笑う警官のレビュー・感想・評価
全29件中、21~29件目を表示
良い原作が、ズタボロ・・・。悲しい。
佐々木譲原作の北海道警シリーズ第一弾。実際の北海道警裏金事件にインスピレーションを得て原作は描かれており、警察の奥底に巣食う暗部を描いている。元々は「うたう警官」と言うタイトルで原作は出版されていたが、映画化に際して原作の方も「笑う警官」に改題し、文庫化されている。ちなみに元々のタイトルの“うたう”とは、singのうたうではなく、話してしまう(この場合、裏金疑惑を暴露する意)と言う意味。
物凄く辛口です。
原作が面白かったので期待して行ったんですが・・・、完全に外されました。ガッカリです。
原作では、物語に起伏と緊迫感があり、次の展開が物凄く気になって次へ次へと読み進む勢いでしたが、映画化に際しての脚本化が良くなかったのか、話に起伏が無く、凡庸なストーリーになってしまっています。角川春樹氏が自ら脚本を手掛けたようですが、氏の無駄な(独りよがりの)ダンディズムが脚本に入り込んでしまっていて、折角の物語が残念な結果になってしまっています。ダンディズムを語るのは良いですが、他人(この場合は、映画の観客)を巻き込むのは止めて欲しい。
また、ラストの「BLACK BIRD」のシーンの意味が全くわかりません。あれは、何なんですかね? どういう意味? あと、日本映画なのに、エンドロールの文字が何故にローマ字表記? 角川氏の趣味ですか? 悪趣味です。
出演している俳優陣はそれなりにいい演技をしていますが、何か原作とは違う感じなんだよなぁ。佐伯も大森南朋と言う感じでは無いし、小島も松雪泰子のイメージでは全然無いんですが・・・。もっとも、そこはそれぞれに実力のある俳優達なので、演技そのものに問題は全くありません。問題があるとしたら、脚本です。
良い小説が、脚本次第で、良い映画にも、逆に、つまらない映画にもどちらにでも変わると言う事を示した作品だと思います。あんなに良かった原作が、ここまでズタボロになってしまって悲しいです。
女性でも楽しめる
ベストセラー小説の映画化で角川春樹が久しぶりにメガホンをとられたとう言う作品。
原作のファンだったので、東京国際映画祭で鑑賞しました。
俳優陣では、主人公の警部補・佐伯に大森南朋。全体的なクールな演技がかっこいい。
そして一番良かったのが、佐伯の仲間のら警官、小島を演じた松雪泰子。彼女もクールで頭がいい感じの警官を好演。
宮迫博之も良かった。
テンポも良く ストーリーも面白く大人の社会派映画で、本格的サスペンスです!
個人的な印象としては『消されたヘッドライン』 の邦画版と言った感じでした。
原作は警察の内部を鋭く描く作品で、かなり泥臭い部分も多いのですが、映画ではスタイリッシュなイメージが強かったです。
おそらく監督の意向もあったのかもしれませんが泥臭い演出の方が合っているように思えました。
劇中の曲はジャズが使われていて 音楽面でも 大人の世界を感じましたし、やはりお洒落な感じもあるので
女性でも楽しめる作品なのではないでしょうか?
結構楽しめてしまって、皆さんのコメントを見たらレビューが書けなくなりました。
元来角川春樹作品には、生理的に受け付けない小地蔵であります。『青い狼』では、日本語のセリフにヘキヘキとさせられました。
ところが本作では、冒頭のJAZZのテナーサックスの渋い響きに、すっかり酔いしれてしまって、魅入ってしまいました。
またラストでは事件の黒幕には、さらに黒幕がいたという意外性もあってなかなかいいかもと感じたのです。
比べているのが、テレビ朝日の土曜サスペンス劇場なんでレベルが低いのかも知れません。ともかく、レビューを書こうと思ってサイトの評価を調べてみるとどれもすこぶる辛辣で、評判が悪すぎます。
それで自分の映画を見る目に急に自身がなくなって、レビューが書けなくなりました。ぜひ皆さんもご覧になって、面白かったと感じた人からのご意見をお待ちしています。
きっと『ハゲタカ』を見て以来、大森南朋の渋さが気に入っているから、本作で余り違和感を感じなかったものと思います。確かに突っ込みどころ満載で、ト書きで説明してしまう作品ではありますが、大森が演じる佐伯の過去を引きずって、遠くを眺める姿。そして同じく過去を佐伯と共有していた津久井を演じた宮迫のシリアスな演技など、見せ場はあるのです。
