それでも恋するバルセロナのレビュー・感想・評価
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Vicky Cristina Barcelona
豪華キャスト〜♡なんか不思議な感じの映画。ナレーションがあるのとかスペイン的な音楽とか。こんなだらしのない男なんて嫌だけど癖になるのはなんとなく分かっちゃう。笑
素敵女子。
スカーレット・ヨハンソンもペネロペ・クルスも素敵。 そっちに気がいってしまう映画だった。 あんな男性に出会ったら一瞬心は揺れるかもしれないけど、どうかな。 一緒に食事して観光するのは楽しそう。 スペインにいきたくなった!!
危険で甘く官能的な恋愛模様って・・・(女性向き)
作品評価はみて知っていたのですがこの作品は男性向きではありません。スペインのバルセロナを舞台に危険な魅力を持つ画家と精神分裂気味の元妻、奔放な生き方を好むアメリカ女性、安定した結婚を望むアメリカ女性とのある意味四角関係です。女性の目線で描かれているし、何といっても奔放な性へのためらいや憧れは正直男には??て感覚があります。絶世の美女3人(個人的にはレベッカ・ホールは微妙だが)と関係を持つハビエル・バルデムがうらやましすぎるって俗世間的な視線になってしまう・・・(実際にペネロペ・クルスと結婚して子供出来ちゃうし)まあ映画ってまさしく「夢見る」為にあるわけですからいいよなこいつって思って観てもいいかもしれません。それくらいペネロペ・クルスやスカーレット・ヨハンセンは美しく魅力的です。又、ストーリーや配役、映像、音楽は完ぺきです。監督が描きたいものが良く伝わってきます。何度も言いますが男性向けではありません。
思いのほか
面白かった。 ちょっと笑えたし、期待してなかった分良かった。 終わってそれで?って感想は有ったが。 これはペネロペクルス見たさに借りたのだが、いやはや、やはりペネロペクルスは絶世の美女である。
この高田純次やろ~
こんな高田純次みたいな親父がどうしてそんなにモテるんだよ~ 親父と尻軽美女軍団とのわけのわからんセックスのお話です 女性陣は美しいし、街並みも美しい 話の筋なんて別にまったくないに等しいので、 この美しさだけをお楽しみください。
今夜の私、どうかしてるわ
映画「それでも恋するバルセロナ」
(ウディ・アレン監督)から。
婚約者もいる真面目なビッキーと、
情熱的な恋を求める自由奔放なクリスティーナ。
親友同士の2人は、夏のバカンスを過ごすバルセロナで
魅力的な画家に出会い、それぞれ彼に惹かれていく。
この惹かれ方の違いが、私には面白かった。
正反対のような性格をもつ2人の女性なのに、
結局は、同じ男性を好きになっていくから不思議である。
気になる一言は、こんなプレーボーイみたいな男は、
私の大嫌いなタイプ・・と思っていながら、
一緒に楽しい時間を過ごしたことで、
婚約者がいることも忘れ、ワインを飲みながら呟く。
「今夜の私、どうかしてるわ」
ラブコメディなので、恋愛にまつわる台詞は溢れたが、
これが一番、インパクトがあったフレーズとなった。
よく耳にする台詞のような気がするが、
これを言われたら、男性はもう落ちたようなもの。
恋愛は「勝負パンツ」より「勝負セリフ」が大事。
覚えておいて、損はないと思うのだが・・。
恋に恋して・・・乙女の苦しみ
のっけからウッディ・アレン節が快調! テンポいい展開にワールドにすんなり入ってしまいます。 恋愛・結婚・キャリアetc...憧れたり、比べたり、妬んだり、迷ったり・・・幸せに貪欲な女性だったら一度は通ってきた道なんじゃないかな~と私は主人公達のどたばたに共感しました。 親友でありながらも心のどこかでは相手を牽制してたりね。それは自分の幸せに自信がないことの裏返しだったり・・・あるある! こういったすったもんだをやらかしながら成長したり自分の人生を見つめなおして大人になっていくんじゃないかな。 洗練されておしゃれな雰囲気のなかにもメッセージは伝わりましたよ。旅に出たくなりますね。 それにしてもペネロペはウザい役なのになんであんなに魅力的なんだ・・・ 結局ああいう女に男は弱いのか?
