引き出しの中のラブレターのレビュー・感想・評価
全5件を表示
常盤貴子入籍
常盤貴子入籍というニュースを聞いたおかげで、スルーするつもりだった作品だったのに慌てて映画館へ行きました。伝えきれなかった想いをラジオDJが読み上げることによって人と人が繋がるという、温かい作品でした。今年もっとも泣けた映画かも・・・泣き顔を見られたくないので煙が目にしみたように見せるためにそそくさと喫煙室へ・・・
ラジオ・パーソナリティの久保田真生(常盤貴子)を中心とした群像劇スタイルになっていて、意外な仕掛けもあったりするので物語の構成もなかなかの出来栄えです。そこで圧倒的な存在感を示すのが笑わないお祖父ちゃん・仲代達矢。現在、能登演劇堂において若村真由美と無名塾による『マクベス』が公演されてます(観たいけど、チケットはとっくの昔に完売)。
オセロの中島知子もよかったのですが、タクシー運転手として最も注目してしまったのがタクシードライバー役のフットボールアワー岩尾望でした。「また苦情がきてるぞ」「道を覚えろ!」と上司に怒られ、道を間違えてお客さんにペコペコ。「道を知らないならカーナビを使えるようになれ!」。リアルです・・・中島知子が手を挙げた瞬間などは車を停めたくなる衝動に・・・ちなみに私の車にはカーナビがついていません。
親子、夫婦といった家族間の確執がメインのストーリーだったため、わざとらしい恋愛ドラマよりも共感できたような気もします。台詞の中では「元気ですごしていればいい」「親は子の言うことを聞くようになる」といった言葉もいいけど、片岡鶴太郎の「毎日一緒に飯食っていれば・・・」なんてのにはグサリときました。
タイトルにある“ラブレター”という言葉にいい意味で騙されたですが、英語では本来家族間や友人間でも“アイ・ラブ・ユー”を連発するので、なにかと気持ちを伝えるのが下手な日本人にとってはカンフル剤となり得るのかもしれません。もっともケータイメールが流行っているので現代っ子には当てはまらないのでしょうけど。
久々に泣いた。 自分の父親と上手く付き合っていけなかったDJ。 そ...
久々に泣いた。
自分の父親と上手く付き合っていけなかったDJ。
そのDJが伝えきれなかった思いをラジオで募集する。
とっても気になるのは返信の手紙。
それが読まれなくてもだいたい想像はできるし、さらに涙するのは必至だけど、それでも気になる。
じいちゃんが書こうと思ったその辺りをもう少し見たかったな。
でも、やさしい気分になった。今日は父親の誕生日だ・・・。
恋人宛の手紙だけが、ラブレターじゃないんだよ
映画「引き出しの中のラブレター」(三城真一監督)から。
ストーリーは複雑じゃないけれど、なぜか心が動かされた。
手紙のメッセージ力、いやラジオを通した「言葉の力」を再確認した、
そう表現する方が正しいのかもしれない。
タイトルだけで想像すると「ラブレター」の言葉が一人歩きし、
恋愛作品と勘違いされてしまいがちだが、誰かに伝えられないでいる
自分の想いを文字にする時、それを「ラブレター」と呼ぶのだろう。
それを確かめようとメモをしていたら、タイミング良く、
伊東四朗さん演じる、ラジオ会社社長の台詞にぶつかった。
「恋人宛の手紙だけが、ラブレターじゃないんだよ」
そして、その想いをラジオという媒体を通して、
主演の常磐貴子さんが、優しい声でリスナーに語りかける。
「心の引き出しにしまってしまった想いは、そのままでは届きません。
たとえ大切な人が遠く離れていたとしても、ちょっとだけ勇気を出して、
一歩を踏み出してみてください。想いはきっと相手に届くはずです」
「ラブレター」を「恋文」と訳すから、相手が異性になってしまうが、
「大切な人へのメッセージ」と訳せば、誰にでも書ける。
これからも「手紙」をテーマにした作品、観続けていこうっと。
P.S.
巷を騒がせた「中島知子」さんが出演していたが、いい味を出していた。
この作品の根底に流れるメッセージを、彼女はどう受け止めたのだろう。
言葉にできない。
この作品の、とくに前半における居心地の悪さは、
タイトルがある意味、代弁してくれている。
引き出しの中(つまり長い間そのまま)のラブレター。
出すなら出す。また、読むなら早く読めばいいのに!
いつまでも決心がつかない。まさにその感覚なのだ。
でもふと考えてみると、人間ってそんなもんかもな。
と思えてくるから不思議だ。
中盤以降、話にグッと深みが増し始めるのは、
誰もが思うようにスラスラと気持ちを語れはしない。
そんな不器用な生き方もいいんじゃないか。と
(この感覚は人それぞれ)認められるようになるからだ。
…ここで描かれる父と娘の関係。
これがまた我が家の状態とピタリとはまって参った^^;
父はまだ健在だ。(爆)たまに会話も、あるにはある。
だが、小さい頃からほとんど口を利いたことがない。
思うに父は、愛情を示すのがものすごく下手な人で、
子供の扱いも上手くない(爆)なのでなつか(け)ない。。
うんと褒めてもらったことも、頭をなでられたことすら
ほとんどないのに、叱り飛ばす時だけは威勢がいい。
今作に出てきた父親同様、心ない言葉を娘に浴びせ、
こちらの心軸を見事に折り曲げてくれるわけだ…(T_T)
どうして私と父は、他の家庭みたいになれないのかと
父娘仲の良い友人を見て、いつも羨ましかったものだ。
人間には相性があるが、それは親子でも存在する。
決して人間的に悪いわけではないが、合わないヒト。
誰よりも大切に想っているのに、素直に言えないヒト。
そういう不器用な人間達が右往左往している世の中
だから、こういう企画があってもいいのかもしれない。
先日の海賊ラジオとは違う感性で(いやまったく^^;)
人々の心を代弁しているのがラジオ・パーソナリティ。
自分の好きなDJの声を聞くだけで、よく元気になれた。
群像劇のような今作の内容は確かにややベタ気味で、
彼らの演技も演出もなんだか学芸会みたいに見える。
でも、もしもこのヒトから、この一言が聞けたなら…と
期待してしまう人間の愚かさこそが人情だと思いたい。
素直になれない自分にとっては、まさにバイブルのよう。
こうしてグダグダと感想(ともいえないが)らしき文章で
映画に対する想いを打ち明けている私も、同様なのだ。
(大切な人が元気なうちに引き出しから出しておこうね)
書けないことをやり直す
今まで、照れくさくて書けなかったラブレターを、勇気を出して書く気持ちにさせてくれた作品だ。J-WAVEのラジオも作品を盛り上げるいい手段だ、さあこれから書こう!!!
全5件を表示