ハート・ロッカーのレビュー・感想・評価
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●職業に貴賤なし。というけれど。
分厚い防護服。えっでも素手なの? そうか。人が解体するんだね。爆弾を。
そして緊張感でヒリヒリする。あっという間に心は かの地に連れて行かれる。
紛争地の日常がまざまざと描き出される。「アメリカン・スナイパー」もそうだけれど、これが戦争なのだ。現場に出たら生きるか死ぬか。そうかと思えば現地の子供とのたわいない会話もある。大上段からの加害者vs被害者の構図ではない。彼らの職場は戦地なのだ。格差社会でも稼げる職業。
悲しいかな戦地には中毒性がある。生きている実感が得られるというか、やりがいがあるというか、圧倒的に必要とされるから、彼らは再び戦地に向かうのかもしれない。先進国が軍備増強をやめないのは、もちろん対テロもあるが、裏側のこうした側面もあるからなのかもしれないと思い知らされる。
「大人になると、あんなに好きだったものが特別でなくなる。特別なものは1つくらいだ。」
アメリカのスーパーに並ぶ膨大な種類と数のシリアルたち。彼らの職場とのギャップを思うと、なんともやりきれない。
AIはじめ、人類の科学技術はものすごい勢いで発達していて、機械が爆弾解体できる日はそう遠くないかもしれない。でも、ホントはこんな仕事なくなった方がいいに決まってる。そんな日が早く来るように、人類はソフト面でも進化が必要だ。
戦争の意味
最近戦争映画を見るようになった。
今作で気づかされたのは、戦争にたいする考え方が日本とアメリカでは本当に違うのだということ。
日本では戦争は絶対的な悪とされ、兵士と言う職業は生と死を分ける仕事で他の職業とは大きな差がある。しかし、アメリカ人はそうは思っていないのかもしれない。肉体労働の最強版ぐらいの立ち位置なのかもしれない。アメリカンスナイパーで戦地から帰国した兵士たちがPTSDに悩まされ自殺する人がたくさんいるということを知ったが、それもビジネスマンで働き過ぎや職場環境のストレスで鬱病になり自殺する人と同じくらいに考えているのかもしれない。
しかし、よくよく考えてみると、学歴がないと経済的に成功することが難しい日本では勉強が得意な人にっとてみれば優位かもしれないが、運動神経がよく勉強が嫌いな人にとっては絶望的な世界なのだろう。
戦場で必要とされる人物というのは、厳しい訓練を乗り越えられ、上下関係が得意で、勇気がある人だ。ほら、たくさんいそうである。そういう人たちが戦場で成果を挙げれば、学歴がなくても国の英雄になれたり、そこそこいい暮らしが送れたりするのである。
この映画でも描かれているように戦争というのは敵国の人間を殺すだけでなく、救いもする。命のリスクを冒してまで救うのだから真剣に感謝される。感謝された時の高揚感、自分が誰か(国)のために役立っているという必要とされているんだと感じる気持ち。爆弾を処理すればするほど、周りから賞賛された時の嬉しさ。それらの気持ちが兵士を戦場に呼び戻し続けるのだろう。
もし戦争がアメリカから消えたら、彼らはどうなるのだろうか。どこに生きがいを見出すのだろうか。見出せられるのだろうか。世界は平和に果たしてなるのだろうか。戦争がなくなったらこの世界はどうなるのだろうか。
戦争ジャンキー
誰だって自分の必要性を感じ力を発揮して評価される場所を見つけて留まりたい。
が、生死に関わる場所に好んで行くかドウか?
自信しかなかった主人公が滑稽にもラストは逞しく再度 戦場へ。
家族を守る普通の生活より生死が問われる戦場に寧ろ好んで行ってしまう彼は正常なのか!?
イラクの市民がテロ行為を行い、 そのテロからイラクの他の市民のため...
イラクの市民がテロ行為を行い、
そのテロからイラクの他の市民のためにアメリカ兵が、
命をかけて守る。
すべてが矛盾していて悲しくなった。
商業主義の権化
派手な演出、エグい画、起伏の激しい展開、
そしてアメリカの正義を高らかに主張する対テロ戦映画。
アカデミー賞を目標に作られたんだろうなという内容。
演出や表現の手法がとても高度で、内容関係なしに生理的に反応してしまう。
アクション物としては秀逸だと思う。
一方で、戦争を題材にしてはいるが、
両陣営の文化の違いや政治、宗教観などはろくに描かれない。
心情描写も、派手な演出でゴリ押ししているだけで、
一般人が戦争災害として適当に思い描ける程度の描写しかなく雑。
ようは化学調味料をしこたまぶち込んだラーメンのような内容なので
そういうものとして出されればそれはそれで美味しいのだが、
なんかそこを隠して三ツ星料理に見せかけようとしているというか
高尚な社会派映画を気取っているらしいのが妙に癪に障る映画。
賞狙いの作品?
面白いし、社会的メッセージも強い。 間違いなく面白い!!