女性刑事の小島のクレバーなところを松雪泰子がよく表現していました。小島が事件解決が安直すぎると直感する展開も、松雪の演技で説得力が出てきたと思います。
そして、小島と佐伯の関係も、クールな二人に相応しく、さりげなく小島が展望の利くオシャレなレストランに連れて行ってくれとお願いする形。それを受けて、普段笑わない佐伯が、小島の意図を読んで、思わず苦笑いするという描き方でした。
少なくとも、これまでの独善的な角川作品とは、少々変わってきて、エンタ志向で作られているという意図は読み取れました。
「スタイリッシュ」か「リアル」か
角川春樹監督は、「スタイリッシュ」か「リアル」か悩まれて、「スタイリッシュ」を選ばれたそう。
でも、私は「リアル」の方が良かったのではないかと思う。
実際に北海道警であった事件を発端としていると聞いていたので、期待していたのだけど、この不満足感はなんだろ。
どこに問題があったのかな~、と考えるに、脚本と監督かなと思う。
原作を読んでいないので、最初は緊張を持って見ていたけれど、中盤以降は何だか、ダラダラしてつまらなくなってきた。
テンポが悪いのね。
明朝10時まで、余す時間はそんなにないのに、何であんなにダラダラするんだろ。
それに、皆さんカッコつけすぎていた(スタイリッシュだから、仕方ないのかも)。
もっと、泥臭くて良いと思う。
序盤の登場キャストで、きっとこの人が「ワルね」と思ったら、その通りだったし。
その読みが、良い方へころぶも、悪い方へころぶも、監督の演出次第かな。
キーマンにお笑い芸人を選ぶのも、何だか変。
宮迫がヘタというのではなく、たくさんいる俳優さんの中から選んだ理理由を知りたい。
佐伯と津久井の過去の潜入捜査での、精神的痛みも、画面からはあまり伝わってこず、「インファナル・アフェア」のトニー・レオンを思い出しながらの鑑賞となった。
きっと、原作は面白いんだろうな~と思う。
収穫は、「ブラックバード」の店内が素敵なこと。
カメオ出演していたあの人の登場シーン。
ジャズィーな笑い
大森南朋はいい役者だと思う
TVだけど『ハゲタカ』はよかった。
松雪泰子も、破天荒な『DMC』や
『容疑者Xの献身』とかシリアスもいいのです。
しかしながら、
本作ではそれぞれの良い面がでていないのではないか。
大森にサックスを吹かせ、ジャズプレイヤーやらせて
ストーリー的には無駄で緊張感ないし
大事な信念もあまり見えない主人公に感じた
(組織に対する復習?正義感が大事?仲間が大事?)
松雪さんはヒロインなのに見せ場がない
すこしアタマがイイだけの役でしかない。
ストーリーは、悪者がどんどん変わっていくけど
必然性とか利害関係があまりしっかりしていない印象
また場面場面で音楽にジャズがかかるけどクドイし。
ジャズバー『ブラックバード』での場面は
スタイリッシュ(チラシでも本作の目指したものらしい)とは程遠く
仲間との演奏シーンや、『オールドパー』飲んでるマスターとか
20年前の美意識でしかないと思う。
いやシングルモルトでなくてもいいけどさ。
なんか、いいこと書いてないですが
最後の 方 まで、どう転ぶか分からず興味を惹かれ
観れたので飽きはしないのです。
……あ、あれ?
……ええと、おかしいな。
予告編は結構面白そうだったはずなんだけど。
原作を読んだ人に聞いてみたい。
本作の脚色は角川春樹その人が手掛けたようだが、この映画の台詞やキャラって、ホントに佐々木譲の原作通りなんだろうか?
警察組織内部の腐敗は他の映画でも何千回と扱われてきたテーマゆえ、新味が薄いのは仕方無い気もする。
だが、ベストセラー小説が元とは思えないほど、正義と不義、善と悪についての論じ方が薄っぺらいのは困りもの。
その単純さは『水戸黄門』並みだ(そういや悪党の笑い方も悪代官みたいだった)。
善悪の狭間で苦しむキャラもいるにはいるが、台詞にも見せ方にもヒネリが無いので葛藤がまるで伝わってこない。出演陣の演技も空回りっ放し。
「あいつが黒幕?!」とか「まさかそんな秘密が……」
みたいなシーンは幾つかあるのだが、そこにサスペンス映画的な爽快感やカタルシスといったものが、全くと言っていいほど無いのだ。これは原作ではなく、明らかに見せ方の問題かと。
ハードな雰囲気を出そうとして過度な演出を意図的に避けてるんだろうか?
いや、これは多分単純に……ごにょごにょ。
最後のシーンとジャズ音楽の使い方だけは好きかな
全29件中、21~29件目を表示