「結構楽しめてしまって、皆さんのコメントを見たらレビューが書けなくなりました。」笑う警官 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
結構楽しめてしまって、皆さんのコメントを見たらレビューが書けなくなりました。
元来角川春樹作品には、生理的に受け付けない小地蔵であります。『青い狼』では、日本語のセリフにヘキヘキとさせられました。
ところが本作では、冒頭のJAZZのテナーサックスの渋い響きに、すっかり酔いしれてしまって、魅入ってしまいました。
またラストでは事件の黒幕には、さらに黒幕がいたという意外性もあってなかなかいいかもと感じたのです。
比べているのが、テレビ朝日の土曜サスペンス劇場なんでレベルが低いのかも知れません。ともかく、レビューを書こうと思ってサイトの評価を調べてみるとどれもすこぶる辛辣で、評判が悪すぎます。
それで自分の映画を見る目に急に自身がなくなって、レビューが書けなくなりました。ぜひ皆さんもご覧になって、面白かったと感じた人からのご意見をお待ちしています。
きっと『ハゲタカ』を見て以来、大森南朋の渋さが気に入っているから、本作で余り違和感を感じなかったものと思います。確かに突っ込みどころ満載で、ト書きで説明してしまう作品ではありますが、大森が演じる佐伯の過去を引きずって、遠くを眺める姿。そして同じく過去を佐伯と共有していた津久井を演じた宮迫のシリアスな演技など、見せ場はあるのです。
女性刑事の小島のクレバーなところを松雪泰子がよく表現していました。小島が事件解決が安直すぎると直感する展開も、松雪の演技で説得力が出てきたと思います。
そして、小島と佐伯の関係も、クールな二人に相応しく、さりげなく小島が展望の利くオシャレなレストランに連れて行ってくれとお願いする形。それを受けて、普段笑わない佐伯が、小島の意図を読んで、思わず苦笑いするという描き方でした。
少なくとも、これまでの独善的な角川作品とは、少々変わってきて、エンタ志向で作られているという意図は読み取れました。