特に、脚本というか、構成というか、細部にまでこだわって作った感がある。完全にアカデミー賞を狙って作った、賞取り様作品だな、と思った。
傑作。
先日「アメリカン・スナイパー」を鑑賞し、今作が無性に観たくなりレンタル再鑑賞。
ジェームズの危険を顧みない行動、爆発物処理の緊張感と緊迫感、爆発物や任務中に起きる突然の死の恐怖…。さすが多くの賞を受賞した作品。再見と言えども重厚で見応えありました。
ジェームズが我が子に語りかけてる言葉がラストシーンにダブって切なく感じる。そう感じさせるジェレミー・レナーの演技も素晴らしかった。良作です。
傑作
傑作だろ。アメリカ兵士の中東での過酷な任務を描く。好きで行ってると書いてるかたいるが違うだろ。過酷な任務しつつわずかな家族との時間。スーパーシーンぎこちないように感じられるはこれは長い時間スーパーに行かないからやな。アメリカ兵士は家族だ。
視点は新しいが
最近のイスラム圏での戦闘、特に爆弾処理班にスポットを当てているところが新しい戦争映画。荒い映像がリアリティを出しているものの、兵士の日常を淡々と描き切れずエピソードの個々は悪くないと感じたが全体として冗長。
期待してただけに…
もっと戦争で狂って行く様を見せてくれるのかと思っていたけど、淡々と戦争の日々をやられて、戦争なんだからキツイのは分かってるよ、精神削って大変なのはもう分かったよ。と後半飽きてしまった。最初の「戦争は麻薬だ」の言葉に集約されてると思うのだけど、それには帰還して幸せな日々が待ってるのに戦場に戻る様をもっと見せて欲しかった。
僕には帰還しても初めから居場所がないから戦場にいる人。あ、でもそういう意味では戦争は麻薬って事か。
とにかく主人公が戦場が居心地良さそうで感情移入は出来なかった。
戦争とは誰の為のものなのだろう?
戦争における爆弾処理の男の話。
よくある戦争物とは確実に一線を画す本作は、戦争の意味や人間の本質を映し出す。これはヒューマンドラマであり、時代に一つのメッセージを照らす映画だ。
緊張感ある戦争リアリティ映画
直近の湾岸戦争(イラクの油強奪戦)の話。
第二次大戦のドイツやっつけ映画やベトナム戦争のリアリティ映画は多く作られ名作も多いが、直近の戦争なので若い人らはこっちの方がわかりやすいかな?
最近公開のアメリカンスナイパーの元になったような話。 違いがわからない。爆弾処理班かスナイパーかの違い。
ベトナム戦争映画みたいな衝撃やグロさが無いのは、デジタル戦争で、モニター越しに空爆したりゲーム感覚な現代戦のせいかな。
いつ爆発するかスリルがあって心臓に悪い。
イラクの兵士と市民の置かれた状況の疑似体験をさせてくれる
総合80点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:95点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
イラクの治安維持は、誰が敵で誰が市民か判断が出来ず、いつどこから攻撃されるかわからないという不気味さがある。まるでドキュメンタリー作品のような現実感があって緊張感の張り詰める現場の雰囲気が伝わってくる。与えられた役割や義務を無視した主人公のとる勝手な行動には実際の戦争経験者からの批判もあるようだが、とにかくこれだけイラクにおける米軍の行動に肉薄した質感が素晴らしい仕上がり。「ブラックホーク・ダウン」ほどの派手さはないが、真剣な演出はそれによく似ている。それなのに、この映画はわずか1500万ドルの低予算で制作されたというのだから驚くばかりだ。
物語は一応危険に対する中毒ということが取り上げられてはいるものの、日々危険に直面する兵士の姿をひたすら描くだけで大きな流れはない。しかしそれがイラク市民と米軍兵士の置かれた状況の一端をイラクにいない視聴者にも理解させてくれるし、死をもたらすものたちが自分のすぐ近くのあちらこちらに潜んでいて、それらが突然に正体を現して襲い掛かってくるという怖さが映画としての面白みになっている。
いろんな意味で真面目な映画です
もちろんテーマは大真面目です。今のイラクの混乱をみるにつけ、このテーマの重要性はよく感じられます。また爆弾処理班に焦点を当てたこともこの映画の真面目さを感じます。この戦争特有の緊張感をとても如実に表す素材だったように思います。加えて撮り方も真面目だと感じました。最初は画面がグラグラして今どきな感じもありましたが、後半は次第に緊張を含んだ静的な雰囲気が出てきていたように思い、意外なほどに意外性を演出しないように演出していたように思います。
そして何より、こころの描き方が本当に真面目でした。ふとした交流によって微かに主人公のこころが揺れ始める、その微かさがよく感じられたように思います。
先入観なく、また期待とかあまりせず、何気なく観てみたという感じだったのですが、これは観て良かった作品だと思いました。
戦争に人生を吸われた男達
戦争映画では地味で、なかなか取り上げられない爆弾処理。
赤と青どっちを切るか…なんて馬鹿みたいなシーンはありません笑
前述の通り爆弾処理は地味です。が、言葉を変えれば一発で勝負が決まる、死ぬということ。
ここに着目点を置いた作品。
全てが爆弾処理というわけではないが、この映画は、そういった戦争に実在する"一発"と"緊張感"を大事にしている。ように感じた。
2人の主人公、一発に賭けるジェレミーと緊張感を大切にするアンソニーが対照的に描かれていて面白かった。
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