ハート・ロッカーのレビュー・感想・評価
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絶対にあり得ない傑作だと思う。
有り余る飽食の国。
愛と自由と民主主義の国。
それがアメリカ合衆国。
彼らはなぜそこを離れ、アドレナリン垂れ流しの砂漠にいるのか?
それが理解できない。だから、数あるシリアルの中からどうでも良い物を選び、戦場に逃げ帰る。それが全く理解できなかった。
だが、しかし、それは演出家のデフォルメ的な狙いなのかもしれないと判断して、共感を示したいと思う。
グロく無くて良かった。それに、主人公の行動は絶対にあり得ない。しかし、
女性だからと言って、人道的で無くても良い。
かと言って、何が次に起こるのか?が気になって疲れてしまった。1時間15分くらいの話にしてもらえれば良かったかなぁ?
描くは地獄なのだから、もう少し早く綺麗な地獄を再現していれば、映像の面も映えたと思う。
おしい傑作だと思う。
原題 The Hurt Locker
製作年 2008年
製作国 アメリカ
劇場公開日 2010年3月6日
上映時間 131分
映倫区分 PG12
日常的な緊張感と恐怖でヒリヒリ
ドキュメンタリーよりも感情移入なく、淡々と伝わる無機質の緊張感。
世界の警察らしくイラクでも振る舞うけれど、現地の人々の冷めた視線や石つぶてに、兵隊の苦労と無名の英雄像が重なる。
国の妻子を置いて、なぜそこまで駆られるのか? 勲章ではなさそうだ。
見終わった後、疲れが残るので、調子が良い日にどうぞ。
イラク戦争渦中で活躍する天才爆発物処理員の苦悩と活躍、そして美化
2008年の映画。銃を使って命のやり取りをするような作品、主にスパイものが比較的好きなので(ジャック・ライアンやアメリカン・スナイパー等)、視聴を決めた。
内容は2004年のイラクバクダッド郊外で奮闘する爆弾処理班の日常を描いている。爆弾処理班にピントを当てた作品は見たことが無かったので(爆弾処理が話のクライマックスシーンで利用される作品ならスパイもの等で多数あると思うが)、新鮮だった。動きのない作品で退屈かもとも思っていたが、処理以外にも処理中の防衛やテロリストからの奇襲等もあり、終始緊迫感の漂う作品だった。
一言で結論を言うと、面白かった。作品内で数回描写される臨場感あふれる爆弾処理シーンや、テロに襲撃され味方を数人失いながらも撃退するシーンは退屈しなかった。ジェームズという天才肌で規律を無視した爆弾処理班班長の男が、サンボーンやエルドリッジと作戦の中で意思をぶつけ合い、徐々に対立から理解へと変わっていく様子が丁寧に描かれており、命を取られるかもしれない極限の現場で彼ら三人が状況に対応していく姿には強い共感を感じたし、ベッカムに対するジェームズの思いが垣間見れる展開からは、彼が子持ちなこともあるだろうが、彼も血肉の通った感情や正義感を持っていることをうまく表現できていた。
とはいったものの、最後の自宅に帰ったジェームズ、そしてまたイラクに爆弾処理班として再びイラクの郊外の道を歩んでいく背中の描写を見ていると、やっぱりプロパガンダ映画だな、と感じた。自分には、最後の描写がアメリカ国民に、戦争に派兵されることの正当性やカッコよさを印象づけているように感じたのだ。ググってみれば自分の直感的な視点とは違ってプロパガンダと言える理由を解説しているレビューも複数あるので、気になる人はググってみて欲しい。アバターと対比させて感じた人もいるようだ。そうは言ったが、自分はそもそもアメリカの戦争好きな所は嫌いでその影響を受けることは多分無いので、プロパガンダっぽい戦争映画をそうと思いつつ見ることにそこまでの躊躇は無い。そのような環境の中で足掻く市民の姿やそこで繰り広げられるアクションに興味を持っているからだ。
EOD( 爆発物処理班 )
イラク、バグダッド郊外で、肉体的にも精神的にも極限状態の過酷な任務を遂行するアメリカ軍爆発物処理班のリアルな映像が続く。
ただ、ただ、やるせない…。
BS-12を録画にて鑑賞 (字幕版)
