ハート・ロッカーのレビュー・感想・評価
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手放しで絶賛したくもないし、批判したくもない作品
2008年アメリカ映画。130分。2010年51本目の作品。言わずとしれた昨年のアカデミー賞作品で、題材はイラク戦争で爆弾処理の任務を負った男の話。
内容は;
1,イラク駐在の米軍で爆弾処理をしている男。
2,そんな彼も家族の待つ米国に帰れるまであと39日。
3,そんな彼のチームに新しいリーダーが赴任してくる。
本作にコメントをつけること自体がとても難しい。作品全体がとにかく張り詰めていて、重苦しく、そして何をこちらが考えてみても映画はひたすら沈黙している。そう、本作はとにかくメッセージ性やテーマといったものが見えてこない、まるでスクリーンの向こうで静かに沈黙しているのです。
作品としての完成度は極めて高いと思う。というのも、ここまで一貫して緊張感を持続し、そしてひたすら何も語りかけてこないのだから。一糸乱れないような張り詰めた作品。
この映画を正当に評価するにはある程度の時間をおかないと分からないと思う。それは、つまりイラク戦争というものが実質的に決着がつくまで。
ただし、戦争というものをどこかCoolなものとして扱っているきらいがあるのが唯一の不満点。この映画を観て、戦争を分かった気でいるような人がたくさんでてしまうような気がする。
とにかく、メッセージ性が見えてこないのが本作の一番の魅力であり、危険な所です。
DVDをPCではだめかな
DVDをPCで観たのでは迫力がまったく足りませんでした。
洋画の悪いところだと思っていますが、主要なシーンは予告で観てしまっているのでどうなるかも想像できてしまうし、
型破りというか、あえて危険を楽しんでいるようなところも、常軌を逸しているというほどではなく、そこが主題でもないわけなので・・・
戦争はバカクサイものだということを伝えようとする映画も山のようにあり、その中では、ほとんど戦闘シーンがないので、異質だとは思いますが、アカデミー賞を総なめするほどの作品だとは、まったく、感じませんでした。
やっぱり、劇場で観るとまた違う作品になるのかな~?
文句なし。
映画館には行けず、DVDで鑑賞。
かなり話題になっていたので、期待大でレンタル‼
アカデミー賞受賞作品とは、確かに。
描き方はかなり秀逸。
話題の超スロー映像の爆発シーンも、かなりの迫力‼
だからこそ、人間ドラマにも緊迫感がうまれる。
ラストまで、この緊迫感と張り詰めた人間ドラマを持続させる、キャサリン・ビグロー監督、お見事です。
イケ面、ジェレミー・レナの演技も最高です。
戦争映画は、かなり評論は難しい。
とくに日本人の僕たちにとっては、間違えやすい作品である。
だが、目をそらすよりも、たくさんの方に見てほしいと思う。
どう思うかは、関係なく、世界の現実を。
最高に良い意味で【中途半端】
この作品も
『ブレアウィッチプロジェクト』『クローバーフィールド』『スターシップトゥルーパーズ』
『スリーキングス』『第9地区』などなどの
【擬似実録映画】=【モキュメンタリー映画】の1本
ハッキリ言って大好きな作品
【男クサイ】という点で共通する『ハートブルー』と
同じでビグロー作品の中でも最高傑作の1本
いろんな事を考えさせられるテーマだし
いろんな思いがこみ上げてくるけど・・・
戦争や政治や命・・・どれも言葉にするとチープだし
戦場を実際に見てない俺が語るのも嘘クサイかな・・・
なんて事を考えてたら当然何も言えなくなる
そんな作品
映画的な観点から見ると
やっぱり【爆弾モノ】と【テロリスト系】の融合は
とんでもない緊張感がある
そして どのエピソードも
最高に良い意味で【中途半端】
本当に そこが良い
【ある少年の運命】を主人公が【勘違い】するくだりも
説明不足さと【主人公のあっさりした態度】で
一回目の鑑賞時には一瞬混乱して意味が分からなかった
というか そのくだりでは特に【映画的な演出】が
欠けている為に【映画目線】で見てると変な深読みを
してしまい余計に混乱する
そんな場面が何箇所かあったけど 個人的には
【逆にリアル】と思ったんで とても好印象
爆弾解除のシーンでは何度も出てくる【怪しい見物人】も
結局ナゾのまま・・・説明も全くなかったりする
そう それがリアルな戦場・・・
恐らくそれは【モキュメンタリー映画】として自覚して
やっているハズなんで この作品では効果抜群
それくらい映画として【メジャー感】を排除して
リアルさに徹している証拠だろう
その効果があるからこそのラストのスーパーマーケットで感じる
【虚無感】がハンパない
あの場面で主人公と観客が共に感じる
【静けさ】と【安心感】が
ここ最近の映画の中でもズバ抜けてて とても恐ろしい
とても正気ではいられない・・・
胃にズシリと重いものが残った。食べたものが消化できない感じだ。ただ、イラク戦争の爆弾処理班の日常を描いているにすぎない、ドキュメンタリー・タッチの作品ながら、打ちのめされてしまったのはなぜだろう? あまりにも死と隣り合わせで、緊張を強いられる任務だからなのか? それとも、そんな毎日をゲームのように楽しんでいるかのようなジェイムズのせいなのか? 自分でもよくわからなかった。
地雷爆発物処理班の勇者の物語!!ハートロッカー!!
