「ジックリ寝かした濃厚なルーのような味わい」ウルフマン septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
ジックリ寝かした濃厚なルーのような味わい
まさかまさか
すいません、ラスト
泣いちゃったんですけど(苦笑)
ホラー映画が苦手な私。
時には、その日の夜に
映画のシーンがそのまま
出てきてうなされることもある私。
なんどか震えていました。
なんどか体を斜めにくねらせて
スクリーンから目をそらす準備を万端に整えていました。
だって、
怖いシーン苦手なんですもん。
特に、あの突然、わけもわからぬ物体が
激しい効果音と、ともにスクリーンの脇から
フレームインしてきて人間が襲われるシーンなんて
心臓が口から飛び出すんじゃないかくらいの勢いでバクついて、
「あ~~~、やっぱりみるんじゃなかったぁ~~~」
別の意味で眼を潤ませながら後悔してしまうのです。
今作も何箇所か、そういう場面がありましたが、
なんとか、ラストまで退席することなく見届けることができました。
◇ ◇
冒頭の“まさか”。
まさか、ラブ・ロマンス色が
強い作品だとは想像していなかったのです。
もっと、狼男の残酷さと
その裏に隠れている悲哀が
クローズアップされるのかなと思っていました。
でも、この意外さ、大歓迎です。
そのおかげで、エミリー・ブラントさまを
何回もスクリーンで拝見することができましたから(笑顔)
嫉妬
自制心
女性に対する男心
訴えかけてくるテーマは、この辺りでしょうか。
ベニシオ・デル・トロ
アンソニー・ホプキンス
誰しもが認める名優二人が
親子の葛藤を含めて、ホラーではあるのですが、
人間くささをスクリーン全体を使って表現してくれています。
終盤のクライマックスから
ラストシーンは、まさにその集大成。
CG、音楽、
特殊メイク、アクション、
忘れちゃならない俳優の熱演。
すべての条件が揃っています。
ラストシーンなんて
怖いから体を斜めにして、
でもやっぱり観たいから
スクリーンに顔を向けて
「お願い○○しないでぇ~~~」
両手を顔の前であわせて
スクリーンに向かって、
小さな声をだして拝んでしまいましたからね。
そして、願いが叶うと同時に、
ホロホロと涙が零れ落ちてしまいました。
★彡 ★彡
正直、エミリー・ブラントさまだけを
拝顔できればいいや、くらいのノリで
あまりストーリーには期待をしていなかったのですが、
いやいやどうして、何日も素材を寝かしこんだような
コクとトロミのある、上質で一筋縄ではいかない濃厚な作品に仕上がっていました。
星の数、迷ったのですが、
パンフを買いたいところまでは行きませんでしたので、
限りなく5点満点に近い、4,5点をつけると同時に、
しばらくの間、満月の夜は外を出歩けなくなりそうです(苦笑)