何度も見返すシーン
★広いスーパーマーケットのシリアルのコーナーで立ち尽くすシーン
★家の屋根の雨どいの枯れ葉を素手で取るシーン
★赤ちゃんに心情を語りかけるシーン
→正義の無い無意味な戦争で800以上の爆弾処理をしているうちに、普通の幸せが幸せだと感じられなくなり、本当は人間として最大の恐怖であるはずの一瞬で死に至る爆弾処理の仕事へまた戻っていくラスト。爆弾処理へ向かう防護服の中の主人公の顔は満足げな笑顔だった。
War is a drug. 止められない止まらない。
ジェレミー・レナー、2018東京コミコン来日記念(見れなかったけど)ということで今月はジェレミー・レナーの出演作を色々観ていく題して1人で勝手に「ジェレミー・レナー強化月間」です。ジェレミー・レナーってアベンジャーズやミッション・インポッシブルで良く観ているのですが、それ以外では余り観てないんですよね。
という訳で第一回はジェレミー・レナーの名を一躍有名にした「ハート・ロッカー」です。イラク戦争時の爆弾処理班を描いています。アメリカがイラクへ「大量破壊兵器持ってるやろ」って因縁付けた戦争として、端からみるとロクでもない酷い戦争とわかるのですが、そんな戦争でも現場の兵士は命懸けだったんだなっと感じました。まぁ、多国籍軍の戦死者数約2万5千人に比べ民間死者数は10万人超えなんでイラク人にとっては本当に迷惑以外何物でもない戦争だった訳ですが・・・
しかし、本作のジェレミー・レナーは良かった!いつ爆発するかわからない緊張感の中、型破りな爆弾処理員ウィリアムを好演しています。ウィリアムのヒリヒリする状況じゃないと生きられなくなっている悲劇。ラストのアメリカのスーパーでのシリアルに呆然としてるシーンはどこかおかしくなってしまってるウィリアムを見事に表現していますね。
息子に大事な物は1つしか残っていないって語りかけたその1つは家族の事ではないでしょう。誰かがやんなきゃいけないからって自分に言い訳しながら実は戦場へ赴く事を願っている。最後の爆笑へ向かってる時の清々しい顔といったら!冒頭に出てくる戦争は麻薬だって言葉が全てを表しています。
ちなみにアンソニー・マッキーとジェレミー・レナーはアベンジャーズ繋がりですね。その他にもガイ・ピアーズがいたり、エヴァンジェリン・リリーが出てたりで後のマーベル俳優が不思議と揃ってます。
大げさなアクションは無くともリアルな戦争を感じる本作。アカデミー賞納得の作品でした。
最近の戦争映画ではピカイチ
アメリカンスナイパーに匹敵する出来である。
爆弾処理というのはとても危険な仕事だが、その処理に当たる隊員は
危険に当たって心拍数が下がり落ち着くという。
これは通常の生活を送る人間としてはいささか異常な話だ。
戦場ならではの空気感、異常が正常となり、ありとあらゆる良識は失せる。
人間爆弾が登場するシーンはこの映画屈指のシーンだ。子供の遺体を弄って
爆弾にしてしまったのだ。これを処理するに当たってさしもの主人公も苦悩する。ただ興味深いのはこれすら主人公が戦場を離れる理由にはなり得ないということである。他の隊員は終盤で、その弱さを終ぞ吐露する。しかし主人公は苦悩するものの、強烈に戦場に惹きつけられる。その業がまざまざと
映し出されている。
冒頭に戦争は麻薬であるという緒言が描かれるが
最後まで見終われば、なるほどその通りである。
個人的な感想メモ
まるでドキュメンタリーのようだった。ドキュメント系は個人的に途中で飽きてしまうことが多いんだけど、ストーリー性もあってアクションSFのようなドキドキさとは違い、臨場感たっぷりだった。
現地取材を元にしただけあって、イラクの状況、世界にはまだこんな地域もあるんだということがまじまじと実感させられた。
ジェレミー・レナー演じるジェームズは飄々としていていわゆる無鉄砲主人公キャラだと思ってたけど現地の子供が人間爆弾にされた時の悲痛な表情や、現状に対する思いとか弱さを見せるシーンは色々考えてしまった。今この瞬間にも兵士となっている人はいるだろうし、それこそいつ死ぬかもしれない人たちは実際にどう今を考え生きているのだろう……