この映画は素晴らしい作品!!!
緊迫感が常につまるとくに子供のベッカム地雷処理を頼まれた時の主人公の描写がとても切ない。(泣
ジェームズキャメロン監督の元奥さんだからアカデミー賞を6部門受賞したんじゃない。
この作品の良さが世界中の観客を虜にしたから最高の映画が完成して、観客にもそのアフガニスタンでの地雷爆発物処理班の攻防に共感したからこそ。!!!
描けた映画!!!!!
文句なしの5点満点!!!!
しんどい。。。
映画というより、ドキュメンタリーぽい。
ハートロッカーとは、「棺桶」と呼ばれる、爆発物処理班のこととは、後から知った。
戦争とは、こんなにもしんどいものなのですね。
当事者でもないのに。
その場にいるわけでもないのに。
ただ、「こんなことがあったよ」という映像を見ただけなのに。
いつ爆発するかも知れないとの、不安で胸がいっぱいになり、とてもしんどい。
一つ終わっては、また一つ見つかる。
また一つ見つかる。
限りない。
何だか息苦しいなと思ったら、いつの間にか、息をひそめて見守っていた。
兵士達から、「隣に友人がいるからこそ戦える」なんて言葉を耳にするけれど、その通り。
爆発物処理のプロとして、危険な場所にばかり赴くジェームス。
何も感じないのではない。
感じていては、できないのだ。
ただ、自分を必要としている人々のために動きたい。
それだけ。
愛する家族とも離れて。
アカデミー賞、9部門ノミネート、2010年3月、6部門受賞作品。
アカデミー賞らしいと言えば、「らしい」作品だと思った。
これは「個」の話
主人公ジェイムズ軍曹の人物造形が素晴らしい。不条理西部劇の名無しのガンマンのような雰囲気を持ち、判断能力も体の動きも胆力も一流(ジェレミー・レナーの動作に説得力あり)。けど、決して神懸かりでもなく、英雄的でもなく、破滅的でもない。自分の命が大事であり、引くときは引く。現地少年との心の交流という幻想も自ら振り払う。台詞の少ない終幕での空虚さも胸に響くものがある。
ここまでの人物造形、最近の映画で見たことあるだろうか。ビグロウ監督とレナーに敬服する。作品の影響がどうであれ、これは完全に「個」の物語。アクション(というよりは、見えない、或いはその場に存在しない敵とのサスペンス)演出や響きまくる音響も勿論凄かった。これは映画館で観ないとね。
戦争というドラッグをふんだんに吸い込む
人を銃で撃って殺すということは、肉が裂けて内臓と血液が飛び出すことを言う。そこに嘘をついてはいけない。それをきちんと描いているから、この作品には大きな力が宿っている。
キャストは大いに地味。レイフ・ファインズやガイ・ピアースといったベテランは、出てはいるものの脇に徹している。主演ジェレミー・レナー演じるクレイジーな兵士には、戦争というドラッグをふんだんに吸い込んだ空気感が漂っている。歩き方から眼差し、話し方、息のつき方、それらひとつひとつで丁寧に命がけの傭兵を体現してる。
カメラもとても効果的なアングルとタイミングを押さえている。この映画は“爆破”自体かなりのキーポイントとなっているのだが、その破壊行為が戦場の麻薬として観客を惑わせるのだ。正義か悪かを問わない戦争映画だからこそ、見ているものは自分で何を見ているのか考えないといけない。そこにはただひたすら、弾丸、肉、スイッチ、血、ワイヤー、人間。それしかないのだから。
戦意高揚映画
グリーン・ゾーンとセットで見るとこの映画の性格がはっきりする。一見、「戦争」をリアルに描くことで悲惨さを訴えているようでいて、この戦争の本質など考えず、ガッバって戦え!という主張にしか見えない。イラク人の描き方が酷すぎる。
War is...
