禅 ZENのレビュー・感想・評価
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小浜饅頭もいいけど、やっぱり“すりこぎ饅頭”。今年は福井県がアツい!(2009年当時)
何度か行ったことのある永平寺。曹洞宗大本山といえば、石原裕次郎の墓もある総持寺も有名だけど、道元禅師によって開かれたこの永平寺。触ると料理が上手くなると言われる巨大なすりこぎがなぜか印象に残ってしまうのですが、道元という人物の詳細さえ知らなかった・・・
時は乱世の鎌倉時代。比叡山の坊主ってのはヤクザなの?と、六波羅探題が何なのかも知らない日本史オンチなので、映し出される事象がなぜか目新しい史実に思えてしまう。薙刀を持ってるところを見ると、さては弁慶の末裔だな・・・と、すでに無知の極みで頭の中で勝手に悟りを開いてしまいました。異教という理由で賛同者が増える道元(中村勘太郎)は迫害を受け続け、やがては山の寺を焼き払われ、波多野義重(勝村政信)の助けで越前国志比庄へと移り住むことになったのです。
原作者・大谷哲夫氏の解説によると、750年前の乱世は現代に通ずるものがあるという。相次ぐ戦争と貧困。町の様子も腐敗した世相が反映され、行き倒れの人々が犬に食われている。極めつけは北条時頼(藤原竜也)が戦で殺めた人の怨霊に悩まされるシーンで、生首が海岸に並べられているカットは夢にも現れてくるんじゃないかと思うほどショッキング。
空海、最澄、親鸞などの仏教者とは違い、世俗や戦乱から隔絶した孤高の人、道元。仏は人がみな心の中に持っているもので、死んでから仏になるのはおかしいと疑問を持ったことから始まり、“只管打坐(しかんたざ)”の精神を貫き、ひたすら座ることを主張するに至る。「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり」と日本の四季を良きも悪きそのまま受け入れる自然体から悟りが開けるのだ。
中国パートもなかなか良くて、出会った老典座(笹野高史)と道元の中国語でのやりとりも印象に残る。そして、遊女おりんを演じる内田有紀やその夫でる哀川翔もいい演技を見せてくれるのです。残念なのは弟子の一人高良健吾だけ。
地味だけど、とてもよく練り込んである映画なのですが、、言葉が難解だったりもするので、ちょっとは予習していったほうがいいかもしれません。単なる伝記ものかと思っていたけど、意外にも溶け込んでくる心象世界。日本人のDNAに潜んでいる仏教の心を揺さぶられたためかもしれない・・・
【2008年8月映画館にて(先行上映だったのか?)】
曹洞禅の起源
妥協があまりない映画
只管打坐
曹洞宗道元の壮大な人生
中村勘太郎が名演技です。
座禅の真髄がワカル
梨がパパ?
あるがままの自分。
曹洞宗を開き禅の教えを説いた鎌倉時代の僧、
道元禅師の生涯を描く歴史ロマン。…と説明されている。
仏教にも曹洞宗にも無知なる自分が、この話に入れるか
どうかと心配したものの、取り越し苦労は杞憂に終わった。
道元を演ずる中村勘太郎の歌舞伎さながら見事な台詞回し。
中国語にも堪能でビックリした。笹野高史までペラペラと喋る。
それぞれが各々の佇まいを凛と演じて、やや格調高いものの、
内田有紀・藤原竜也あたりに現代調のリズム感を持たせて
娯楽ドラマにも仕上がっている。なかなか面白く勉強になった。
春は花
夏ほととぎす
秋は月
冬雪さえて
すずしかりけり
何度も聞いた言葉ではあるが、素晴らしい響きがある。
「あたりまえ」や「あるがまま」を受け入れることの難しさ。
人間はどこまでも欲深い。
身体がめっぽう硬く、坐禅ができない私には、ただ
ひたすらに座り続ける「只管打坐(しかんたざ)」が興味深く、
いつか永平寺を訪れた折には、是非習いたいと思った。
(知り合いに勘太郎に似た人がいて、名を呼びそうになった^^;)
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