戦争の中に立たされた一般市民の人たちも自国や米兵対してどういった感情を持っているにだろう……
アメリカだからやイスラームだからこうだとは一概に言えないし、一人ひとり様々なことを抱えていることをよく表してたと思う。
戦場でしか生きられない男の話
男映画なのに監督は女性。
とにかく、私は冒頭の10分が大好き。
最初の爆発、地面の砂利、
車の錆が浮かび上がる描写がすごくいい。
ガイピアーズのあっさり感もすごい。
終始、緊張感がある映画。
爆弾処理、敵の狙撃と、
息つく暇がない。
見てて喉が渇く。
そして、アメリカに帰った時の描写、
スーパーに並ぶシリアルの多さ、
右も左もずーっとシリアル。
それに戸惑い、
「子どもが欲しい」と、戦場から離れたいサンボーンと違い
戦場でしか生き甲斐を見つけられない
悲しい男の話。
ジェレミーレナーの不気味な感じが良く合ってる。
爆発の緊張感が凄い
爆弾処理班の軍曹ジェームスは、爆弾がいつ爆発するか分からない緊張感の中でしか生き甲斐や喜びを見出せない。ジェームスの爆弾に対する姿勢が緊張感を生み、同僚を危険にさらし、仲間とも毎日のようにぶつかる。爆発シーンはどれも衝撃的なモノになっていて緊張感を高める。
そんな中、ジェームスはDVDを売るベッカムと触れ合う。ジェームスが見せる唯一の人間味あるシーンだが、この出会いは裏目に出て、結果的には仲間を危機に陥れる事になってしまう。
perhaps Aiming at winning an Oscar?
It won an Oscar for best picture in 2010 and also the first woman to win an Oscar for Directing for this film. The time has come said the presenter before opening the envelope. Anyway the film is about the men who get rid of mines under the ground in some poor countries. I sort of wonder how come the digger doesn't care about the boy selling some dvds or books, one of which the digger bought for him, even he was temporarily looking for the boy... I pitied him a bit. They cannot completely bring peace to those countries and sometimes fail to save people holding some mines around their bodies, however without such those diggers, peace will never come. That's what I learnt in this film and came to realise how well off my county and me are. Have fun
爆弾処理班の主人公
最初はまさに戦争中毒者の雰囲気でしたが、解体がうまくいっても人が死んだり、上手くいかなかったり、いろんなものを超えて、主人公自体のテンションがどんどん落ちていくのが珍しいな〜と。人間的には成長してるけどね!
モロPTSDがきてる描写も凄いな。
離婚したけどまだ一緒に住んでる、奥さんは誠実な人。この台詞だけでも、子供が生まれたけど戦地に向かいたいという話の中で衝突して、そうまで言うなら夫の義務は俺は果たせないと告白して、でも奥さんはジェームズと共に生きたいけど重荷にはならないという奥さんなりのけじめがあったのかなあと想像できます。仲が良さそうでちゃんとパパと言ってるのに戦地の話になるとスルーしてるのがそんな感じかな?
