劇場公開日 2010年3月6日

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「●職業に貴賤なし。というけれど。」ハート・ロッカー うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0●職業に貴賤なし。というけれど。

2016年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

分厚い防護服。えっでも素手なの? そうか。人が解体するんだね。爆弾を。
そして緊張感でヒリヒリする。あっという間に心は かの地に連れて行かれる。

紛争地の日常がまざまざと描き出される。「アメリカン・スナイパー」もそうだけれど、これが戦争なのだ。現場に出たら生きるか死ぬか。そうかと思えば現地の子供とのたわいない会話もある。大上段からの加害者vs被害者の構図ではない。彼らの職場は戦地なのだ。格差社会でも稼げる職業。

悲しいかな戦地には中毒性がある。生きている実感が得られるというか、やりがいがあるというか、圧倒的に必要とされるから、彼らは再び戦地に向かうのかもしれない。先進国が軍備増強をやめないのは、もちろん対テロもあるが、裏側のこうした側面もあるからなのかもしれないと思い知らされる。

「大人になると、あんなに好きだったものが特別でなくなる。特別なものは1つくらいだ。」
アメリカのスーパーに並ぶ膨大な種類と数のシリアルたち。彼らの職場とのギャップを思うと、なんともやりきれない。

AIはじめ、人類の科学技術はものすごい勢いで発達していて、機械が爆弾解体できる日はそう遠くないかもしれない。でも、ホントはこんな仕事なくなった方がいいに決まってる。そんな日が早く来るように、人類はソフト面でも進化が必要だ。

うり坊033