劇場公開日 2008年12月20日

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永遠のこどもたち : 映画評論・批評

2008年12月24日更新

2008年12月20日よりシネカノン有楽町1丁目、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにてロードショー

自身の過去に決着をつける鎮魂のファンタジー

スペインの海辺に立つ広大な屋敷を舞台に、ゴシックホラーの雰囲気を醸し出しながらも、観る者を欺くことに全精力を傾けた「シックス・センス」や「アザーズ」とは一線を画している。恐怖や衝撃は抑制され、製作を手掛けたギレルモ・デル・トロの悲劇的な色合いよりも、むしろ生の原点を幼児期に見出すスピルバーグの匂いさえ漂う魂の物語が、サスペンスフルに進行するのだ。

ヒロインは育った孤児院を買い取り、夫と命に限りある養子とともに暮らし始める。障害のある子たちの施設として屋敷を再建する目的があったのだが、奇妙な出来事が起こり始め、程なくして息子が姿を消してしまう。子供の失踪というモチーフは、往々にして親の行いへの報いとして生じる。本作でもヒロインの過去がすべての鍵を握っていた。我が子を必死に捜すプロセスは、やがて、封じ込めてきた彼女自身の苦い記憶を甦らせていく。

そして、心に刺さった棘を溶かす30年の時をかけた物語が明かされる。彼女の魂が安堵するとき、まるでネバーランドへ舞い戻ったウェンディを彷彿とさせる場面が登場する。息子が神隠しに遭うことを通して、大人になりたくてもなれなかった仲間たちの元へと還るのだ。なぜ、屋敷に戻ってきたのか。なぜ、薄幸な子供たちのために身を捧げる覚悟をしたのか。何気ない伏線が収斂していく脚本が素晴らしい。これは、心の奥深くへ分け入り、自身の過去に決着をつける鎮魂のファンタジーである。

清水節

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