戦争は麻薬である。
このテーマが素晴らしいと思った。
以下、率直な感想
始まっていきなりドキドキさせられた。
ここでまず期待度が高まった。
しかし、中盤からちょくちょくにつまらないシーンが続く。
少々眠い気もしてきた。
「賞とったから」と期待しすぎたのだろうか。
[殺し合い]を観ているのに興奮しない。多分みせ方が悪いのだ。
ここでこの映画に対して悪い印象がでてきた。
しかし終盤。
完全にではないが悪い印象をだいぶ払拭できた。
彼は戦争という麻薬が忘れられず、戦場へ戻る。
言ってみれば異常者である。
銃をぶっ放し、爆弾を無意味に爆発させまくって「はい終わり」な映画ではなく、ちゃんとした事をテーマにしてる映画だなと感じた。
今回はちょっと評価が下がってしまったが、キャスリン・ビグロー監督の次回作に期待する。
ヒリヒリと…神経焦げ付く緊張感。
ご多聞に漏れずの面白さでした。
いや…「面白い」と表現して良いものか…扱ってる内容が内容だけに、不謹慎な気もしますが。
ネタやトリック等を持ち得ないのに、サスペンス要素満載の緊迫感。
やたらとリアルなバグダッド市街地場景。
爆発する、爆発しない…テーブルに置かれた2枚のカード。どっちを引いてしまうのか…任務期間中に延々と繰り返される爆弾ゲーム。
爆弾処理班、主要キャラ三名の現場に於ける様々な反応と対応にも、緊迫感漲っています。まさに爆発寸前の精神状態。
彼らの誰にも納得できるし、誰にも納得できない。当事者じゃないから。
神経磨り減らし、まともな精神状態じゃ生きていけない状況。
前述した様な、爆弾ゲームを楽しむ主人公ジェームズの精神も、また或る意味で磨り減っている。
そして訪れるラスト。
不思議だったのは、ラストカットに訪れた、あの奇妙な恍惚感?高揚感?を自分が感じてることでした。
仰々しい音楽に乗せての、ジェームズの勇ましい後姿。
頭にこびり付いて、暫くは離れてくれないでしょう。
サハラとディア・ハンター
賛否両論の他の方のレビューで言い尽くされているようなので、
内容については触れない。
この映画を見終わって思い出したのは「ディア・ハンター」と、
昔ビッグコミックに連載されていた、小池一夫原作・平野仁作画の漫画
「女外人部隊サハラ」だった。
「ディア・ハンター」で、クリストファー・ウォーケンが演じたロシアンルーレットの
悲惨さは、戦争が人間の心にどれ程の苦痛を与え精神を歪めてしまうかを
まざまざと見せつけてくれた。
「サハラ」の中に、地雷に処女を奪われた修道女が、地雷処理任務となり、
仲間の命を救うべく地雷を処理していく話があった。
彼女は恐るべき集中力と勘で、地雷を捜し出していく。
なぜなら地雷は彼女の愛しい恋人であり、いつ爆発するかわからない恋人と
彼女はまぐわうのだった。
「ハート・ロッカー」のジェームズ二等軍曹が、
ゲームを楽しむかのように爆発物を処理していく様と、
喜々として戦場に降り立つ表情に
「戦争=麻薬」の恐ろしさ・虚しさ・悲惨さを痛感した。
観た事に,自己嫌悪…
グラミー効果(?)で,興味を持たされ,
絶対的安全空間であるところの劇場で,戦場を疑似体験鑑賞(!?)してしまっている事が,その時点でさえ,実際の戦地では,明日をも知れない日々を送っている人々(兵士も,住民も含めて)が存在する事に,申し訳なく思え,「何か,できないんだろうか?」と,映像を観ながらも,考えさせられてしまった.
作品の方は,主人公的人物が,危険どころか死と隣り合わせの戦地から,せっかく(?),平穏無事な日常に戻れたのに,<逆に>自らを鼓舞してくれ,生きている実感を与えてくれる(?)戦場に戻ってしまうトコが,兵士礼讃的で,戦争美化っぽく感じられてしまい,嫌な後味を引きづる.
いくら,爆発をスローモーションで,捉えて叙情的に仕上げても,一瞬にして起きる戦死という名の殺人現場映像(それが,バーチャルだとしても…)なんて,チッとも,美しいもんなんかじゃないっ!
絵空事の中でも,現実でも兵士達は,「家族の為,…」,「国の為,…」に戦うというが,本当だろうか?
