「素晴らしいペネロペ・クルス」それでも恋するバルセロナ よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしいペネロペ・クルス
現代の映画の作り手の中でもこの人はファンの多いことでは有数の作家ではないだろうか。
初めてのウディ・アレン作品。恋愛やセックスの問題から自由になれない人々を軽妙に描く。セリフによって物語が進んでいくそのスタイルはあまり好きなタイプの映画ではないのだが、これはこれで楽しめた。
やはり最も印象的なのはペネロペ・クルスの存在感。自殺未遂で生死の境を彷徨った直後の暗い眼差しと、男一人女二人のバランスが取れ始めてからの生き生きと楽し気な表情への変貌。そして、ペドロ・アルモドバルの作品群と同様に、この人が出てくるだけで画面にはイベリア半島の土の香りと光が満ちているように感じられる。素晴らしい俳優だ。
おそらく、この作品もペネロペ・クルスが出ていなければ興味も湧かなかっただろうし、観ることもなかっただろう。
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