マイマイ新子と千年の魔法のレビュー・感想・評価
全6件を表示
切ないノスタルジック作品
昭和30年の山口県を見事に再現しており、さらに時を越え古代文明の真実を解き明かすロマン。
感受性豊で愛おしい女性の本心を素敵に表現する髙樹のぶ子さんの自伝的原作小説のアニメ化というだけでも興味深い。片渕須直監督がこだわって映画化してくれたことに感謝します。
この映画は、登場人物が映画の中で確かに生きていると思わせてくれる。ナチュラルな声で、癒やされるBGMとテーマソングなど耳にも心地良い作品でした。
女性視点の原作のアニメ化は片渕須直監督に任せたい。時代背景をしっかり調査して(出回っている情報は捏造だらけですから)本物を創ってくださるから。
期待造反理論だ。親分は親切でも、怖いオヤブンだ。
まぁ、仕方ないが『○なりの○トロ』をベースに『○垂○の墓』のキャラクターが演じて、サイドストーリーが『も○○け姫』だね。
それで『sing』でまとめちゃえば良かったのに。
反社会的勢力との交わりはいただけない。期待造反理論だ。親分は親切でもオヤブンだ。
1955年の1000年前と言うと、清少納言が966年生まれだから、まだ!生まれていない。それに、東北生まれで、京都までだと思う。兎に角、歴史を語るなら正確に。偏見に繋がってはいけない。まぁ、歴史があって羨ましいけど。
リバイバル上映で観ました。
事前にあまり大きな事件が起こらず、昭和30年頃の子供達の生活を描いたものだと聞いていたので、ちょっと驚きました。予想よりも深刻な事が起こり、ヤクザのところに殴り込みに行った場面では嗚咽してしまいました。
絵は全体的に「この世界の片隅に」と似ていて、姉妹作という感じでした。公開時にはあまりヒットしなかったとのことですが、宮崎駿に比べると、静かで重く、エンターテイメントさは少ないですね。
マイマイ探検隊。
マッドハウスが製作するアニメはなぜか評判がいい。
私もファンの一人だが、では何がそんなにいいのかと
聞かれると、うーん…普通っぽいからかしら^^;なんて
思ってしまうのだ。素朴すぎることなく、仰々しくもなく、
主人公の周りで起こる何とやら。の世界が主なのに
そこはかとない空想が広がるというか…たぶん大人を
そういう気持ちにさせる雰囲気がいつもあるのだろう。
そしておそらく我ら大人たちをターゲットにしている。
自分がその世代だろうと自負する私は^^;その世界が
かつて自分が置かれていた過去と重なって感慨深い。
「あ~やったやった、それ。」とか「懐かしいねぇ。」とか
いちいち心の中で闊歩している自分がいるのが面白い。
昭和30年頃の山口県が舞台というが、それより後の
私らの年代でも、多分ああいう遊びはやっていたぞ^^;
私もどちらかというと男遊びが(意味を間違えないでね)
好きだったので、やれ、川だ沼だ木登りだ、虫捕りだ、
探検隊、秘密基地、だーい好きだった。24色の色鉛筆、
私も憧れたなぁ^^;ク―ピーとかね。すぐ折れるんだけど。
川をせき止めてダム!やりましたよ~ハイハイ♪
そこへ魚やらザリガニやら放しましたよ~ハイハイ♪
なんなんだ、この話。懐かしすぎるじゃないか、オイ!
主人公の声を誰が演っているのか分からなかった。が、
福田麻由子だった!?上手い!ビックリした。声優並。
当時の方言をそのまんま出して喋るのは、ともすれば
すぐ若者に迎合するアニメを除外視しているかのようだ。
思えば唐突に始まる冒頭の描写もかなり変わっている。
あの頃…
オトナのもつ世界観がまるで分らなかった子供のように、
ところどころが聞きとれて、ところどころがおぼつかない、
それでもオトナに憧れて、いいオトナになりたいと願った。
先生も警察官もとっても偉いヒトに思えたあの頃。
少し大きくなって「TV三面記事」の恥辱ネタに仰天し^^;
なんだオトナって、けっこう汚いことしてるんじゃん!と
思っても、まだまだ…青い果実というか。(美化してます)
身も心も平和だったなーと今になって思ったりする。
今作を観て、子供って…あれでいいんだよな。と思う。
(わんぱくでもいいのだ。みんなハム食って大きくなれー)
「時をかける少女」「サマー・ウォーズ」に次ぐ傑作アニメ!
直木賞作家・高樹のぶ子さんの自伝的小説をアニメ化した作品。
山口県防府市に住む小学生・新子は、明るく元気でとても空想好きな女の子。
生え際につむじ(マイマイ)があり、前髪がピンッと跳ね上がっているのが悩み。
新子には元教師だった祖父がおり、祖父から昔話を聞いては、空想をして遊んでいる。
ある日、新子が通う小学校に転校生・貴井子がやってくる。
全く笑顔を見せない貴井子を新子は何とか笑わせようとする。
「青い麦の海」に貴井子を連れ出す新子、それをきっかけに次第に打ち解けていく二人。
学校の先生から聞いた、千年前にこの辺りに住んでいたという「諾子」(後の清少納言)というお姫様に思いを馳せる二人。
同じ年ぐらいの友達が居ない諾子の寂しさと、新子と貴井子の思いが呼び合うようにリンクしていくエピソードがとても良かったです。
クラスメイトと一緒に川をせき止めて作った池にある日金魚が紛れ込む。
「ひづる」と名づけ、皆で可愛がるが、あるきっかけで死んでしまう・・・。
また笑顔を見せなくなる貴井子・・・。
「明日も笑顔で遊ぼうね」という約束を交わした晩に起こったクラスメイトの少年の父親の自殺というショッキングな出来事、シビアな大人の事情に巻き込まれていく新子達。
新子と少年が父親が自殺したきっかけを作った「金髪の女」に会いに、歓楽街に向かうエピソード辺りから私はずっと泣きっぱなしでした。
ポスターを見る限り、子供向けな印象でしたが、どちらかと言えば大人の方がグッと来る内容かもしれません。
とにかく登場するキャラクターがとても生き生きとしていて、とても魅力的でした。
子供ならではの純粋さが瑞々しく描かれていて、感動しました。
新子の声を担当した福田麻由子ちゃんを初め、どのキャラクターの配役もぴったりハマっていて、とても良かったです。
コトリンゴが歌う主題歌も映画にとても合っていて、映画と共に心に残りました。
片淵監督自ら山口県防府市に出向き、当時の地図を手に入れ徹底的にロケハンをしたそうで、それがとても映画の中に生かされていました。
長閑で美しい防府市の風景に惹き込まれました。
映画に出てくる「青い麦の海」は、残念ながら現在では住宅地になっていて見れなかったそうで、その部分はあくまでも監督の想像だそうです。
試写会を開く度に「良い映画だと思うけど、一体どうやって宣伝していくの?」と言われると、上映後のトークショーで片淵監督も話されていましたが、派手さは無く、どちらかと言えば地味な作品で「サマーウォーズ」のように日テレがバックに付いている訳でもないので、ヒットは難しいのかもしれませんが、一人でも多くの人に観て欲しい傑作アニメです。
この映画の素晴らしさを文字で書くのはとても難しいです。
とにかく観て欲しいです!
懐かしくて切なくて暖かい、何とも言えない余韻が残る映画です。
それにしても「時をかける少女」といい「サマーウォーズ」といい、そして今回のこの作品といい、マッドハウスが作るアニメはとてもクオリティが高いですね。
全6件を表示