幸せな愛ってないの???
ウディ・アレンは三人三様の愛の形を見せてくれたが、どの愛も幸せじゃないのが気になった。ヴィッキーは奔放な愛にあこがれ、一時は満足感に浸ったけれど、結局何か違うと思って脱け出しちゃうし、マリアの愛は深く理解しあいながら、互いを傷つけずにはいられない破滅的な愛。クリスティーナの愛は、不安はないが、熱いものがなく物足りなさが感じられる。そんな3人から愛されてしまうファン。演じるハビエルはうらやましい役柄だが、フェロモンは感じられるけれど、私にはどうしても「ノーカントリー」のこわ~い殺人者のイメージが抜けきらなくて、魅力が感じられなかった。もう亡くなったが、スペイン人だったら、フラメンコ・ダンサーで映画「カルメン」他にも出ているアントニオ・ガデスだったら、納得なのだが・・・ ガウディの建物は前々から実物を見てみたいと思っていたが、バルセロナに行ってみたくなった。そして、私は安定した愛でも内側に情熱を秘めた愛を追及していきたいと思った。
物語はどこに?
ウディ・アレンの言葉のセンスは好きだし『アニー・ホール』は生涯No.1の映画だけど、これはおもしろくなかった。タイトルで言ったとおり、物語がどこにあるのかわからない。 アメリカ人女性2人が、スペインで魅力的な画家の男に出会い恋愛してグチャグチャなって、結局愛って難しいわねっていう話。それ以上でも以下でもないし、ただそれだけな感じで結末もよくわからなかった。どこに着地させたいの?何が言いたいの?というのがさっぱり。そもそも言いたいこととかなかったのか。 でもこのストーリーだって、もっていき方によってはもっとおもしろくなったのでは。というか、おもしろくなる芽を摘まれた感じ。何に?ナレーションに。あの手法はストーリーを途切れさせて、物語がどこにあるのかわからなくさせていた。斬新というより雑に映る。 しかし役者陣の演技はなかなか。特にオスカーを獲得したペネロペ・クルスはさすが。ちょっとイカれたアーティストの女を見事に表現していて迫力があった。 結局この作品をなぜおもしろくないと感じたかといえば、「バルセロナを舞台に芸術と愛の物語をつくりたい」という思いばかりが先走っているように感じたから。だから、それがやりたかったのだということはものすごく伝わった。でもそのために必要なストーリー、構成が未完成のまま作品として世に出てしまった感じ。それか、ウディ・アレンにとってはラフスケッチ程度のものだったのか。だから「ウディ・アレンが豪華俳優陣を従えてバルセロナを舞台に制作したラブストーリー」なんて肩肘張らずに観ずに、もっと楽な気分で観たら普通に楽しめたかな、とも思った。
スペイン観光推奨ムービー(それだけ)
これを見るとスペインに行きたくなる…ただそれだけの映画としか思えなかった。
確かに情熱的な恋が生まれそうなスペインの風景がもりだくさんだが、「スペインといえば情熱的な恋」というのは、「日本といえばサムライ・忍者」というのと同じくらい浅い先入観で、そのイメージだけで創られているように思えて薄っぺらく感じた。
「草食男子」が主流になりつつある今、ハビエル演じるファンみたいな肉食フェロモン男に女がこぞって惚れるって古臭い。その"魅力的な男"であるはずのファンもペネロペ演じるマリアのキャラに負けてるし。(ペネロペは良かった)
ハビエル・ペネロペ・スカヨハが倒錯した三角関係に陥るくだりは面白かったので、3Pのベッドシーンくらいあったら良かったのに、脱いだのはスカヨハだけというのも物足りない。
恋に暴走しようとしたヴィッキーがマリアにビビってあっさり元サヤに納まるズッコケなラストを見て、この映画はコントなのだと気付いた(笑)。
笑えないコメディ、非現実的なシリアスドラマ
