劇場公開日 2009年6月27日

  • 予告編を見る

「笑えないコメディ、非現実的なシリアスドラマ」それでも恋するバルセロナ アマポーラさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5笑えないコメディ、非現実的なシリアスドラマ

2010年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

この映画がもしコメディなら、全然笑えない。面白くもない。バルセロナからオビエドに向かう小型飛行機の映像はあまりにお粗末だし、単なる火薬のようなピストルの音も漫画チックだから、このシーンだけならコメディと言えなくもないが。
もしこの映画がシリアスなドラマなら、おおよそ現実味に欠ける。長年生きてきたけど、女をひっかけるのがこんなに簡単だとは知らなかったと皮肉るスペイン男のコメントが象徴するように、カリスマ画家の、それを取り巻く女たちの、そしてその周辺の人たちの節操のなさは一体なんだ。むやみやたらに男女や同性同士がくっつけばいいってもんじゃない。
結婚したばかりの女が、一度だけ関係をもったカリスマ画家に誘われる。そして、生娘のように外出着にあれこれと迷いながら身支度をする。このシーンは「優雅なハリネズミ」のルネを想起させて共感を呼ぶ。
「それでも恋するバルセロナ」という邦題はいい。だから、だまされる。

アマポーラ