「ごめんなさい、爆睡しました。」ウォッチメン あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
ごめんなさい、爆睡しました。
ダークナイト以降に登場したアメコミ作品ともなると、ここまでダークになるのでしょう。
テーマはとても高尚で「善悪」というものの定義をマクロにすると簡単な線引ができなくなるのね、というのが観終わっての感想。でも、そんな抽象的な次元を映像化しようとすると、エンターティメントとしてここまでつまらなくなるのかもと。。。
わたしたちがハリウッドのアメコミに期待するのは、複雑怪奇な世界の中で「それでも」と善良なる心を信じようとする力強いメッセージ。この作品みたいにあまりにも高尚に、そしてリアルに勧善懲悪でないメッセージを伝えてしまっては、まさしく本末転倒でしょう。
抽象概念をさばくことばかりに集中して、この映画にはわたしたちに親身になれる具体性が皆無に等しい。だから映画館を出ても、言いたい事は理解できるが、何一つ心に伝わってこない。
原作は80年代のアメコミなんですってね。キューバ危機、JFK、ベトナムを経験し傷ついていたアメリカが再生し始めた時代なのでしょう。では世界同時多発テロやイラク戦争は?この映画のラストは、それを自己正当化しようとしていると見えたのはわたくしだけなのでしょうか?
コメントする