その土曜日、7時58分のレビュー・感想・評価
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イメージより観やすいクライムムービー
マリサ・トメイが、エロイ(笑)
以上!!
ってのは嘘だけど、それが強烈に印象に残りました(笑)
邦題やポスターのイメージと、フィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホークの出演で、
こむずかしい話かなと思ってたら、観やすくて、すぐ引きこまれました。
途中から少しダレたけど…
他の方も言われてますが、タランティーノっぽいかな…
タランティーノを大人っぽくしたような。
75点ぐらい。
『リコリス・ピザ』主演のクーパー・ホフマンは、フィリップ・シーモア・ホフマンの息子らしい…
最近、知りました。
知ってました?
良く出来ている。
タランティーノ的時間軸逆転犯罪サスペンス
Veryサスペンス
全編サスペンスフルです。
①脚本:時間が少しずつ行ったり来たりしながら段々真相が明らかになる筋立てが絶妙です。
②演出・演技:何考えてんだかわからない怖い怖いホフマン選手、ビビりまくり流されまくりのホーク選手、苦悩と絶望のフィーニーの旦那、頭悪そうにズレてるトメイ女史、ルメット選手の演出意図以上の過剰演技は秀逸です。
③構成:時間が戻ったり帰ったりする度に、「え?何?」的な場面から始める演出はスリラーです。
暗い、絶望という感想多いようですが感情移入の余地を残さない客観的な演出なので、サスペンスフル、ドラマチックなエンタメといえましょう。
確かにルメット選手にしては最後が???ですが、これは脚本上のことであって演出の責任ではないです。
パーツが積み重ならずバラバラ
見応えのある映画でした。
一見、成功しているようなお兄さんと可愛いだけの妻。
甲斐性なしの弟。
成功しているが、厳しいお父さん。
話しは兄弟で、お金目当てで実の両親の宝石店を強盗するところから始まります。
いや、正確にはマリサトメイのセクシーシーンから始まります。まず男性の皆様には一発目の見所かと。
強盗を決行するものの、ひとつずつズレが生じていきバラバラになっていきます。
名映画には名演技、名シーン、名台詞がありますね。
フィリップシーモアホフマン、イーサンホーク、アルバートフィニー、マリサトメイの名演技が光りますし、標題もフィリップシーモアホフマンの名台詞から引用させていただきました。
僕の思う名シーンはフィリップシーモアホフマンが家の中をめちゃくちゃにするシーンがあるのですが、テーブルに沢山のパワーストーンのような石の入ったお皿を持ち上げてゆっくりとバラバラと石を落としていきます。
まるで自分の人生のように。
少し重ための映画かもしれませんが、今は亡きフィリップシーモアホフマンとシドニールメット監督の作品ですので、必見の価値ありです。
もうおふたりがこれ以上映画に出ることもないですからね。
全てが狂いだす・・・
悪魔に気付かれる前に
WOWOWにて。
『スパイダーマン』のメイおばさん二人の共演。
兄弟・夫婦・親子の関係を緻密に描く。
抜け出そうと努力するが、努力の方向が間違っていたのでボタンのかけ違いが最後には大きな連鎖になっていく。
全てが裏目裏目に出てしまうのは現実でもある。もがいても泥沼にハマってしまう。
夫婦間や親子感で悩みを共有しないこともありがちだろうし、そのことによる不満も溜まるのもリアリティあって不穏。
必要最低限の説明やセリフながら、背景は様々に想像できて、画面に映るもの全てに意味があるように思わされ、これぞ映画という感じを受ける。
演出の妙と、俳優陣の演技力に魅せられて、シンプルなテーマながら重厚感あるストーリーに仕立て上げられていて、最後まで飽きない。
5年後ぐらいにまた観たい。
以下、印象的なセリフ。
「オレの人生はパーツの合計にならない、一つ一つの結果ぎ積み重ならないんだ」
重苦しいエンディング。体調がいい時に見てください。
ショッピングモールの一角にある、両親の経営する宝石店。強盗に入って金とダイヤを盗み、どうせ保険金が入るから損害はない・・・などと、弟ハンクを強盗計画に参加させる兄アンディ。拳銃もおもちゃを使い、ちょっと脅すだけの簡単な仕事だからなどと持ち掛けるが、当日店番するはずのバイトのおばちゃんが休んでしまい、母親ナネットが店にいた。ハンクが主犯を努めればすぐわかるはずだったのに、臆病なハンクは悪友のボビーに襲わせたのだ・・・
邦題となっている土曜日の朝を基点として、ハンク(ホフマン)、アンディ(ホーク)、父チャールズ(アルバート・フィニー)の視点を用いて、数日前やその後を描くスリリングな時系列編集で魅せてくれる。さすがオスカー監督だけあって、心理劇の重厚さはさすがだ。