この映画がもしコメディなら、全然笑えない。面白くもない。バルセロナからオビエドに向かう小型飛行機の映像はあまりにお粗末だし、単なる火薬のようなピストルの音も漫画チックだから、このシーンだけならコメディと言えなくもないが。 もしこの映画がシリアスなドラマなら、おおよそ現実味に欠ける。長年生きてきたけど、女をひっかけるのがこんなに簡単だとは知らなかったと皮肉るスペイン男のコメントが象徴するように、カリスマ画家の、それを取り巻く女たちの、そしてその周辺の人たちの節操のなさは一体なんだ。むやみやたらに男女や同性同士がくっつけばいいってもんじゃない。 結婚したばかりの女が、一度だけ関係をもったカリスマ画家に誘われる。そして、生娘のように外出着にあれこれと迷いながら身支度をする。このシーンは「優雅なハリネズミ」のルネを想起させて共感を呼ぶ。 「それでも恋するバルセロナ」という邦題はいい。だから、だまされる。
スリリングな恋バナ
自ブログより抜粋で。 -- さすがベテラン、アレン監督の熟練の技が冴え渡り、唐突な恋の始まりからしてそうなように、まるで先の読めない恋の行方がスリリングで面白かった。 まあ、むちゃな展開をすればするほど、落としどころは「おそらくそうなるだろうな」と予想したような終わり方だったけど。 ストレートなラブコメとはちょっと違う、ウィットに富んだ恋愛模様を、男の自分は怖いもの見たさ的に楽しんだけど、女性なら憧れるところがあるのかな? 女性映画で数々の秀作を送り出したアレン監督だけあって、登場する女性たちは皆ひと癖あるキャラクターだが、皆さん惚れ惚れするほどお美しい。 あと、スペインの街並みも、ここなら情熱的な恋も生まれるよと納得してしまうほどきらめいてるし、アカデミー賞助演女優賞を受賞したペネロペ・クルスの鬼気迫る演技がまた、誰が受賞したか知らずに観ても、このマリア役の人だろってわかるほど真に迫ってる。 結果がみえみえの恋愛成就ものには飽きたという女性にお勧めの、大人のための苦みの効いた楽しい恋愛映画の佳作といったところか。
それより懲りない夫婦喧嘩。
W・アレンの作品ならば、公開時に頑張って観なくても?
いつもの名画座に来るのは分かっているのだが…^^;
でも、やはりP・クルスがオスカーを獲った作品なので。。
とっとと観に行ってしまった。内容はいつも通り?の感じ。
もっとコメディ…だと思っていたので、期待とは違ったが。
最近ではニューヨークを飛び出して?いろんな処で、様々な
シチュエーションで映画を撮っている相変らず精力的な爺…
あ、監督ですが^^;70歳をとうに超えてなお恋愛映画を作る
のだから大したもん!お気に入りのスカヨハ嬢をしっかりと
主役に据えるも、脚本はスペイン女優のペネロペの為に書き、
オスカーを狙わせる。という見事な筋書き。
この監督なら獲れる!(って思ったかどうか分からないけど)
ペネロペはすっごく受賞したがっていたらしい…^^;
う~ん…。でもなぁ、私だったらこの作品より、彼女らしさを
抜群に描いてきたP・アルモドバル作品であげたかったなぁ。
今回の役でも精神分裂気味な演技が光っていたけど^^;
あのアイドル顔で、かなり深い精神的演技の出来る人なので、
アレンの軽妙感覚とは、ちょっと違う気がするのだが…。
まぁでも、獲れたのだからいいか。
彼女のことを絶世の美女!って劇中で元夫のハビエルさんは
言ってたけど、どう見てもそういうタイプではないと思うぞ~。
そして偉大なる鬘俳優(と勝手に名付けている私)のハビエル、
今回は地毛?でまったく普通の爽やかで厭らしい画家だった。
彼らがいくらどうゲージュツ家である。と言ったところで、
アレン映画の中でのことなので^^;ぜーんぜん真実味がない。
女をひっかける得意技はある!といっておこう。
スカヨハがまさか^^;の展開に陥る後半と、ペネロペが実は
公開できないほどの禁止用語を連発?しているまくし立て、
確かに観応えはあるけど、でもまぁ、ひと夏のおバカな経験。
