「任務明けまであと◯日」ハート・ロッカー 作務衣もんさんの映画レビュー(感想・評価)
任務明けまであと◯日
『戦争は麻薬である』
そういった文から今作は始まる
観賞後読んだレビューに「主人公の姿は米国そのもの」という物があり、私にはとても腑に落ちた
やめたくてやめられないのか、やめたくなくてやめないのか
「米国そのものだ」ではなく「人間という存在そのものだ」と読み直すこともできるかもしれない
主人公はイラクに駐留している米軍人で爆弾処理の専門家
優秀だがスタンドプレーが目立ち、仲間からは疎まれている
町中に仕掛けられているテロ爆弾を処理したり、それが激しい銃撃戦に繋がったりと苛烈な毎日だ
全員が肉体的・精神的に摩耗していく
特に酒を飲んでふざける感覚でお互いを殴り合い、しまいに一線を超えてナイフを首元に突きつけるシーンでは彼らの「何か」が外れかかっていることを感じずにはいられない
しかしそんな日々にも区切りがある
「任務明けまであと◯日」
シーケンスごとに表示されるテロップで観客もそのことを知らされている
区切り。実際の麻薬も一度手を出したらあとは「薬を使わなかった」一日ずつを繰り返すしかないのだという
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