グラン・トリノのレビュー・感想・評価
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美談っぽくしてない?
食器棚みたいのを殴るシーンで、このじじいは基本的に後先考えずに行動する人間なんですわ。
だからギャングに対しても、あんな中途半端な行動をとったんですわ。
白人だからベトナムギャングを皆殺しにしたところで正当防衛で無罪だよ。
元軍人で、軍人時代の傷を持ち続け、不器用で家族ともうまく行かなかっ...
元軍人で、軍人時代の傷を持ち続け、不器用で家族ともうまく行かなかったウォルトがアジア系の隣人と知り合うことで変わり始める。
あまりに不器用すぎるけれども、行動で示した最後に涙した。
切ないけれどもすごくウォルトがカッコよくて、最後のクレジットといい、余韻といい、良い映画だった。
1人の侍を見た。ラストは突き放され、作品に抱きしめられる
イーストウッド作品はほぼ全て観ていますが、
ナンバーワンは「ミリオンダラー・ベイビー」
本人が出ていないけど「アメリカン・スナイパー」と「ジャージー・ボーイズ」「チェンジリング」
今までこの4作品が大好きでした。
ここに、この「グラン・トリノ」が加わりました。
・・・実は観るの3回目なんですけど、今回が一番涙出ました。
退役軍人で偏屈な老人、奥さんにも先立たれた主人公ウォルト。
戦争の傷も深く、余程過去に色々あったのか、人に心を閉ざし、平気で人種差別もする。
それが隣にモン族の家族が越してきてから、変わり始めて…
とりわけタオとスーの姉弟と言葉を交わすうちに、人間らしい心を取り戻していくウォルト。
タオを息子のように厳しく優しく寄り添う。
宝物のグラン・トリノの古き良き輝きと、
枯れゆく中にも人との出逢いによって溶けていくウォルトの心。
いい人過ぎないのがいい。
頑固なくらいでちょうどいい。
遠慮なく物を言ってしまうけど、心根は優しい人。
悪縁である親戚のごろつき達の悪行はエスカレートし、
良かれと思って起こしたウォルトのある行動がきっかけとなり、更なる不幸が姉弟を見舞う。
怒りで手が震えるほどの鬼畜の行いに、思わず身を乗り出す私。
これ以上は詳しく書きませんが、
ウォルトは人生の最後に、大仕事をやってのける。
「自分の行いの落とし前は、自分でつける」
ここに、1人の侍の姿を見ました。
言い訳もしない、逃げもしない、
ただ、助けたかっただけなんだ。
力になりたかっただけなんだ。
許してほしい。
これで、チャラだろ?
そんな声が聞こえてくるようでした。
衝撃的な結末を迎え、タオの運転するグラン・トリノを颯爽と映して、ジ・エンド。
あまりのショックに呆然とし、
突き放されたような感覚で眺める景色。
エンドロールに流れるイーストウッドの静かな歌声が心に沁みて、涙とまらん。
この作品の余韻感、半端なく大きい。
勘弁してほしい。
めちゃくちゃいい物観せてもらいましたよ。
感謝しかありません。
間違いなく、後世に語り継がれるイーストウッドの代表作。
イースト選手の最高作かも
ハリー・キャラハン以来のはまり役です。
やっぱりこの人はダーティな正義漢がピッタリ。
しかし、のっけからバリバリ頑固なクソジジイ全開で痛快。
予備知識ゼロだったのでベトミン話とはおそれいった。
トランプ支持者ってこんなカンジ何でしょうね。アメリカ・ファースト。
孫を悪く描きすぎちゃう
人間関係を築くのが難しい頑固じじい。戦争経験がそうさせたのか?
そんなじじいが隣に引っ越してきたモン族と次第に心通わしていく。
スーを助けてやりタオを一人前に育てていく。
それが親戚の悪にメチャクチャにされる。
今まで彼らにしてきてきたことに疑念を持ってしまうが決断した行動は・・・
想像がつかなかった結末、さすがと言うほか言い様がない。
主人公の人間の大きさを感じた。
スーもタオももっと一緒に過ごしたかったに違いない。
物語の最後にグラントリノに乗ったタオが海辺の道を飛ばしていくのは意図的だったのかもしれないけれど隣に彼女は乗っていなかった。迎えに行くところと思っておこう。
二人の姉弟がどんな風に生きていったかわからんけれど二人ともタフな奴。
おれは心配してないよ。
エンディングの歌は最高だった。
そして、も一つ、床屋のじいさんも最高。
最後に神父さんにも礼を言っておきたい気分だ。
頼んないと思ったけれどじいさんに成長させて貰ったね
何かが足らない
前々から気になっていた作品を今更みてみた。
結論から言うと、気の抜けた炭酸といったところか。
役者としてのクリントイーストウッドの凄みがある。
監督作品としてのフォーマットを踏まえていて『なるほど』と思えるところもある。
ただそれらが調和が取れているかというとそうでもなかった。
老いた白人老人の末路を描きたかったのか、
アメリカ社会で揉まれて成長するアジアン青年を描きたかったのか、
古き良きアメリカから変貌する社会の憂を描きたかったのか、
いまいち焦点が合わないまま終わってしまった。
決して駄作ではないけどイーストウッド以外が主役をやった場合、
同じ評価を得られたかどうかは怪しい。
逆を返せば、彼がいかに偉大な役者だと言うことが分かるといった意味では偉大な作品。
運び屋の時にも感じたけど、老いが故の苦悩を格好良く見せるのではなく、泥臭いまま若い世代にぶつける彼の作品を見てみたいと思った。
報復の仕方
アメリカは生活の中に銃があるから、単純な喧嘩で済まなくなる。
タオは急に心開いた感があった。そして低い声で堂々と話しすぎな気がした。