夫婦喧嘩は犬どころか、だーれも食べたくなどないのだ。
(それでも懲りないのは、おそらく監督自身なんだろうな^^;)
ビジュアルでは大満足^^
この世の中、 男も女もいろ~んな人間が存在するわけで・・・ だもん!愛のかたちも皆それぞれ!!! 特にこれっ!ってなストーリーではないけど まぁ~こんな映画もたまにはいいじゃん♪ 私的には面白かったですね^^ なにしろキャストが豪華。 もう魅了されっぱなしの私(^o^) なんたって、同性からも憧れるスカーレットとペネロペ主演だもんね^^ これは観ないとモッタイナイ(笑) それにしても、セクシーで艶っぽいスカーレットでさえも エキゾチックなペネロペが登場したとたん! ただの単なる可愛い小娘に見えちゃったから、 ペネロペ・クルスって凄い存在!!! 自由奔放な生き方をしているクリスティーナと 堅実に生きようとするビッキー。 ビッキーの考え方や行動がイヤだなぁ~と思いつつ 私は断然!ビッキータイプだと思いながら観てました^^; こんな恋愛映画もあり!?かも・・・ 7月7日MOVIX伊勢崎にて観賞
いい女だなあ
「やっぱり、女は胸がデカくなければ!」
ふだんは特に思ってないけど。
スカーレット・ヨハンソンとペネロペ・クルスという、二大“ムネが大きくて美しい”女優の姿を見せつけられては、こう思わずにはいられない。
たんにムネが大きいだけじゃなくて、顔も全身も、すみずみまで女っぽい。
ああ、なんてきれいで素敵なんだろう、ふたりとも。
ウディ・アレンは、この美人ふたりをただただ見ていたかったから、この映画を撮ったんじゃ、ないの?
やっぱり、女優たるものは、演技力は当然としても、きれいでなければ!
ストーリーは軽くスピーディーに運ぶ。
根っから女好きの画家フアン・アントニオ(ハビエル・バルデム)が、アメリカから夏の休暇に訪れたふたりの大学生(スカーレット・ヨハンソンとレベッカ・ホール)をまとめて一度に口説く。
ふたりとも、スピードは違えど遊び人のフアン・アントニオの手中に堕ちる。
自由な恋愛を志向するクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)はすぐ彼といっしょに住み始め、慎重派のヴィッキー(レベッカ・ホール)は婚約者がいることで良心の呵責を覚えながらも、真面目で退屈な婚約者にはない、ワルの魅力を画家に感じずにはいられない。
ふたりの女性がそれぞれメロメロになっているところへ、画家の元妻マリア・エレーナ(ペネロペ・クルス)が、クリスティーナと同棲中の画家の家へ突然転がり込んでくる。
絵に描いたような三角関係となって険悪になったのもつかの間、恋敵であるはずのクリスティーナとマリア・エレーナはお互いの才能を認め合って意気投合し、穏やかな3人の同居が始まる。
しかしいつまでも蜜月は続かず、クリスティーナは自分の生き方を問い直し始め……という、まあよくある感じの、限られた場所・限られた期間で恋が錯綜する話だ。
たいしたテーマがあるようにも感じられず、こんな小品でペネロペ・クルスはよくアカデミー助演女優賞を獲得したなと思った。
期待したより出番が少ないし。
まああの女っぷりのよさは毎度ながらすばらしいが。
彼女は故国スペインの地に立ってこそ、したたるばかりの魅力をさらすことのできる人なのだ。
男に欲望されなければ、女としての価値などないわよ。
ペネロペの肢体と、劇中でクリスティーナの構えるカメラの前に立ったときの表情はそう語っている。
3人の女を次々とモノにしていくハビエル・バルデムのワルな魅力は、どうだろう?
ウディ・アレンは基本的に女優にしか興味のない監督だと思われるので、たしかにハビエル・バルデムは今までの出演作中ダントツの色男ぶりだけれど、いまひとつ存在に説得力がない。
どうして女はこの男にメロメロになっていくのか……セックスのよさを予感させるから?
