「マドンナはリアリストである」ワンダーラスト Johnnyさんの映画レビュー(感想・評価)
マドンナはリアリストである
映画は虚構であり,虚構はフィクションだが,マドンナは初監督作で現実を描いた。
リアルそのものである。
現実のなかで私達は,理想を夢見て生きているのだ。
現実はいつもつまらなく,ただそのなかで生かされているともいえる。
自分が生きる場所,すなわち理想にいる人達はほんの一握りではないか。
だが私達は理想を追い求めて生きている。
理想に辿り着くためには,いま生かされている現実を見直す必要がある。
ふと見つめ直してみるとこう思えるかもしれない。
私達の生きる場所はここなのではないかと。
理想を追い求めて生きている現実は,実は居心地がいいのかもしれない。
そう思えてくると,現実もあながち捨てたもんではない。
ホリー・ウェストン,ビッキーマクルアの生き生きとした演技が光った。
ユージン・ハッツは,この作品のなかの彼とゴーゴル・ボルデロのフロントマンとしての彼はほぼ変わりないのであろう。
とても魅力的な人間である。
マドンナ初監督作として,やはり粗削りな構成もあったが,内容は深く美しい。
次回作に期待を込めて,A-で。
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