「ベニチオ・デル・トロ、彼が目指したものとは」チェ 39歳 別れの手紙 カサキショーさんの映画レビュー(感想・評価)
ベニチオ・デル・トロ、彼が目指したものとは
ご存知、ベニチオ・デル・トロ演じるチェ・ゲバラの二部作目。
キューバ革命の成功に甘んじる事なく、チェが次に目指したのは
独裁政権下のボリビアでの革命運動。
たが、ボリビア共産党と共闘できないばかりか
民衆にも彼の革命活動は支持されない。
ボリビア政府は農民に対し既に、わずかばかりの農地開放を行い、
農民はその財産にしがみついていたから。
革命は単に貧しいぐらいのくすぶったパワー程度では
成就出来ない、革命は極貧のパワーから生まれるから。
それでも、他の国と比較し、
虐げられ搾取されているボリビアの人々を救おうと
彼は革命運動を続けるのだが、
肝心の民衆が望んでいなかったようだ。
ソダーバーグ監督は客観的事実を淡々と描き、
感情の押し付けを一切しない。
だから空回りするゲバラの志しが憐れなほど伝わってきた。
ドキュメント風のこの作品、
観ていて感動出来るような作品ではなかった。
ゲバラの生き方に興味がある人が、
息を潜めながら観る作品だ。
だが、それとて油断すると落ちてしまいかねない、
一見単調な、作品です。
これから観ようとする方を、覚悟してみてください。
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