でもあれは、ほぼ、気の持ち方次第だからね。
彼の口説き文句「寝てみれば自分のほんとの気持ちがわかる」ほど無意味な言葉はない。
なぜなら、女は、彼の演じるフアン・アントニオという男より、フアン・アントニオという「出来事」=シチュエーションでありオケージョンに触れたいのだから。
自分の欲望と交わるようなもの。
だから彼の元には、結局だれも残らない。
映画が空港で始まり空港で終わるのも象徴的だ。
空港は、到着と出発がたえずくり返されるが、そこへ降り立ち飛び立つ人の心境は、多くの場合まったく別ものになっている。
人は、人といっしょになることで、欠けていた部分を埋め、完璧に近くなれる。……と、思いこんでいる。
そんなにうまいこと、ジグソーパズルのように人が完成するなら楽なものだ。
人と関われば関わるほど、どんどんピースはぐちゃぐちゃになり収拾のつかない状態になっていくのに、「欠けていた部分をあなたが埋めてくれた。あなたがいるから、私は十全に生きられる」という幻想から抜け出せない。
登場人物たちの最大の愚は、自分のなかではなく、自分と関わり合った他人に、最後のピースを過剰に求めすぎているところだ。
全編にやたらと食事シーンが多く、そのわりには料理じたいはあまり映らず、ワイングラスばかりが強調されるカットに、彼らの愚かさや未完成な人間性が投影されているように思った。
でもべつに、愚かでかまわない。
ワイン飲んでセックス、いいじゃないの。
いつかは同じ空港から、飛び立っていくんだもの。
愚かさを肯定する視線があるから、見るほうも気持ちが軽い。
ジウリア・イ・ロス・テラリーニが歌う“バルセロナ”だけが耳に残る
どうということのない恋物語である。いまどき、この程度の三角関係や四角関係、そして同性愛ごときに魅了される人がいるのか? 女優3名による演技優勝決定戦は、まずスカーレット・ヨハンセンが棒立ちのままレベッカ・ホールに押し出される。そして、毒気の強い横綱ペネロペ・クルスがレベッカを難なく上手投げで堂々の優勝。土俵に取り残されたのは、色男の行司ハビエル・バルデムただ一人。想定外の恋なんてどこにもありゃしない。4人とも元の生活に戻っていくだけ。 ウッディ・アレンは、愛弟子を可愛がりつつも、たった一人の横綱に振り回される○○協会の理事長か? もっと熱い采配を期待したが何もなし。打ち出しのジウリア・イ・ロス・テラリーニが歌う“バルセロナ”だけが耳に残る。 スポーツ新聞の見出しよろしく巧かったのが邦題「それでも恋するバルセロナ」。原題よりもそそられるタイトルではないか。
本作の魅力は、予測不可能な恋の行方。その意外性には、スリリングさも感じて、女性の方なら、多いにときめきを感じられるでしょう。
小地蔵は『ノーカントリー』からハビエル・バルデム出演作を見ています。まぁひいきの俳優さんですね。ペネロペ・クルスは、『ボルベール〈帰郷〉』も見たけれど、あまりいい印象は持っていませんでした。 ところが本作では、アカデミー助演女優賞受賞取っただけに、二人のキャスティングはどんぴしゃり。 バルデムは、一見恋の達人のように振る舞いながら、元妻のマリアの前ではたじたじになるヤサ男ぶりを発揮。歯の浮くような口説き文句を連発しつつ、修羅場には、弱々しい男になってしまう変身ぶりが、これほど似合うヤツはいません。『コレラの時代の愛』でも決まっていましたね。 一方のペネロペは、情熱の余りに愛するフアンを罵倒し、殺しかねないくらいの狂おしさを実にうまく演じているのです。彼女の狂気が激しいほど、4角関係というあり得ない物語にリアルティが吹き込まれました。 本作の魅力は、予測不可能な恋の行方。独りの男に関わる3人の女性の話ときたら、誰でもかなりの修羅場を感じられるでしょう。ところが4角関係がパズルでも解くかのように、恋に時間差がついて、どの女性もそれなりにハッピーな時を過ごせる展開なんです。 その意外性には、スリリングさも感じて、女性の方なら、多いにときめきを感じられるでしょう。 だいたい冒頭からして、信じがたい始まり。クリスティーナとヴッキーはそれぞれに芸術的な目的をもってバルセロナの旅を楽しんでいる最中に、ある画家のパーティで見かけただけのフアンに、いきなり口説かれるのです。