マイマイ新子と千年の魔法のレビュー・感想・評価
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「絵」は世界一。ジブリを遥かに凌ぐ。
「この世界の片隅に」を観てからこの映画を観た
多分、「この世界の片隅に」を好きになった人は、「マイマイ新子と千年の魔法」も好きになると思います。世界観がとても似てる。
まず何と言っても、この映画は映像(正確には映像というか絵なんですが)が凄い。
地平線の彼方まで一面敷き詰められた麦畑が風になびき、雲ひとつない青空に太陽、その中を子供が走ってる。合わせて曲が流れる。
それだけでこんなに凄い絵になるとは・・・。子供がただ遊んでるだけ。ただそれだけ。
この映画は最大の見せ場がそれである。面倒臭い説明は一切なし。もう引き込まれてる。日本のアニメは本当に凄い。
この映画、さらに一線を画するというか次元が違うというか、「絵」という点ではジブリ、押井守等を遥かに凌いでる。
ジブリ映画は、大人が観た子供の世界「子供の世界ってこんな感じでしょどうせ?(笑)」みたいな感じ。だから観てる側も、潜在的に内心こんなのあるわけねぇ(笑)って思っている。だからジブリ映画の絵は、どこか子供っぽくダサい。注)別に批判してるわけじゃなくて、この「マイマイ新子と千年の魔法」と比べたら子供っぽくダサいというだけです。私はジブリ大好きです。はい(笑)。
「マイマイ新子と千年の魔法」は、子供が観た子供の世界。とてもリアル。だからこそスタイリッシュ。「絵」はド田舎なのに、超カッコ良い(笑)。否、カッコ良いという表現は適切ではないか。生きてる。生々しい。本当にそこにあるみたい。畏敬の念すら抱く。言い過ぎか・・・。子供の映画なのに、子供っぽさが全然ない。こんなにスタイリッシュな「アニメ」を、私は今まで観たことがない。
押井守の「攻殻機動隊」みたいなハードボイルドアニメは、確かに「リアル」っぽく見えるけど、実際、あれは「リアル」っぽいだけで、「これが俺の考えたカッコイイ未来だぜ。カッコイイだろ。どう?」みたいな感じで、キザ、なところがダサく見える(笑)。注)攻殻機動隊みたいなハードボイルドアニメも私は好きです。
物語はオーソドックス。
普通に暮らしていた主人公が、汚く暗い大人の世界へ旅立ち戦い、ちょっと成長して帰ってくるという、良い話。
主人公は妄想好きの女の子。おじいさんから1000年前の昔話を聞かされ、いつも想像している。1000年前の人たちはどんなだったんだろう?
この映画も、昔の人を「想像する」ということから、まずは始まっている。想像力の尊さを教えられた。
(近年のARやVRは確かに凄いですが、人間の想像力が劣ってしまわないか不安だ)
じゃんけんもってすっちゃんほい
EDこどものせかいが超名曲。歌詞がリンクしてるだけじゃなくて、曲調で映画の中の美しい情景がゆっくりと思い出されてる。コトリンゴのセンスの真骨頂だなと思います。
笑って遊ぶ子供の世界のすぐ隣に大人の世界があって、ひづる先生が妻子持ちと恋愛してて幻滅したり、タツヨシの父が自殺したりと子供から見える世界はなんだか酷い。
大人の世界に新子とタツヨシの2人だけで足を踏み入れるところは良かった。ガス冷蔵庫なるものがあることをこの映画で初めて知りました。
昭和年代女子向け?
「この世界の片隅に」の前作はいかほどのものか?