お子さんに話しかけていた時の、大事なものが一つしか無くなってしまった、の台詞の内訳を語らないのが憎い〜。ガラクタになってしまったのは解体した起爆装置なのか、それとも家族?愛国心?
でも最後の任務シーンで厳しい表情をしていたので、最後に残ったものは快楽のためのものではないことを祈る!
細かい描写
こういう軍隊とかそういう映画になると戦争や戦い中心となる。だけれども爆弾処理班の映画だったからもあるけれども細かい描写が多かった。
まず始まってすぐの感想。ガイピアース殺しちゃうんだ笑 その後に代わりに入ってくるのがウィルジェームズ。ああいうキャラクター好き。慎重派とは言えないけど、今までたくさんの爆弾を解体してきて成功してきた。何にも恐れなく強く他人のことは気にしないように見えるが実は暖かい心を持っている。なんというか爆弾というものに愛着があるというかなんというか。難しい。
監督が女性だったからこそ細かいところまで表現できたと思う。爆弾処理班の映画というよりは、ウィリアムジェームズの伝記映画って感じだった。本当にいた人物ではないけれども。どうもジェレミーレナーが目立っていた。まあ主役だし。
余談
①マーベル作品に登場する人がたくさん。まずジェレミーレナー。そしてアンソニーマッキー(キャプテンアメリカ)、ガイピアース(アイアンマン3)、エバンジェリンリリー(アントマン)
②この映画のためにアカデミー賞に行くときジェレミーレナーはお金がなく家には水が通ってなくて、アカデミー賞に向かう前にスターバックスで歯を磨いて行ったそう。
戦争と爆弾テロ=危険とその中毒化
テロの本質とイラク治安の複雑化など社会性は全く描かれていなく、ただ治安不安定なイラクにおいて日常的に起きる爆弾テロを治めるため日々奮闘し、その危険が中毒化する爆弾処理班(班長:ジェレミー・レナー)を淡々と描かれている作品であった。
危険を楽しむかのように爆弾を処理していくジェレミー・レナーが、ただいかれている。
グロテスクな描写とハードを音楽性、たまに挟むスタイリッシュなカメラワークは息をのむ素晴らしい部分である。
だが最終的にこの作品が何を伝えたいのか主張性が物足りない。(アカデミー賞で作品賞を受賞したのは何故)
終わってみて伝わってきたのは…
1.戦場は危険
2.終わりのない戦い
3.誰が味方で敵なのか
4.イラクの状況
この作品を通じてイラク戦争の正当化を伝えたかったのか?それともアメリカ人は「偉い」「強い」「戦場で頑張ってる」とかって伝えたかったのか!?
ポータブルDVDによる車内鑑賞レビュー
今作は、冒頭に掲げた言葉、 「戦争は麻薬である」 を
セミマクロな “ヴィジュアル・インパクト” や
おぞましい “ストーリー・インパクト” を駆使して
多重的に訴えてきました。
そして、苛立ちを覚えた
「 “無駄な時間” を 時間を掛けて描く 」 ことや
ヌルイ と感じてしまった展開 こそが
【 ( 「戦争は麻薬である」 ことを訴求する ) 今作自体が、
観る者のモラルを壊していく 劇薬 】
であったことを、
深く、 にぶく、 訴えてきたのです。
このように、戦争の異常さを 「体感的」 に鑑賞者の精神に植込むという側面においては、
比類のない映像作品だった。
と、評価を致します。
映画史における 戦争モノ をステロタイプに言ってしまうと
■ 第二次世界大戦は、
“華やかな勝利” に沸き立って
「史上最大の作戦」 「ナバロンの要塞」 「バルジ大作戦」 などの、戦争スペクタクル というジャンルを創出。 愛国心を煽って、高揚感をもたらしました。
( しかし、 1953年 の段階で 第2次世界大戦の戦勝国でありながら、
軍隊内のモラル崩壊を訴求してきた 「地上より永遠に」 という先駆的な
作品があったことを追記しておきます。 )
■ ベトナム戦争は
“泥沼の末の撤退” の汚辱を受けて