いきなり自家用機に乗って、旅をしないか。もちろんセックスもするよって。 目が点になる二人をよそに、今を楽しまなくちゃとあっけらかんとといってのけるフアンのセリフには驚きました。 だいたい普通の映画なら、ここで「ファックユー」と啖呵とともにヤサ男の股間を蹴り押して、そそくさと場をさるのが相場でしょう。 けれども、そこは好奇心旺盛なクリスティーナ。恋愛体質の自由人は、危険な香りのする恋に弱かったです。即答でフアンの誘惑にOKを出します。 それに対して、ヴッキーは婚約中の慎重派。 でもガウディを愛する彼女は、心の中では婚約者には感じないトキメキを求めていたのでした。二人の親友同士のキャラの違いがきっちり描かれて、分かりやすかったです。 さあここからは、アレン監督の『すんドめ』ぶりが発揮されます。 旅先で、フアンとクリスティーナとメイクラブを楽しもうとしたとき、ワインの飲ませすぎでクリスティーナは胃潰瘍を発症して入院してしまいます。ここ意外にも、あと少しで、ラブラブだったのにというシーンが随所に出てきて、見る者をヤキモキさせるのです。 この入院で生まれた2週間というブランクは、ヴッキーをトキメかす時間となりました。フアンを警戒するヴッキーでも、フアンの仕組んだ心憎い演出に、ついつい落城してしまうのです。そのふたりのロマンチックな一夜はぜひスクリーンでご覧になってください。 退院したクリスティーナがフアンに抱きつくところで、嫉妬深い目線を送るヴッキーが印象的でした。 クリスティーナとフアンは同棲するようになります、そこに元妻のマリアが登場して 二人の生活に割り込みます。 長くなったので省略しますが、この3人での生活も、あっと驚く睦まじさを見せます。信じがたいでしょ(^^ゞ フアンとマリアのような芸術コンビでは、自由と情熱がぶつかり合って主張し合う関係でも、クリスティーナという緩衝帯がいれば、うまく繋がっていけたのでした。なるほどと納得の設定でした。 でもラストは、少しあっけなかったですね。フアンとヴッキーが再接近するのですが、もう少し修羅場があっても良かったと思います。それで★一つ落としました。 ウッディ・アレンは、バルセロナをキャラクターの一人にしたような物語にしたいと思って、本作の脚本を書き下ろしたそうです。なので監督のバルセロナ・LOVEが一杯詰まっています。まるで元妻マリアのように、情熱的で艶やかで、時に危険な香りを放つ街の表情を随所に散りばめて、バルセロナの風貌が本作の独自なロマンチックさを煌びやかに作り出していました。 バックの音楽も、軽快でスリリングな恋の展開によく合っていました。日々の怠惰な生活から抜け出して、トキメキを求める人には必見ですよ!
ウッディ・アレンの洒脱な味の好きなヒトには
軽妙なタッチでありながら深刻なテーマを忍ばせている様に 見えたこの作品は、四人の魅力的な人物で構成されています。 中心にいるのは若いヴッキーとクリスティーナ。 演じるはレベッカ・ホールとスカーレット・ヨハンソンの 二人です。この二人を惑わすいけない大人は、 ハビエル・バルデムとペネロペ・クルスの スペインを代表する魅力的な役者です。 未熟で人生に悩む若い二人を円熟期に差しかかった 二人の大人が引っ掻き回します。 結果、ヴッキーは結婚したばかりだというのにあわや離婚 という決断を迫られます。 クリスティーナは三角関係での生活や同性愛も経験する事に。 だけど、そんな経験を踏みながらヒトは成長していくのでしょう。 欧米人は様々な経験を実践しながら自由を勝ち取っている、 ヤワな気持ちでは彼等に適わないということを妙に納得しながら 観ていました。 かなり重いテーマを力を抜いた軽妙なタッチで魅せてくれるのですが、 力投型のグイグイとおしてくる方が性に合うせいか、 軽い音楽に相俟って、はぐらかされているような気がして、 感情移入出来ませんでした。 ライト感覚で雰囲気を楽しめる人には、 良いかもしれません。
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