春琴抄のレビュー・感想・評価
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【耽美的且つマゾヒズムに近いまでの、若き女に、滅私奉公する若き男の姿。若き斎藤工の好演が光る作品。】
ー 谷崎純一郎の「春琴抄」は学生時代に読んだが、映像化作品を見ると、その耽美性、エロティシズム、マゾヒズムを感じてしまった作品。-
■明治初期、奉公人の佐助(斎藤工)は、大阪道修町の薬種商・鵙屋の次女で9歳の頃に失明した春琴(長澤奈央)の弟子兼世話役として過剰なほど献身的に奉公をしていた。
そんなある日、春琴の美貌を目当てに弟子入りした名家の息子・利太郎が春琴を口説こうとするのだが、ある日何物かに熱湯をかけられる。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・気難しく、気まぐれな春琴の呼びかけに”へえ”と言って口答え一つせずに、献身的に使える佐助の姿。
ー 春琴の湯あみの際には、身体の隅々まで黙々と洗い、寝た時に”足が冷たい”と言われれば、自身の肌に彼女の足裏を当てて、温める姿。-
・そして、春琴が火傷を顔に負った後に、観音様と慕って来た”彼女の顔を見ない!”と言う決意の元、焼いた針を両目に刺す佐助の姿。
<文章で読んでも、勿論なのだが映像で観ても、斎藤工の抑制した演技が奏功しているのだろう、その耽美性、エロティシズム、マゾヒズムを感じてしまった作品である。
盲目の二人が老年迄、共に暮らす姿を障子越しに声で描くラストも良い。>
鳥肌立った。
同じ原作で8度目の映画化らしい。
原作や、他の映画は見たことがなかった。
感動した。
てか、鳥肌が立った。
不気味で、少し眉をひそめるような感じも受けるけど、そのすべての深いところに愛を感じられて、素晴らしく温かみも感じられた。
斉藤工と長沢奈央。
この2人にしか作りだせない世界があった。
てか、この2人だからこそ作れた世界かも。
2人とも役者として意識してみるのは初めてだったんだけれど、
いい意味で期待を裏切ってくれた。
2人で作り出している世界を壊さずに、侵さずに、でもちゃんと存在感を
出してた松田悟志と沢木ルカの好演も良かった。
若さと才能をビシビシ感じられる作品だった。
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