グラン・トリノのレビュー・感想・評価
全186件中、61~80件目を表示
こういうジジイになりたい
この映画には派手なアクションはない。
1名を除いて、それほど有名な俳優も出ていない。
物語もとても小規模な範囲で進行し、核戦争から世界が救われるわけでもない。
だがイーストウッドがいる。
とにかく、イーストウッドが人間くさく、愛おしい。
そしてラストは若い世代を導く伝道師のように有終の美を飾る。
自分の存在意義とは何か、自分の役割とは何か。
外の世界と触れ合うことで、自分自身の内面とも向き合い、人生の終盤に自分の道を切り開いてバトンタッチする。
その生き様に、私は心を強く揺さぶられた。
後に、それはイーストウッドの映画人生そのものだったんだと知った。
公開当時私はほとんど映画を見ていなかったが、たまたま本作を観に行った。
鑑賞後どうしても登場人物たちが頭から離れず、1週間後にまた観に行ったことを覚えている。
当時色々と悩んでいた私は、この映画を観て救われたし、勇気付けられたし、前に進む元気をもらった。
私のオールタイムベスト。
まだ観ていない方にも是非観て欲しい映画。
イーストウッドの遺書
ずっと観たつもりでいたけど観てなかった事に気づいて、今更ながらレンタルしてきた。
頑固なクソじじいとタオ族の若者の交流と伝承の物語で、ある意味とてもイーストウッドらしい作品だし、ウォルトとイーストウッドのシンクロっぷりを思えば遺書のような作品とも言えるかも。(その10年後に「運び屋」で更新されてる)
これまで彼が演じてきたキャラクターの“晩年”を思わせるウォルトのキャラ造形で、近年の作品と比べると饒舌かつストレートに心情を語ってるしね。
「許されざる者」で西部劇を終わらせたイーストウッドは、本作で地震の演じてきたキャラクターを総括してるように見えた。
車の出ない車映画。
最後にちょっとだけね、グラン・トリノが走るんですよ。
去っていく後ろ姿は、オーナーじゃなくて違う若者が乗ってんの。
お前の新しい人生を元気に生きてけよ、
取っておきの宝物をお前にやるからさ、
って、このプレゼント。
もらった物が大き過ぎだよ、監督。反則だよ。
あ、また涙が・・・
・・・・・・・・・・・
「若い頃からずっと人の命を奪いまくってきたダーティー・ハリー=イーストウッドの、最後の出演による贖罪の形」との評。これ、深いと思います。
イーストウッドの凄さ
これがイーストウッドの監督作品にどんハマりした原因の作品。人の心を描くのが上手すぎる。淡々と流れる日常からなんとなく感じる心の機微が人間ってこんなに不器用で美しいんだと改めて感じさせてくれます。
悲しくてほろ苦いんだけど、清々しい。イーストウッドの真骨頂です。涙もそら出るわ。
随所随所に現れる対比が好き いや、もっとこの感情を表現したいんやけ...
随所随所に現れる対比が好き
いや、もっとこの感情を表現したいんやけどなんか無理。感動とかじゃない、感動という言葉で感情を狭めたり閉じ込めたくない。
頑固ジジイの生と死
人種差別主義者の頑固爺さんが隣に住むアジア系のモン族の家族との関わりで徐々に変わっていく話。
.
この爺さん、ほんとに偏屈ジジイでアジア系なら中国人だろうと日本人だろうと関係ない。アメリカから出てけ。って感じのあぁこういう人がトランプの支持者なんだろうなと思わせる。
.
でも隣の住人と関わるうちにモン族の心の温かさを知って変わっていく。人種差別主義者の人ってもうこうやって違う人種と強制的に関わらせるしかないんだろうな。
.
ほんとに、顔だけ見て人種で判断するのは良くないよ。
.
後半の懺悔のシーンは、おじいにとって本当の懺悔は少年に向けて。その証拠に、少年に罪の告白をしてる時も教会同じようにあみあみになってる。
.
ホントの正義とは何かをちゃんと教えたじいちゃんカッコ良いよ。
グラン・トリノ
2021/06/09
2回目
1回目のコメントなし
第一印象で人を判断するのは
結構間違いが多くて
理解の心を持って付き合ってみると
命もはれる
関係になる
主人公が思い描いた結末ならば
カッコ良すぎる
イーストウッドの為に用意されたような脚本!
コワルスキーはイーストウッドの役者としてのイメージとまさにピッタリの役だった。が、こういった作品を主演して監督しよーと思うイーストウッド本人は、正反対の頭が柔らかく、器の大きな素晴らしい人間だと思う。
キャスティングも無名の俳優ばかり使って、日本の映画もちょっと見習って欲しい。
劇中のユーモア、最後の切ない終わりかた、グラントリノの使い方も、老いてもなおセンスが衰えない。
流石はオスカー2度の監督!
古き良きホワイトの生き様。と死に際。
頑固で老害なウォルトが、隣人タオとその家族のイザコザへ巻き込まれていくストーリー。
その中でもウォルト一家の息子たちとも家庭を巡り不仲になる中、奇しくもヴィンテージカーのグラン・トリノを盗もうとしたタオ家に本当の家族の居心地の良さを感じる。
そして、チャイニーズヤンキーのヤバさや、戦争上がりの老人のヤバさ、強さを垣間見た。力強さと言うのかな。
最後のウォルトの死に際は、男として天晴れで、やったらやり返される世界で、映画を観ている終盤で、これは誰が悪くて何をすればハッピーエンドなのか疑問に思っていたが、手ぶらで向かう潔さは、素晴らしく漢。
その死に際がカッコいいから、クリントイーストウッドはカッコいいんだよな。
全186件中、61~80件目を表示