ハンクはヤクに溺れ、会社の金を使い込み、国税局が調査に来るからと何度も会社から電話が入る。アンディは離婚してから養育費の支払いが半端ないくらいで金がない。どうせ保険金が出るんだし、銃を撃つこともないと高をくくっていたのだ。しかし、実行犯を雇ってしまったという間違いによって思わぬ不幸な方向へと進み、どん底に落とされてしまう家族。おまけにハンクの妻ジーナ(トメイ)と浮気しているというおまけつき。
どうしてここまで落ちるんだ?原因はこのハンソン家だけではなくアメリカ全体が抱える闇の部分にもあるのだろう。薬物もそうだが、酒場で雇ったボビーにしても、脅迫してくる義兄にしてもクズとしかいいようのない男たち。「ボビーならレンタカーなんか借りないわよ。すぐ盗むから」というセリフもその象徴。流れとしてはブラックコメディなのだが、ルメットが撮ればこうした重々しい作品になるのだと主張してるかのよう。
冒頭映像では、このマリサ・トメイの激しいセックスシーンとナイスバディを披露。『レスラー』(09)でも脱いでいるけど、この作品の方が魅力いっぱい。父親のアルバート・フィニーも安定の演技力でした。
原題の意味も奥深く、悪魔に知られる前に天国に着きますように・・・と、この2年後にシドニー・ルメット監督が天に召され、5年後にフィリップ・シーモア・ホフマンが若くして亡くなりました。合掌。
every Thursday
若干粗いがウェルメイド
落ち込む
死んだのが悪魔に知られる前に
パンフレットによると。
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一見、だれもがうらやむ優雅な暮らしをしていた会計士のアンディは、
離婚し娘の養育費もまともに払えない弟ハンクに禁断の企てを持ちかける
それは、実の両親が営む宝石店への強盗計画だった
その土曜日、7時58分
「何がふたりを駆り立てたのか」
.
アンディは妻とやりなおしていきたかった
薬で自分をごまかし、
会社のお金をごまかし、
何も語らずにうまくいくはずだった
.
妻はアンディの苦しみを知るすべなく、
むなしさはぬぐい去れない
幸せのふり、できていたはずだった
だけどパーツはいつもバラバラ
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なにひとつ望みはかなわない
すべて完璧のつもり
それなのにくずれていく
後からつなげようとしたって駄目
こうなったらもう「リセット」するしかなくて、
でも、
そんなふうになりたいわけじゃなかった
だけど今やそれが最良としか思えない
いつだってみんな
想い描いていたものはあったのに
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原題:
BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD
(死んだのが悪魔に知られる前に)
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いい映画だった
まさかこんなによいとは思わなかった
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「オイディプス王」も真っ青な作品
2007年アメリカ・イギリス合作映画。117分。今年2本目の作品。「旅立ちの時」がとても心に残ったシドニー・ルメット監督(84才!)の作品でございます。原題は「どうか天国にいけますように、悪魔があなたの死を気づく前に」といった感じ。
内容は、老夫婦が経営するジュエリーショップに強盗事件が起きる。店番の奥さんと強盗は死に、店の外で待っていた相棒は車で逃亡。その逃亡者は老夫婦の次男で影の首謀者は長男だった、といった按配でございます。
この作品はサスペンス仕立てになっている都合上、これ以上内容に言及しないほうがいいと思います。それでもこの邦題は原題以上に本作の魅力を表現していると思いました。観終わってから考えるとこの邦題のほうがメッセージが伝わりました(それに、悪魔や天使というのは日本人にはしっくりこないと思う)。
「旅立ちの時」は夜逃げ家族がテーマでしたが、本作は上流階級の家族がテーマ。とてもショッキングな展開が待っていますが、本作で描かれたほどまでじゃなくても、これは現実にあることだと真剣に思う。
ルメット監督のタッチは冷徹、あまりにも冷徹すぎます。本作のエンディングを観て、後は考えてくださいというスタンスです。そして、そこから考えない人がでたらどうなってしまうのだろうと一瞬の危惧を抱いてしまう怖いエンディングでした。
あのエンディングに漂う重苦しい沈黙は、このような題材がこれまで語られすぎて、もはやネタがつきてしまい進めないかのような絶望感を感じました。過ぎてしまった昔を憧れることは悪くないかもしれない。
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