自分らと無関係・無関心な「誰かサンの為に,戦わされているんじゃないか?」
と少しは,疑問を持った方が,自分達自身の為にもなるんじゃ,なかろうか?
一般市民に驚く
爆弾処理のリアルな緊張感と恐怖、それと銃撃による殺人に対する感覚。凄い迫力でした。一番驚かされたのは兵士ではなく、イラクの一般市民です。あのような事態を平然と眺めている様子は、どれだけこの事態が日常的になっているのかと痛感しました。
考え込んでしまいました
何というか、レビューを書きづらい映画だと思います。
爆発物処理の話なのに、ほとんどドキドキしなかったし、
ストーリーも、主人公と周囲の人(軍人仲間や現地の人たち)との
間に何やかにやとあるにはあるのだけれど、取り立てて、という
ほどではないように思いました。
だから評価が低いかというと、そんなことは全くなくて。
そういう内容なのに、あるいは、だからこそなのか
戦場が日常であるということについて、そして私たちはそれを彼らに
押しつけているんじゃないかと、すごーくすごーく考えてしまいました。
もちろんドキュメンタリーではないのだけれど
おそらく同じような境遇にいるアメリカ兵の人たちがいて、
私たちはどれだけ彼らのことを思っているの?
米兵の存在によって生かされたり、傷つけられたりしながらも
受け入れるしかない現地の人たちのやりきれないような気持ちと、
またそれを感じているであろう米兵。それでも仕事をしなければならない
彼ら。
正常な精神状態でいられなくなるのも当然かなと。
「無事で帰ってきて」という、監督のアカデミー賞での言葉に納得しました。
気軽に見られる映画ではないけれど、私はほんとうに秀逸な映画だと
思います。
序盤の緊張感の勝利。
――twitterレビューよりコピペ(twitterID=skydog_gang)
『ハート・ロッカー』鑑賞。最初のシーンから異様な緊迫感で一気に引き込まれる。但しドラマに色気を出して娯楽に徹することができなかったのかはたまたその逆か、途中で冒頭の吸引力が薄れてしまうのが残念。それでもラストカットの「男燃え」たるや恐るべきレベル!全て許せちゃう感じ。
ビグロー監督の「男燃え」の押さえっぷりには毎度感服する。でも『ハート~』観終って最初に浮かんだ感想は「冒頭の字幕で全部言っちゃってんじゃん」だった。子供向けの絵本に「このお話の教訓は~ということです」とかわざわざ書いてあるのと同じような。あの字幕は完全にいらんと思う。
“戦争は麻薬”を実感
この作品のテーマ(というか言いたいこと)は明確です。
だって、映画の冒頭でばーーんと文字になって出るのですから。
なので、たとえ1分でも、本編が始まってから入って
そこを見逃してしまうとすべてが台無し。
必ず、ちゃんと始まる前に席について、両目をばっちり開けておきましょう。
で、そこで出る言葉とは、
「戦争は麻薬である」
本作の主人公は、イラク戦争での爆弾処理係ジェームズ二等軍曹。
周りがひるむような危険なブツでも勇敢に挑み、
黙々と処理していきます。
その姿は、兵士というよりもむしろ職人。
おそらく、彼本人、職人気質ではあるのでしょう。
でも問題は、ここが戦場であり、ジェームズが扱っているのが爆弾であるということ。
その異常なまでの緊張、「命を掛けている」というスリルにジェームズのアドレナリンは噴出します。
しかも、そんな「自分がしたいから」した行為の結果、
周囲から「すげーよ、ジェームズ!」という称賛の嵐を浴びる…
そんな興奮の二乗、三乗の結果、
彼は立派な“戦争ジャンキー”になってしまうのです。
ジェームズが戦争なしでは生きられない(輝けない)カラダであるという事実は、
終盤に、任務を終了した彼が、
家族とスーパーで買い物したり、子供をあやしたりする姿でむごいほどありありと表現されます。
普通ならば、任務が終わって幸せいっぱいのはずなのに、
ジェームズの精彩を欠いた顔といったら
そして、ラスト、彼は再び戦場へと戻っていくのです…
ベトナム戦争以来、こういった帰還兵の心の病は、
戦争で奪われた命と同様に、
戦争以降、アメリカ社会が抱える大きな問題の一つでしょう。
そういった“影”の部分の根っこにスポットを当て、
しかもそれが、“殺す”部隊ではないために
より問題が顕在化しにくい爆弾処理担当という盲点を選んだこの作品は
たしかに(特にアメリカにとっては)アカデミー賞に値するだろうなあ、と思います。
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