劇場公開日 2011年3月26日

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「切っても切れぬ家族の絆」ザ・ファイター 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5切っても切れぬ家族の絆

2012年12月2日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

実在のボクサー兄弟の伝記映画。
表向きはボクシング映画だが、実際はワケあり家族の物語。

ミッキー・ウォードは真面目で才能あるボクサー。が、一向に芽が出ないでいた。
ミッキーの周りが足を引っ張っていた。

マネージャーの母は試合のスケジュールもファイトマネーも独占。無茶な試合を組む時も。
父は存在感薄く、姉たちは超性悪軍団。
そして、兄のディッキー。ミッキーがボクサーを目指すきっかけとなった名ボクサーだったが、ヤクと過去の栄光に溺れ、落ちぶれた身。母も兄贔屓。

ミッキーはバーで働くシャーリーンと出会い、彼女の支えでボクサーとして再出発する。
が、気の強いシャーリーンはミッキーと家族を強引に離れさせようとする。

ミッキーにとっては家族もシャーリーンも必要な存在。
しかし、家族もシャーリーンも分かり合おうとせず、激しく衝突ばかりする。
ミッキーは常に板挟み。

そんな時、状況を打破したのが、ディッキー。
思わぬトラブルで入れられた刑務所内で、過去と悪循環を断ち切る決意をする。ヤクとも決別する。
喧嘩したミッキーとシャーリーンの中も取り繕う。
全ては弟の為に。自分が果たせなかった夢を果たそうとする弟の為に。
結束無くして夢は果たせない。
切っても切れぬ家族の絆。
決して美しい家族再生の物語ではないが、確かに新たな一歩を踏み出す家族の物語。

ボクシング・シーンは臨場感満点。
役者たちは皆、熱演。
中でも、兄ディッキーに扮するクリスチャン・ベールが圧巻。

近大