やった、やられたで、最後はさぞ派手に復讐しに行くのかと思ったら‥。
良かったけど、個人的にはさほど評価高くなく、3.5。
モン族を初めて知った。
終の映画
内容はクリントイーストウッド原作の映画で自分の死期を悟った老人の家族不和と隣人のアジア人家族との家庭を交る心の交流を描いた希望的思想作品。『この勲章をお前にやる!』『家の中で一度ぐらい煙草吸ってもいいだろ?!』の言葉は覚悟が伺え号泣止まりません。演出や演技では、流石クリントイーストウッド!だからこそ絵になったのかもしれません。グラントリノの歌も良かったですし、葬式で始まり葬式で終わる所なんか上手いなぁと思います。それに寄り添う取り巻きの心の機敏が伝わってきました。グラントリノに乗って‥何か?!後世に残したかったのかも?!。人間は何か生きた証を残したい生き物なのかもしれません。
僕にとってのアメリカンヒーローがイーストウッド。
僕にとってのアメリカンヒーローがイーストウッド。ローハイドては、ウィッシュボーンさんのファンだったが、荒野の用心棒では、したたかなヒーローと思った。もっとも、ジャン・マリア・ヴォロンテも好きだったが。
このグラントリノはそのしたたかさの結論の様に感じた。
イーストウッドは黄禍論を語っていると思う。朝鮮戦争で半分負けて、ベトナム戦争で全敗して、911で、本土まで侵略される。アフガニスタンは黄色人種では無いが、アジア。
そして、今や中国にその座を奪われてしまったアメリカン。そんな悲哀がイーストウッドの中にあるのかなぁと思った。イーストウッドもこの映画では、ポーランド移民で、友達の床屋はイタリア移民。つまり。アメリカは移民で成り立っている。日本人には理解できない部分があると思った。もっとも、日本だって、本当は沢山の民族が存在するんだけどなね。
兎も角、カッコ良すぎる。さぁ、クライマッチョを見に行くか?
カッコ良すぎる。
頑固じいじの心の変化
息子たちにも孫にも教会の牧師にも心を開かないウォルト。近所の住民はアジア人が多く、米食い人種、ジャップと言って遠ざける。隣人のおばあちゃんも、ウォルトのことをシロ、はやく出て行けと独り言を繰り返す。隣人の息子タオや娘スーが黒人に絡まれると助けてあげるのはいいが、クロッと言う。人種差別的な発言が非常に多い。タオが皿洗いや庭仕事をしているとそんなことは男のすることじゃない、とか男女差別的な発言もあり、少々観ていていい気はしない。
だんだんタオやスーと打ち解けて、最後の仇打ちのシーンは、自分を犠牲にしてケリをつけるなんて、なんてカッコいいじいじなんだ👏👏👏。
遺産を当てにした親族は少し気の毒だが。息子たち家族とももう少し心を許して歩み寄れるとよかったのにね。
"これがイーストウッド節か!!"
Mr.クリント・イーストウッドの映画をクライマッチョにむけて初鑑賞。
映画を家で観るときは一人でツッコミを入れてるんだけど、とにかくツッコミ箇所が多すぎた。いや、ポーランドじじい(泣)あんた強すぎな。
質の悪い不良との話し合いで「殺されるんじゃないか」「押し倒されてリンチにされるんじゃないか、」とか思ってたのもつかの間。返り討ちにしてるやないかーーい!
あのフェイクガン(fake gun)強すぎな(笑)。
人種差別とか色々と問題が提示されている、この作品。今こんな発言してたら抹消されるで───。と驚きながらも鑑賞中ツッコミを入れた自分。これは監督が【人種差別】について観客に考えさせようと働きかけている。僕はそう捉えた。
あ、ワン公(デイジー)無事で何より。
デイジーがウォルト(イーストウッド)の帰りを待っているようにも見えた。泣けるよ(泣)。
イーストウッド節サイコウ!!近頃イーストウッドの何らかの作品を鑑賞しようかと思っています!
イーストウッド作品にハズレなし
さすがのイーストウッド作品、どの作品も余韻がすごいです
派手さはなくてもこの作品も心にズシンときました
人と人との繋がりが優しさの連鎖になっていく展開にあのラストでもあったかい気持ちになれました
でも寂しさの一片もない完璧なハッピーエンドが好きな私は寂しい気持ちにもなりました
イーストウッド作品は本当に素晴らしいです
きっとご本人が素晴らしいとしか思えないです
爺さんから若き男子へ。
シンプルに、ああいい映画観たなあ...と思える一本。
でも人生のほうは、シンプルじゃない。
真面目に生きていても、戦争になれば人を殺さなきゃいけないし、普通にただ働いて生きて行きたくても、それを邪魔する輩がいる。
家族だから愛が交わせるとは限らないし、
人種や年齢が性別が違っても、気が合うこともある。
何歳になっても人は変わるし、
何言ってもクズはクズで変わんないこともある。
人生はいつも混沌。
それでも生きて、最後の最後の瞬間まで、魂を磨くことはできる。
それが若き友の心に、楔を打つように、残った。
グラン・トリノはビンテージカー。
でもモノじゃなく、魂を、次の世代に渡したんだね。
若きオトコを男にするのは、大人の男。
言葉じゃない。
格好でもない。
上っ面じゃない。
自分の命の使い方。
何を守り、何を捨てるのか。
歳を重ねて身体は古びても、真実を見る眼力は強まる。
でもそれもその人が、自分をどう生きてきたかによる。
愛を教えるのが、一番難しい。
実の親子でも。
ただ愛は伝わるところに、ちゃんと引き継がれていく。
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