「ディアハンター」 や 「地獄の黙示録」 「プラトーン」 等のビッグネームによって
阿鼻叫喚の中での “精神崩壊” が盛んに訴求されました。
■ この流れを汲んで今作が捉えた、イラク戦争映画というものは
“戦争後の、自爆をも視野に入れたテロ攻撃”
を受けての
“自我の変質” や “性格の急変”
という
「 人格変容 」
が訴求された。
と受け取ったのです。
ここには、第2次世界大戦における輝かしき “勝利の興奮” の 華々しさ や、
ベトナム戦争における エキセントリックな “精神崩壊” という毒々しさもありません。
直接的な戦いが比較的短期間に終結。 しかし、その後の
“自爆をも視野に入れたテロ攻撃”
に晒された結果の、
“自我の変質” や “性格の急変”
という
地味な、
「 人格変容 」
に見舞われただけ
だったのです。
しかし、今作において一番興味深く感じたのは、 この
「 人格変容 」 は
“映画の中の人間” のみならず、それを見ている
“映画の外の人間” をも、
蝕んでいったことだったのです。
今作はしょっぱなから、「地獄の黙示録」 における “ワルキューレのヘリコプター攻撃” のシーンが展開されていきました。
所謂、
“ヴィジュアル的訴求点” として、
予告編で多用されるシーンなのですが、
今作はその “ヴィジュアル的訴求点” を
開始早々に
使い果たしてしまったのです。
通常であれば、このようなマーケティング的に重要なアイキャッチは、
練りに練って、中盤以降に登場させてくるものなのですが 、
開始早々に
気前良く放出してしまったところに、
まず、 ボクは興味を持ったのです。
“ヴィジュアル的訴求点” を使い果たしてしまい、今後、この場面を越えるモノ を提供することができるのだろうか? それとも、 この場面を越えるモノ を用意することが出来ずに、
寂しいクライマックスを迎えてしまうのか?
そんなところを注目していきたい、
と思ったのです。
しかし、今作の “ヴィジュアル的訴求点” そのものは、大変素晴らしい出来となっていました。
町に仕掛けられた爆弾が爆発して生じる 強い衝撃 を
セミマクロ的な視角において
スローモーションで表現してきたのです。
【 地面の小さな砂利が強力な振動によって、10cmほどジャンプをし、
道端に打ち捨てられた自動車の残骸に付着していた錆が、
振動によって空気中に拡散していった 】
のです。
文章に書くと、本当にこれが “ヴィジュアル訴求点” なの?
と思われるかもしれませんが、この一連のカットこそが、予告編に多用され、
そして、ボクに大きな映画的興奮をもたらしたシークエンスに違いなかったのです。
決定的瞬間をスローモーションで訴求する演出と言えば、往年の巨匠、サム・ペキンパー監督を思い出す方もいるでしょう。 彼の表現と比べながら、今作の特徴点を説明してみたいと思います。
往年の名監督、サム・ペキンパーによる作品は、暴力や破壊の瞬間をまっ正面からスローモーションで捉え、 今までの状態から 崩れて変容・変質していく様に、
ある種の ダイナミズム や 美しさ
を感じとれる作風でした。
一方の今作は、同様に ダイナミズム や 美しさ を感じとれるカットはありますが、
ペキンパー流スローモーション術とは、
だいぶ、趣きを異にしていたのです。
サム・ペキンパーの興味の対象は 力 を加えられたことによって変容していく、
“力の作用点”
である。
と理解しているのですが、
今作における キャサリン・ビグロー監督の目線はそれとは違っていたのです。
彼女の興味点は、
“力の攻撃目標”
ではなく、
近くに居たというだけで、その力を被り、変容・変質してしまう
“傍観者への影響”
だったのです。
( この時点で気軽に “傍観者への影響” という言葉を使ったのですが、
