劇場公開日 2009年3月28日

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「これはもう一つのアメリカ史」ウォッチメン カサキショーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0これはもう一つのアメリカ史

2009年4月19日
鑑賞方法:映画館

知的

評価は暫定でもうワンランクあげると思います。

難しい映画だという評判だけは聞いていたが、やっぱり難しかった。
何が難しいかといえば、本当のアメリカ現代史を知らないと本当の話なのかフィションなのか混同してしまい、何がなんだかわからなくなっちゃう事だろう。
「GOEMON」に出てくる歴史上の背景を我々日本人は知っているけれど、それを説明しないでアメリカでGOEMONを見せるようなものだ、と私は思う。
「ウォッチマン」とはアメリカの時の統治者、大統領に協力したアメリカにとってのマスクマンヒーロー達だ。ベトナム戦争の時など大統領に要請されて出動、アメリカは勝利をおさめた、だが、そんな彼らも、時には暴走し、「誰がウォッチマン」を見張るのだ、という民衆の声に、彼らを特別視しない法律が出来上がった、そんな架空の1980年代中頃がこの映画の背景にある。
今書いたこれだけのことを事前に知った後で、この映画を見ないと、この映画が発するメッセージは何なのかわからないままにほぼ三時間が過ぎていく。
ウォッチメンの一人コメディアンの死の謎をメンバーの一人ロールシャッハが追うという展開で進んでいくのだが、人物関係も複雑な上、メッセージが高尚で簡単ではない。「ヘルボーイ」の単純明快さが存在する一方で、勧善懲悪の無い「ウォッチメン」のような作品を生み出す幅の広さには恐れ入ってします。
ちなみに出演者の方々はどこかで見たことがあると思ったら、ロールシャッハもナイトオウルも「リトルチルドレン」にケイトと一緒に出ていました。特に、ナイトオウル役のパトリック・ウィルソンはケイトと激しい濡れ場を演じていましたが、今回もヒロイン役のコと激しい濡れ場を演じていて、きっとそんな役柄が上手なんでしょうね!、なんて、こんな余分事でも考えていないとオチそうになっちゃうものですから。

カサキショー