アウトランダーのレビュー・感想・評価
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妄想を掻き立てられる映画です
主人公は異星人、常識で考えると人間そっくりの異星人が居る確率は無に近いのですから、普通はタイムスリップした未来人を使うところでしょう。なんでも地球は昔、植民地だったらしい、ひょっとすると我々は彼らの末裔かも、妙な装置を覗きこむと速攻で必要な知識が頭に叩き込まれるので地球人とのコミュニケーションに苦労はしないようだ。族長の娘は彼を神の使いと思い込む、見た目も食生活もまるで人間、おそらくあれも同じなのでしょう、この辺の前提に違和感があると成立しない映画でしょう。
お話はエイリアンものと中世のバイキングものを合体、エイリアンものも出尽くした感があるし銃器で倒せてしまうので中世を舞台としたのだろう。したがって主人公の銃は早々に紛失、唯一歯の立つ剣は宇宙船の残骸で工夫する凝った仕掛け。北欧神話のドラゴンの由来が宇宙渡来説という発想も面白い。
クリーチャーはコモドドラゴン風、普通は殺るか殺られるかの単純な関係性なのだが本作は妙にクリーチャーにも同情的、それは生息する星を異星人が侵略し殺戮、逆に彼らが襲われるのは因果応報、まして関係のない地球の住人まで巻き込んでしまったことに悩んでいるという設定も湿っぽくて珍しい。もしかしてその星は白亜紀の地球?、恐竜絶滅は隕石衝突ではなかったかも知れないと言うのは考え過ぎかしら・・、いろいろと妄想を掻き立てられる映画です。
アクションシーンは多めですが暗いシーンが多いのは粗隠しなのでしょう、パンの多用や手振れもあり見づらく下手な部類でしょう。
よそ者(アウトランダー)の彼が村人と打ち解けるのに盾乗りゲームという宴会芸を仕込むのはアナログ的で面白い、クリーチャーとの死闘にバイキングの族長の娘とのロマンス、村の孤児への慈しみなどを添えて既定路線とは言え、なかなか面白い作品に仕上がっていました。
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