と言うことで行ってきた(地元じゃないので長距離走行)。
お母さん方に受けがいいのか、親子連れが数組。子供は退屈そうな反応に見受けられた。
実際、昭和30~40年代に共感できる大人の女性向けな印象。
昭和40年男には微妙な感じに思えた。
背景描写は「この世界の片隅に」より濃密に描かれているようだ(原作の違いもあろうが)。
キャラクターと背景描写はバランスが良く、個人的にはアニメーション表現として最良と思われる(キャラクターの描写が平板なのに背景は超絶写真的表現とか・・・ちょっと、違和感を感じるので)
ストーリーは単調で、確かに流行らないかなと。
ラストはちょっと寂寥感が漂う。
ダムづくりは、なかなか楽しい・・・が、40~50年代だと、もう無理だったかも(近所の農家のおじさんに怒られそう)。
ウィスキーボンボンであんなに酔えたかな?と言う気も。
「大人の事情」が子供の口で語られるのが、もうちょっといい演出がなかったのか、とも思う。
片淵監督の名刺代わりの作品として良作と思えるが、作品単独で考えた場合、やはり商売的に厳しいと思われる。
ただ、忘れられていい作品とは思えない。
鑑賞した上映館は、北海道でも辺鄙な場所(失礼)で、この時期の上映に頭が下がる。
千年前も昔も今も、子供たちは一生懸命遊ぶ
著者・高樹のぶ子の少女時代をベースにした小説を、「この世界の片隅に」の片渕須直監督がアニメ映画化した2009年の作品。
昨年末、「この世界の片隅に」を観た後、本作も再見しようと思いつつ、今頃になってしまった。
公開時は全く話題にもならずヒットもしなかったが、観た人たちの間では熱心に支持された、隠れた秀作。
本作の評価の高さ、平凡な営みの尊さ、また、主人公の女の子の母親が生きた少し前の時代を想定したのが「この世界の片隅に」とも言われており、色んな意味で「この世界の片隅に」へと繋がった起点とも言える作品でもある。
昭和30年、山口県防府市。平安時代、この地は“周防の国”と呼ばれ、今も遺跡が発掘されている。
おでこのマイマイ(つむじ)がトレードマークの女の子、新子は、祖父からよく聞かされている千年前の町を空想しながら、毎日を明るく楽しく過ごしている。
そんな時、東京から転校生がやって来て…。
子供たちが元気いっぱいに遊ぶ姿や成長がストレートに描かれている。
引っ込み思案だった転校生・貴伊子だが、自由奔放な新子の影響を受け、すぐ打ち解け、皆で遊ぶ日々が平凡だけど何とかけがえのないものか。
子供視点の作品なので子供向けかと思いきや、大人の方こそ心に響く。
同時代、自然に溢れた田舎町で過ごした方が見れば、堪らなく郷愁を誘う筈。
皆で村中を冒険したり、池や川やダムを作っては、そこを子供たちだけの憩いの場にしたり…。
自分は町中で育ったが、それでもちょっとした原っぱや見慣れぬ場所なんかがあったりすると、ちょいと探険してみたり、駆け回ったり、泥だらけになって遊んだり…。
今じゃすっかりインドア派になっちまったが、昔は子供らしく遊んでたもんだ。
その頃の自分と重ね合わせ、すっかり懐かしい気分に浸ってしまう。
そんな無邪気な子供たちに暗い陰を落とすのが、大人たち。
新子らが通う小学校の保健のひづる先生。いい匂いのする美人で憧れの先生。
突然結婚で辞める事になるが、ある事情があって…。
新子ら遊び仲間の頼れる兄貴分・タツヨシ。タツヨシの父は警官で剣道の達人、皆から一目置かれている。
ある悲劇が起こり、さらにあらぬ噂が…。
毎日、また明日遊ぶ約束をする子供たち。
子供たちの明日が大人の不条理によって奪われようとする。
新子は言う。
私たちの明日を返して、と。
子供たちの今も、明日も、その時その時、一瞬。
それが奪われていい筈がない。
ユニークなのが、時折挿入される空想上の千年前の子供たち。
千年前でも、昔も、今も、子供たちは変わらないのだ。
一生懸命遊び、子供たちは成長していく。
温かみのある映像が美しく、音楽も心地よい。
子供たちの笑顔のような、ほっこりする余韻が続く。
防府市民は必見
まぼろし
少しでも気になるならば絶対に見ておくべき