後ほど、この言葉の本当の意味を知ることになるのです。 )
“傍観者への影響”
それが
【 地面の砂利が “力の影響” によって10cmも飛び上がり、
自動車の残骸の錆が “力の影響” によって空中に浮遊するさま 】
であったのです。
そして、往年の巨匠との表現比較において、
被写体との撮影距離 や
被写体のスケール感 が
全く違うことも、特筆するべきことだと感じたのです。
今作は、
セミマクロ的な、
視線を狭く限定した画角の中で、
人を殺傷してしまうほどの大きな
爆発の威力
を語ってきたのです。
砂利の一粒、ましてや錆の粒子に目を向けると、極小なマクロ域において、とてつもなく大きな威力を語ってくるところに、サム・ペキンパーの時代とは違う、
現代の表現が
ここにある。
と感じたのです。
きっと 肉食系サム・ペキンパー監督がこの場面の演出をするとしたのなら、爆発の威力で飛ばされる軍曹をアングルを違えて、何度もスローモーションで映し出してきたことでしょう。
制限文字数では語り切れず。完成版はこちら
↓
http(ダブルコロン)//ouiaojg8.blog56.fc2.com/blog-entry-104.html
「どうする?」「自分で判断しろ」「撃つか?」「自分で決めろ」
映画「ハート・ロッカー」(キャスリン・ビグロー監督)から。
イラク戦争のバクダットでの爆弾処理班、
戦争が終結した地の地雷処理とは違い、
現在、戦争中の中、テロの可能性も高く、映画と知りつつも、
2時間以上、銃口を突きつけられていた緊張感があり、
鑑賞途中で、気分が悪くなり吐きそうだった。
「戦争は麻薬である」の言葉に頷き、
「イラクに来たってことは死ぬってことだ」で納得した。
「死ぬなら、気持ちよく死にたい」・・そう呟く主人公、
本当にそんな気持ちになれるのだろうか、と我に返る。
メモする言葉は少なかったが、緊迫した会話に、
これは映画なのか?という疑問が浮かぶほどだった。
戦場でも指示を出す立場の人はいるが、
その指示を待っていては殺されることを、みんなが知っている。
「どうする?」「自分で判断しろ」
「撃つか?」「自分で決めろ」
厳しい言葉が飛び交うが、それこそ戦場の会話である。
しかし、我々の職場だって戦場といえなくはない。
この緊張感、私にとって初体験であったが、
戦争の映画、やっぱり観るのはやめようっと。
リアルな戦争の「今」
戦争というものの「今」を写し出している。
よくある戦争映画ではなく、爆発物処理班という特殊な兵士に焦点を当て戦争が人に及ぼすものを描いた作品。
命を賭けて爆発物処理というスリルを味わいそしてそれにハマって行く様に人の本当の恐ろしさを感じた。
兵士が楽しそうに戦争ゲームをしているシーン、処理班の敵は民間人であること、リアルなイラクとアメリカの今を知ることが出来た。
ただ、全体を通して内容が難解で冒頭のシーンで出る「戦争は麻薬だ。」と言うメッセージが無ければ映画のテーマが伝わらないと思う。
第9地区より・・・
第9地区より・・・
リアリティを感じない。
多分、日本人だから。
爆弾処理はハラハラするから、
それを続ければ・・・そりゃそれっぽくなる。
そして、最近名作と言われる作品は
必ず舌足らずな部分を残す。
ただでさえ他人事なのに、これじゃ成り立たない。
ただ、
映画の中での人間達が生きていることを
淡々と描いているから
世界に入っていける。
いい意味で、ドキュメンタリーに感じる。
だから、これが現実なんだと突き付けられる。
けど、実際がどうなのかを知らない。
だから迷ったまま終わってしまう。
これが自衛隊の話なら・・・
・・・それはそれで密着取材のように感じてしまうのかな?
もっと、大嘘っぽく描いてくれれば映画として楽しめるのかな。
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