ハピネス(2007)のレビュー・感想・評価
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前半が幸せだと悲劇が待ち受けるのは必然
『八月のクリスマス』『四月の雪』のホ・ジノ監督作品。
肝硬変のヨンスと肺の大部分を切除しているウニ。
この2人が山奥の療養所で出逢う。
始めはぎこちなかった2人だが、同じ療養所仲間達との交流等を通じて愛し合うようになる。
山道を歩く2人。
爽やかな一陣の風が山の木々をざわつかせキスをせがむ。
「さすが肝硬変。やるな!」
前半が幸せ過ぎた為に、後半に悲劇的な結末が待っているであろう…のは必然ではある。
だが映画を観ていると、元々都会の享楽を知っているヨンスだけに、誘惑に負けてしまい。○かれる結果になってしまうであろうと想像するのは容易い。
それは、だれあろうウニ自身が今後を予想し、楽しい筈の遊園地で涙を流す場面に象徴されています。
じっくりと2人の恋愛模様を描いていますが、所詮は自業自得の恋愛と云えなくは無いし、最後はホ・ジノ監督らしくあっさりと終わってしまう感じなので、韓流恋愛映画にありがちな“奇跡”の連発を望む人には合わないかも知れませんね。
(2008年10月6日シネマート六本木/シアター2)
“青い鳥”をさがしもとめて彡彡
作品としては
よくできているけど、
男だから我慢できたけど、
女性目線から見たら我慢できるのかなぁ・・・
上映終了直後、
わたしの前席に座っていた
熟年夫婦の御主人が「フェリーニの道だな」と呟いていました。
おそらくラストシーンのカット割りの構図のことだと、思われます。
さて本題。
韓国映画なので
唐突にカップルになってしまうのは許せます(苦笑)
ただ、女性の登場人物像が
男性から見た理想像に偏りすぎている気がしたのです。
・女性にはこうして欲しい
・こんな女性がいてくれたら幸せ
監督の願望が前面に押し出されている気がして違和感をぬぐえず、
本来であれば、涙を流すはずのクライマックスも、気持ち眼が潤んだだけでした。
◇ ◇
〈 生き尽くしたい 〉
〈 天才は努力家に勝てず、努力家は楽しむ人に勝てない 〉
作品タイトルどおり
“ハピネス=幸せの形”を
お客様にも考えてもらう、そんな作品でした。
エンディングでも明確な答えは提示されません。
あくまで作品は考えるキッカケにすぎず、作品を
踏まえたうえで、お客様もあなたにとっての幸せを
今一度、考えてみませんか?そんな作風になっています。
・今、この瞬間を楽しむこと
・未来(老後)の幸せな暮らしも思い描くこと
『僕の生きる道』(03)関西テレビ製作
草なぎくんが主演したDVDを購入してしまったほど
大好きなドラマですが、これは永遠のテーマでもあり、
切り口を変えれば、いくらでも作品を作ることができます。
“死”
“自分の居場所”
“隣の芝生は青い”
“幸せは人それぞれ。あなたにとっての幸せはなんですか”
偶然にも両作ともに、
余命いくばくもないにも関らず、
愛しあう男女が居を同じにします。
それは幸せを求めたヒトツの形。
ただ、今作に関していうと、
たった一人を残し、現在進行形の形で
幕を下ろしますので、誰一人として、
幸せを見つけられぬまま終わってしまった気がします。
ヨンスは、彼女ウニとの
約束を最後には守りますが、
ウニの晩節は決して幸せではなかったはずですから・・・。
◇ ◇
ヨンスとウニが
最初で最後の、遊園地で
デートをするシーンがあります。
病的にはしゃぐヨンスと、
それを眺めて涙を頬に伝わらせるウニ。
このシーンを観て
何も反応を示さない人がヨンス派、
涙を流さずには入られない人がウニ派でしょう。
小生は、
ヨンスに対し
「ウニの気持ちも考えてやれよ」と
憤りを覚え、ウニが流す涙に対しては、
あまりにも残酷すぎて、逆になにも反応できませんでした。
☆彡 ☆彡
映画に求めるものが
“観終わったあとの心地よさ”で
あれば、今作は、絶対にお薦めできません。
“人生におけるキッカケが欲しい”
そんな人にはあっているかもしれません。
秀作だろうけれども
秀作とは言い切れない。
なんだかとてももどかしい作品でした。
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