正直、どう評価したらいいのかわからない作品である。
昨年にフィルムでのリバイバル上映を見たときには、丁寧に作られた映画であり、突き刺さる人には突き刺さるのだろうなとは思ったが、自分には特に感じる物はなかった。
しかし今回デジタルマスターでのリバイバル上映を見る機会を得て、なぜ泣いているのか自分でも説明がつかない涙が流れた。それは、この映画が子供時代を体験させるタイムマシンだから、大人になった自分からは失われた子供の価値観を復活させるからなのか。あるいは今自分が立っている世界は現代だけで存在するのではなく、過去の無数の人たちの営みが積み重なった世界であることを感じさせる映画だからなのか。それを知るにはもう何度か見る必要があるのかもしれない。
公開当時は興行的に惨敗しながらも、ファンと地元に愛され何年もの間上映され続け、7年の時を経てデジタルマスターが再作成された奇跡の映画。人を選ぶ映画であり、片渕監督の次作「この世界の片隅に」のような万人が傑作と評価する映画ではないが、奇跡のリバイバル上映が行われている今見ておかないと絶対に後悔するだろう。
リバイバル上映で観ました。
事前にあまり大きな事件が起こらず、昭和30年頃の子供達の生活を描いたものだと聞いていたので、ちょっと驚きました。予想よりも深刻な事が起こり、ヤクザのところに殴り込みに行った場面では嗚咽してしまいました。
絵は全体的に「この世界の片隅に」と似ていて、姉妹作という感じでした。公開時にはあまりヒットしなかったとのことですが、宮崎駿に比べると、静かで重く、エンターテイメントさは少ないですね。
明日の約束
なんか懐かしい
タカラモノ。。。いっぱい。
なぜ僕は泣いてしまうんだろうか?
マイマイ探検隊。
マッドハウスが製作するアニメはなぜか評判がいい。
私もファンの一人だが、では何がそんなにいいのかと
聞かれると、うーん…普通っぽいからかしら^^;なんて
思ってしまうのだ。素朴すぎることなく、仰々しくもなく、
主人公の周りで起こる何とやら。の世界が主なのに
そこはかとない空想が広がるというか…たぶん大人を
そういう気持ちにさせる雰囲気がいつもあるのだろう。
そしておそらく我ら大人たちをターゲットにしている。
自分がその世代だろうと自負する私は^^;その世界が
かつて自分が置かれていた過去と重なって感慨深い。
「あ~やったやった、それ。」とか「懐かしいねぇ。」とか
いちいち心の中で闊歩している自分がいるのが面白い。
昭和30年頃の山口県が舞台というが、それより後の
私らの年代でも、多分ああいう遊びはやっていたぞ^^;
私もどちらかというと男遊びが(意味を間違えないでね)
好きだったので、やれ、川だ沼だ木登りだ、虫捕りだ、
探検隊、秘密基地、だーい好きだった。24色の色鉛筆、
私も憧れたなぁ^^;ク―ピーとかね。すぐ折れるんだけど。
川をせき止めてダム!やりましたよ~ハイハイ♪
そこへ魚やらザリガニやら放しましたよ~ハイハイ♪
なんなんだ、この話。懐かしすぎるじゃないか、オイ!
主人公の声を誰が演っているのか分からなかった。が、
福田麻由子だった!?上手い!ビックリした。声優並。
当時の方言をそのまんま出して喋るのは、ともすれば
すぐ若者に迎合するアニメを除外視しているかのようだ。
思えば唐突に始まる冒頭の描写もかなり変わっている。
あの頃…
オトナのもつ世界観がまるで分らなかった子供のように、
ところどころが聞きとれて、ところどころがおぼつかない、
それでもオトナに憧れて、いいオトナになりたいと願った。
先生も警察官もとっても偉いヒトに思えたあの頃。
少し大きくなって「TV三面記事」の恥辱ネタに仰天し^^;
なんだオトナって、けっこう汚いことしてるんじゃん!と
思っても、まだまだ…青い果実というか。(美化してます)
身も心も平和だったなーと今になって思ったりする。
今作を観て、子供って…あれでいいんだよな。と思う。
(わんぱくでもいいのだ。みんなハム食って大きくなれー)
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