思う。
本当は誰もが違う。
違うとみんなから注目や嫌がらせを
受ける。
けども、
自分をしっかり持って生きている人を
世間は認める。
認められた人は世間に受け入れられる。
この家族は、お互いのキャラクターを
認めて、決して否定せずに見守り、
励まして包み込む。
何か人が生きる上で一番大切な事は
なにかということがしみてきます。
こんないい作品もっとみんなに
観て欲しいです。
男でも女でもいきとったらどっち
でもええわい。
田舎のばあちゃんが、ヒロに言ってた
言葉は人生を沢山歩いた彼女ならでは
の思いでした。
家族や周りの人に沢山の言葉を
もらって心の栄養にできる環境の
大切さがわかります。
なんか胸に熱いものが残る作品でした。
おすすめ。
あっけらかんとおおらかに生きる
小さな子供だろうが50を過ぎた大人だろうが人生の岐路が訪れることがある。本人はその試練に一生懸命立ち向かうのだけれど、周りの人間は興味本位でからかい、時には一般常識から逸脱していると白い目を向けたりする。
「皆、真剣やから、からかわんとってください!」 逆境にもめげずに立ち向かおうともがく人々を温かく見守ってあげよう、この作品にはそんなメッセージがある。
「生きるべきか死ぬべきか、そんなもん生きとったらそれでいいやん」 あっけらかんとおおらかに生きる術を身をもって教える肝っ玉母ちゃんが愉しい。
ストーリー自体はたいしたことはないのだが、大阪の下町に住む家族の日常を通して元気がもらえる作品だ。
どないしたん? なんかあったん?
映画「大阪ハムレット」(光石富士朗監督)から。
「関西弁」というそんな方言はない、と怒られたので、
あえて「大阪弁」と表現しようと思うが、
聞きなれないフレーズとリズムが、私のメモ対象になる。
しかし、その場で気になったメモは溢れたのに、
もう一度、読み直してみたら、普通の会話だった、という
ケースのなんて多いことか。(笑)
「どうしたの? なにかあったの?」が
「どないしたん? なんかあったん?」に変わっただけで、
面白い・・と私の脳が反応してしまう。
自分の住む街を「しょ〜もない 街やなぁ」と愚痴り、
「この街の唯一ええとこや。
こんなことしても、ちっとも恥ずかしくないなぁ」と、
駅のホームでおんぶしてもらいながら、この街を評価する。
東京は「ベタベタせぇへんし、オシャレな街」やけど、
やっぱ「大阪すきやねん」なんだなぁ。
部屋には、当然のように堂々と貼ってある
「2003.9.15 阪神タイガース優勝のポスター」や
「赤星」「今岡」と書かれたタオル(手ぬぐい?)の存在感。
「大阪人」以外でも「大阪」が好きになる映画かもしれない。
元気のない人を見つけたら、誰にでも声を掛けそうなんだもの。
「どないしたん? なんかあったん?」って。
PS.
物語としては「釈尚然」(間寛平さんの戒名)が気になる。
きっと、何か意味があるはずなんだよなぁ。
生きてるだけで。
名画座にて。
大阪人にハムレットを語らせたら、どんなもんだろか。と
原作者が思って書いたという話は確かにクセだらけで面白い。
雑多で纏まりがなく、やかましいうえに小賢しい雰囲気の街
ならではの活劇というか、ほんわかシビアな感じが鋭くて良い。
子供たちの名演も素晴らしいが、松坂慶子扮する母ちゃんの
デッカイお尻がプリン、プリンと商店街を歩く姿には、感動。。
このヒト昔はすんごい色っぱい恰好して(今でもお綺麗ですが)
「私は愛の水中花~♪」って歌っていたんだよなぁ…と遠い目。
この母親だから、子供達はああ育ったんだ…と素直に感じる。
死んだ父親(寛平)の弟だと名乗る変なおっちゃん(一徳)が
同居し始めた久保家の3人兄弟は、揃いも揃って似ていない。
異常に老け顔の長男。ケンカっ早い次男。女になりたい三男。
あとで、あぁ~この子たち、父親が…という事情が分かるが、
それにしてもしっかりと結束!しているところが可愛くてイイ。
家族揃って夕飯を食べ、揃いのTシャツを着て(まぁムリヤリ)
なんだかんだといっては寄り添っている姿に笑みがこぼれる。。
次男が突然「ハムレット」を辞書を片手に読み始めたことから、
この風変わりな家族の悩みがそれぞれ明るみに出始めるが…。
母ちゃん、おっちゃんの掘り下げ方も上手いが、
なんといっても子供達それぞれのキャラ分けがお見事だ。
どの子を選んでも共感でき、一緒に泣き笑いができる。
異常に老け顔でまだ中3なのに大学生と間違われる長男は、
初恋の教育実習生に「私の父親になって♪」とせがまれる^^;
まるで違和感がないおかげで、こちらまで苦笑いしてしまう。
ハムレットをハムスターと勘違いするほどおバカな次男は、
自分だけがまったく父親に似ていないことに危機を感じる。
ケンカ以外に取り柄のない彼が辞書を引く姿には感動する。
大好きなおばちゃんが亡くなったのを機に、ますます女子に
なりたい感を募らせる三男は、どう見ても女の子に見える。
あまりに可愛いので浴衣を着せたくなるのもすごく分かる^^;
漫画的といえば確かにそうだが、それぞれに味わいが深く、
おまけに父親が…となれば彼らの抱える問題はかなり深刻。
それでも、だ。
生きるべきか。死ぬべきか。なんて悩む暗さは微塵もない。
そんなことより生きるのに夢中で、食べるのに懸命だから、
彼らの夢追い合戦は、こちらの気持ちまで喚起させてくれる。
生きとったら、それでええやん。元気だったら、ええやんか。
そういえば明石家さんまの娘、いまるのことを
「生きてるだけで丸もうけ」と名付けた父親を最初は「?」と
思ったものだが、その意味を深~く考える今、
なんていい名前なんだろうと思えるから不思議である。
おおらかな気持ちで、劇場を後にできる極楽ドラマである。
(セクハラなんかなんのその。肝っ玉のデカさが違うんだな。)
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